奇妙な物語-幽霊トロッコ-とても奇妙な夢だったので、記録を残すことにした。
最初はよく見る現実と虚構の入り混じった夢だった。
私と油田くん、ナナチニキの三人は私の実家であろう風景の中で談笑しながら歩いていた。不思議なのはちゃんと人なのだ。ただし顔は暗い霧に覆われていて思い出せない。
油田くんはなにやら得意げに語っているが私たちはそれを聞き流しながら、タケノコのように生えまくっている金色のクリスタルを集めていた。黙々と。
「こんなに生えているものなんだねえ」なんてナナチニキに言いながらひょいひょ採る。油田くんは相変わらずきょろきょろしていたかと思うと「あそこだ!」と言って急に走り出した。
目の前にはぱっくりと割れた地面があった。
「見事に先が見えないな」
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