このセカイは居心地が良い。
誰かに話したい時、ここに来れば何でも話せる子たちがいる。
1人になりたい時、誰かが来てもそっとしておいてと言えば何も聞かず1人にしてくれる。
今日は後者だった。
「…ふう」
いつもの様に曲を再生し、この地に降り立つと、今は誰もいないようだった。ここは昼夜はないけれど一応みんな現実世界での夜の時間帯には寝るようにしているらしい。
本当ならラフを描かなければいけない。雪平先生の課題も、一応は終わっていたがまだ納得は出来ていない。ここに来る暇なんてないはずだった。
だけど家にはいたくなかった。
家には、彰人がいる。
何をどうしてそうなったかはもう忘れたけれど、私は彰人をもう弟として見れなくなった。口うるさくて偉そうで、でもなんだかんだ世話を焼いてくれて気にかけてくれて、食べ物の好みも一緒で…
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