その先の二人の話「叔父上!」
金鱗台での清談会が終わり、暇乞いを告げにきた江澄の姿を認めた金凌は、屈託のない笑みで叔父に手を振った。
いつの間にか江澄の背丈に追いついた金凌は、かつての美少女めいた容貌を脱ぎ去り、すっきりとした目鼻立ちの好青年となっていた。我が儘な小暴君らしさはすっかり鳴りを潜め、まるで人懐こい大型犬のようだ。
金氏らしく華やかな、しかし相応の威厳を感じさせる衣装を身に纏った甥の幼い仕草に、江澄は深く眉間に皺を寄せた。
(怒られる!)
雷を落とす予兆を見せた江澄に、金凌はギクリと身を固くした。
しかし、いつもであれば即座に落とされる叱声が続けられることはなく、代わりに江澄は苦虫を噛み潰したような表情を浮かべた後に、恭しく金凌に対して拱手した。
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