きみにだけ、特別。ピピピピ、とアラームが鳴り響く。
直様それを止めて立ち上がると、棚の一角においた小さなカゴを取り出した。
慣れた手つきでテーブルの上に、付ける順に並べていると、ペタペタと歩いてくる音がする。
よかった。予想通りだ。
そう思っていると、ガチャリと扉が開いた。
「るい、あがったぞ」
「うん。こっちおいで、司くん」
僕のその声に、司くんは返事をすることなく、ぽてぽてと歩いて近くに置いておいた座椅子にすとんと座った。
「それじゃ、始めるね」
「ああ、たのむ」
恋人同士になった僕たちは、互いの部屋に泊まることも多くなっていって。
最初は司くんが自ら僕の家まで持ってきてくれていたヘアケア用品も、今は専用の置き場所まで用意して完備している。
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