〔56〕スパンダム受け【2023年1月3日】 スパンダム受け【2023年1月3日】
2023年1月3日
CP-0時代
ルチスパ
スパンダムの乗った天上金徴収の船が襲撃に遭う話
欠損有り
天上金の運搬船を襲撃され天上金は強奪された。死体が転がるデッキで尻もちをついて怯えていたスパンダム
ことの結末を思い浮かべ、天上金を奪われたCP諜報員など粛清対象であろうと、先の見えた未来に怯えて腰が抜けたのだった。
戦う意思の無いスパンダムは足枷をつけられて船に繋ぎ止められた。
天上金は奪われ、船底に大穴を空けられ船は沈み始めた。
船に括り付けられたスパンダムはファンクフリードを呼び出し一頭で逃げるように告げた。
海のど真ん中で悪魔の実の能力を持つファンクフリードには逃げ場など無いが、スパンダムはファンクフリードを無事に逃してやりたかった。
ファンクフリードが鼻で引っ張っても足枷の鎖は千切れなかった。
船がどんどん沈み、沈むスピードが早くなるとファンクフリードは鼻先を剣に変えてスパンダムの足を鎖から切って離した。
スパンダムは悲鳴をあげて唸り、ファンクフリードは鼻でスパンダムの身体を抱き寄せ、耳を大きく広げて羽ばたかせた。
ファンクフリードはスパンダムの為に能力を増やした。
ゾウゾウの実の可能性で空飛ぶ象の力を得た。
耳で羽ばたき空を飛び、沈む船から逃げ出した。
ファンクフリードは医者の居る街を探して主人を託した。
その間にファンクフリードは道端で芸をして投げ銭を稼ぎスパンダムの治療費にあてた。
天上金の運搬船が沈み、同じくして象が現れ芸をしているという街の噂を入手した諜報員はその街で負傷し入院中のスパンダムを見付け出した。
象が主人の為に芸をして入院費用を稼いでいるという噂は遠くまで聞こえ観客を呼び、観光客を呼び寄せ、任務を失敗したスパンダムの処分はその街の庶民に守られ保留になった。
痛みが無い訳では無いが切断面は皮弁で被覆し治療が施されて一命は取り留めた。
長期療養を終えたスパンダムはファンクフリードの貯めてくれたお金と、沢山寄付された支援金で治療費と入院費諸々を支払い退院出来た。
片足の先を失くしたスパンダムは杖をついて歩く生活を送る事になった。
ファンクフリードが背中に乗せてくれるので歩行に苦労はしなかったが
CPに戻っても処罰として牢獄送りだろうからと自ら戻る気になれなかった。
そもそもがまだ始末されていないのがおかしなくらいだった。
本来なら居場所を突き止められて連行されて処罰を受ける筈だ
船が沈んだ全責任を生き残ったひとりに取らされる筈だ
それなのにまだ処刑人も何も現れない
スパンダムは素泊まりの宿に泊まった。
今後の身の振り方を考えなければならない
否、考える時間なら沢山あった。
上手く逃亡生活を続けなければならない
先の見えない逃亡生活にお先真っ暗だというような気持ちだが、ファンクフリードが救ってくれたこの命を無駄に散らせる気は無い
スパンダムは生き延びてやるという目標だけは掲げていた。
病院の在った街から出るやいなやCPの諜報部員がスパンダムの前に現れた。
スパンダムは観念する気はなく象剣に手をかけた。
仮面を付けた政府の諜報部員は「天上金を奪った首謀者はお前か?」と尋ねて来たので「とんでもない!!?海賊の襲撃に遭い、みんな殺されて、私も手錠で足と船を繋がれて船と一緒に沈められるところを⋯⋯象剣に救われたのです。船は沈み、天上金は海賊に奪われました」と象剣のファンクフリードの知名度がどの程度のものなのか見当がつかないので途中で言葉を詰まらせながらも真相を伝えた。
「何処の海賊かわかっているのか?」
「何処の海賊かはわかりませんが、海賊旗なら覚えています」
「よし、ならその海賊を殲滅し、天上金を全て取り戻す。お前も同行しろ。手柄を上げて監獄送りを回避出来るかもしれんぞ?」
そう言われてスパンダムは喜んでお供する事になり、CPの仮面の諜報部員に記憶の中の海賊旗を描いて見せて、海賊の拠点とする根城を割り出し、現地に向かった。
そして仮面の諜報部員がひとりで海賊を全て殲滅し終えると、海賊が奪った天上金の他にもある金銀財宝を全て没収し、政府の財産に帰属した。
スパンダムは政府の船でそのまま聖地マリージョアに戻る事になり不安な気持ちが募って来た。
天上金は取り戻したが、処罰が軽くなるという保証は無い
まず、総監のロブ・ルッチはそんなに生易しくは無い
CP諜報員としての責務を熟せない者には監獄送りか死が待っている
スパンダムは総監の部屋の前まで来て深呼吸をする前に同行していた諜報部員が部屋の扉を開けた。
ノックもしないその行動にスパンダムは顔を青褪めさせた。
スパンダムは天上金の一部が入ったトランクを持ち総監の部屋に入った。
しかし総監は不在だった。
スパンダムは肩透かしを食らった気分だったが安心もした。
処罰を与えられる時間が少し伸びたと⋯⋯
同行した諜報部員は歩みを止めずに総監のデスクの前まで行くとデスクの上にある連絡メモを手に取り目を通していた。
「勝手に見ちゃマズイですよ」
スパンダムは慌てて男と思われるその諜報部員に、勝手に書類を見てはいけないと告げた。
男はメモを手にしたままデスクの向こう側に回り込み総監の椅子に腰を深くかけ、仮面を外した。
「⋯⋯」
「声音を変えるだけで此処まで気付かないとはな」
「総監⋯⋯え?何故、どうして総監があんな真似を?」
スパンダムは理解が追い付かなかった。
ずっと一緒に行動していた政府の諜報部員はCP-0総監のロブ・ルッチだった。
「スパンダム」
「はい!」
「政府の船を沈められ、負傷し五体満足で無い中、海賊から天上金を取り戻し任務を遂行したようだな」
「⋯⋯それは総監が」
「労災が下りるだろう、任務は暫くはデスクワークだ。自分に合う椅子を選んでおけ。痛みが酷いようなら休暇をとって構わないし、病院に通って構わない。此処の医師に診て貰っても構わない。義足が欲しいようなら作らせる。車椅子でも構わない。費用は全て負担する」
CP-0総監のロブ・ルッチはスパンダムが任務失敗の責任を全てひとりで負わされる前に海賊どもから天上金を取り返した。
【海賊に襲撃されて政府役人は一人を除いて全滅し、政府の船は海の底に沈められ、その生き残りは海賊からの襲撃により足を欠損し治療を終え海賊から天上金を取り戻して聖地マリージョアに戻って来た】という流れを作り出したくてスパンダムの退院を待ち、事情も素性も知らせずにスパンダムを引き連れて奪われた天上金を取り戻し、スパンダムを自室に招き入れ報告書を提出させた。
スパンダムは咎められる事も無くなり政府の仕事に戻れた。
デスクワークを熟すスパンダム
足が痛むと顔が痛む時に飲むのと同じ鎮痛剤を飲み、痛みをやり過ごした。
総監のロブ・ルッチはスパンダムを連れて義足を作りに行ったり、丈夫な杖や電動の車椅子を買い与えた。
何処かに向かうスパンダムを見掛けると行き先を尋ね、腕に抱き上げて剃で目的地まで運んでいた。
スパンダムはロブ・ルッチの庇護のもとに居た。
当人のスパンダムはロブ・ルッチの行動が理解出来ず不審に思っていた。
偶に就寝前に義足を外しベッドに入ろうとしていると総監が突然部屋を訪れ、義足を取り外し丸い足先を消毒するように拭いて行き、義足も靴から取り出して拭いて手入れをしていた。
何をしたいのか全くわからない
「総監、いつも何がしたいんです?」
「お前の負担を減らしている」
「そうなんですか?」
「気付いていないという事は大した役には立てていないという事だな」
「そんな事は無いです。総監のお陰でファンクフリードに救われたこの命をまたCPの人間として過ごせる事になったのですから」
ロブ・ルッチはスパンダムの言葉を聞いて息を吐いた。
呆れた吐息では無く、安堵の表情を浮かべて息を吐いただけだった。
総監の座を守ってやっているから早く返り咲いて上に立つ人間に戻れ、おれの上官に戻れという思いもある
ロブ・ルッチは今もスパンダムを守っている
おしまい
備考
ファンクフリードが芸をして元CP9諜報部員のように治療費を貯めているところまで書いて放置していたの、付け足したらルチスパになれた⸜( ◜࿁◝ )⸝︎︎
仮面は髪型もわからない頭丸々隠れた被り物系?(ꆚ๑ꆚ)
切断部には何か足の裏の分厚い皮を被覆するっぽいけれど、スパンダムは船に置いて来たから濁しました⋯⋯何か誰かの被覆した?⸜( ◜࿁◝ )⸝︎︎
ちょっと気に入った話⸜( ◜࿁◝ )⸝︎︎
ファンクフリードに空飛ぶ技を追加 ꒰ঌ𓃰໒꒱
ドラえもんのジャンボス将軍も耳で飛んでたからまぁ良いでしょう𓃰
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