〔76〕スパンダム受け【2023年4月21日】2023年4月21日
CP-0時代
カクが結婚するって
カクスパ
ルチスパ含む
少しモブスパ表記もある
スパンダム♀
「わし結婚する事になった。こんな仕事じゃし式はせん。記念写真撮って終わりにするんじゃが、一応報告はしておくぞ」
カクからの突然の結婚報告に付き合いの長い面々は騒がしくなった。いつの間に!?だの相手は何処の誰だ!?だの質問が飛び交うが「相手は聞かんでくれ。極秘なんじゃ」と相手の情報は教えてくれなかった。
「まさか政略結婚か何かか!?」と恋に現をぬかす事もあるジャブラが問うとカクは首を横に振り「恋愛結婚じゃ」と答えたのでみんな安心した。そして祝いの言葉を送った。
元CP9の面子がカクを囃し立てる中で、元CP9のスパンダムは我関せずと言うように黙々と仕事を続けていた。
「元上司として祝いの言葉ぐらい言ってやったらどうだ?」
スパンダムは関わらされた。ジャブラになら兎も角、上司のロブ・ルッチに関わらされたのでペンを持った手を止めて顔を上げ口を開かなくてはいけない
「結婚おめでとうございます。この職種は結婚相手を自分で選ぶ事も儘ならない職種で、ハニートラップで結婚生活を強いられる事や政略結婚の道具として使われる事もザラにある中で恋愛結婚に至れて良かったですね。それもCPでNo.2の実力があるからでしょう」
「何だその言い方は」
「私のところにも政略結婚の見合い話がよく来てましたから、見合いしても向こうが断りを入れて来るので政府も私の事を政略結婚の道具として使うのは諦めたようですが。他の方々も普通の結婚がしたいのなら早くにしておくべきでしたね。特に総監は」
カクのように自分たちは恋愛結婚は出来ない予定なのかもしれないと各々が考えた。スパンダムの部下だった頃ならまだ出来たかもしれないとも
カクは結婚した。相手の情報は公開されていなかった。
カクの結婚はロブ・ルッチにも意識をさせた。スパンダムが政府から政略結婚の話を何度と無しに持ち掛けられている事を知り、何処の馬の骨ともわからぬ権力だけの男に取られたくはないと強く思った。
スパンダムに少し優しくするようになった。
カクは誰も居ない事を確認して廊下を痕跡を残さずに月歩で進みスパンダムの部屋を訪ね、中に入るとやっと息を吐いた。毎回神経を使いかなり離れた場所から気配を消して誰にも見付からないようにこの部屋に辿り着くのがミッションのひとつだった。結婚相手を極秘にしたのだから致し方無い
任務で出ていない時にはいつもこうして時間を共に過ごしていた。スパンダムが簡単な物を作ってくれてそれを食べる
スパンダムにとっては簡単では無く奮闘してやっと出来上がった物なので形が悪かろうと多少味付けが失敗していようとカクは食べた。スパンダムが作ってくれた物だから何でも嬉しいと思って食べられる程にはまだまだ愛情が膨らんでいるところだった。
一緒に食事をして一緒に過ごして一緒に布団に入って愛情を育んだ
スパンダムに好意を寄せたのはいつからだかわからない、何故かも、何処でかも、何処をかも、気が付いたら好きなのかもしれないと思っていた。そして告白したらはぐらかされて長期任務を与えられ抹殺命令を出され踏んだり蹴ったりだったが同僚になってからまた告白すれば驚かれたが受け入れられもした。そしてカクはスパンダムに見合い話が多く寄せられている事を知り、スパンダムが見合いをする度に相手が断るように仕向けていた。そして政府もスパンダムを政略結婚の道具として使う事を諦めた。その折りにカクはスパンダムと結婚の話を進めた。政府はカクからの結婚の話を許可しなかったが相手がスパンダムだと知るとスパンダムを呼び出してカクの手綱をしっかりと握っているように言い付け、ふたりの結婚を許可した。
スパンダムはカクに初めて告白された当時、カクが18にも満たない子供だったので当然断った。有能な諜報部員を恋愛ごとで駄目にするわけにはいかなかったし、そもそもが年齢的にもスパンダムとしては無理だった。スパンダムはどちらかと言えば自分を抱擁出来る強い権力を持つ人が良かった。その為なら10や20歳の差が離れていようとも良かった。ただしそれは歳上に限った事で、10や20も歳下の子供を恋愛対象や結婚相手としては到底見れなかった。
スパンダムはカクからの告白を断り、有能で適材適所に見合ったメンバーを選び抜き潜入捜査に出した。そして5年後に戻って来たメンバーと潜入捜査メンバー不在時にCP9を支え回して来たメンバー全員に抹殺命令を出して追っ手を放った。そして戻って来た面々に厳しい目を向けられながら部下として同僚として職務を全うする日々を送る中で何を血迷っているのかまたカクに告白された。頭は正気かと問いもした。カクはCP9の元メンバーに知られないようにスパンダムと接触してはスパンダムの心を絆していった。そして結婚に至る
人知れずスパンダムの部屋に通い夫婦生活を送る
ふたりだけの秘密の時間だった。
スパンダムに上から直々にハニートラップの仕事が来た時にロブ・ルッチは否応無しにスパンダムにその任務を与えた。スパンダムの知識と話術が必要らしく適材適所でスパンダムに与えられた任務だった。女の姿をしたスパンダムは魅惑的でロブ・ルッチは意識が飛びそうだった。
そして任務から戻ったスパンダムは必要な情報を全て聞き出して来た。ロブ・ルッチはスパンダムの身体の事が心配で気が気でなかった。
「上手く躱して来ましたよ?」
ロブ・ルッチが内情を知りたそうなので言葉巧みに躱して行為には至っていない事を説明するとロブ・ルッチは安心したような顔をした。
スパンダムの帰還を知りカクが総監の部屋に飛び込んで来た。感情的になっているカクは珍しいものだった。
「⋯⋯」
「⋯⋯ハニートラップの任務だったんじゃろう?」
「まぁ、そうだが、私の知識と話術を買われて直々に来た任務だ。上手く躱して来たから気にするな。手も握らせていない」
「わしは、わしは⋯⋯」
今後もこんな事があるのかも知れないと考えるとカクは耐えられない気がした。諜報員にはあるまじき思考なのかも知れないがカクはパートナーがハニートラップに駆り出される事を耐えられないと思った。
スパンダムはカクの帽子を少しずらして額に唇を寄せ「総監、私既婚者なのでハニートラップは控えめにお願いします。夫がこんなに取り乱すんじゃあ、私も心配になりますから」カクの手を引き総監の部屋を後にした。
「何で秘密にしてたんだっけ?忘れた⋯⋯」あぁ、カクが私の見合い相手に断りを入れさせる為にした工作が表に出ないようにする為だったなとスパンダムは思い出した。
カクの手を引くスパンダムの姿を見て元CP9のメンバーは良い顔をしなかった。
「そいつは既婚者だぞ?」と一応で忠告して来たジャブラに「勿論知ってますよ。私が妻ですから」と返しておいた。皆が鳩が豆鉄砲を食ったような顔をする
ロブ・ルッチもそうだっただろうがスパンダムは華麗に退室してやったのでその顔は見ていなかった。
元CP9の中だけでカクの結婚相手が元上官のスパンダムだったという事が共有された。
そしてカクは任務で外に出ている時以外は堂々とスパンダムの部屋に通うようになり、スパンダムを自分の部屋に連れ込むようにもなった。
カクがスパンダムに告白したのは潜入捜査より前の事だと聞かされると更に皆を驚かせた。
おしまい
備考
スパンダムとカクの年の差→16歳差
2年後→スパンダム41歳、カク25歳
初期→スパンダム39歳、カク23歳
潜入捜査前(5年間の前)→スパンダム34歳、カク18歳
カクか告白したのはこの期間なのでスパンダム31歳〜34歳、カク15歳〜18歳
CP5主管からCP9司令長官になるまでの期間は謎
初期から8年前・W7訪問時→スパンダム31歳?、カク15歳?
誕生日のタイミングにより一歳の誤差とかあり
CP5主管時代スパンダムがW7を訪れたのが8年前というのを7年前と覚え間違えていたので、今までの話に7年前という表記が度々出て来ていると思う
間違えているだけです(´•ᴗ•;ก)
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