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    🌸忘羨二次創作垢🌸

    @purinrin17_1

    忘羨専門二次創作する人

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    POIPOI 65

    魏嬰先生のお話。

    #魔道祖師
    GrandmasterOfDemonicCultivation
    #魏嬰
    weiYing
    #藍思追
    lamSiChou
    #藍景儀
    blueKingYee

    魏嬰先輩の講義「思追、自分の長所を一つあげてみろ」
    「!」

    魏無羨が講義をしていると聞いた。夜狩りから戻ってきてすぐ入った情報だ。
    一体何を教えているのかは知らないが、魏無羨が教える事なら役に立つ情報のはずである。
    もうすでに講義は始まっていた為、邪魔にならないよう音を立てずに後ろの席に座った。そして気づいた魏無羨は部屋に入ってきたばかりの藍思追に自分の長所を言えと指示をしてきたのである。

    「えぇっと…」

    立ち上がり、それなりの回答をしなければと頭を巡らすも、なかなか答えられない。
    いつもは質問にすぐに答える事ができる藍思追だが、この質問は魏無羨が思った通り藍思追には難しいようだ。

    「どうした?謙虚にならなくていいぞ。これは授業なんだから。言わないと話が進まない」
    「すみません…ほんとに、思いつかなくて」
    「ハハ、やっぱりな」

    わかっていて当てたのか、と藍思追は息を吐く。

    「謙虚さは確かに美徳だが、あまり謙虚すぎると本当の自分に気づけない。例えば、自分はいったい何が好きで、何が得意なのか…とかな」

    魏無羨は違う弟子に質問する。

    「なら質問を変えよう。景儀、お前ならこの質問を簡単に答えられるはずだ。最近イラっとした事を言ってみろ」

    藍景儀は即答する。

    「他の門弟達の剣があまりにのろまで、少しイラっとしました。あんな剣でよく夜狩りに参加しようと思えたものです。私がいなかったら間違いなく、あいつら死んでました」
    「いい回答だ。じゃあ景儀、お前の得意な事はなんだ?」

    「へっ?」

    「俺は今の話でもうわかったぞ。何を悩む?もしかして謙虚ぶってるのか?そういうのは今いらないぞ」

    謙虚だとかそういう事ではない。本当に自分の得意な事が思いつかないのだ。

    「よし、答えを教えてやる。お前が得意な事はすばやく敵を剣で倒す事だ」

    言われてみればそうかもしれない、と藍景儀は頷く。

    「自分なら当たり前にできる事をなんでできないんだと思うから、イラつくんだ」

    「なるほど。という事は、イライラした時こそ自分の得意な事を見つけるいい機会だという事になるんだ!」

    藍景儀は目を輝かせて言った。

    「その通りだ」

    藍思追はふんふんと頷き、自分がイラつく事を考えた。

    しかし‥‥思いつかない。

    そもそもイラつくという感情をあまり持たない性分なのだ。魏無羨は沈んだ顔を見せる藍思追を見てクク、と笑う。

    「おっとりしてるお前らの中には、今の話を聞いても自分の得意な部分を見つけられない奴が何人もいたはずだ。安心しろ、ちゃんと見つけられる方法がある」

    なんだろう、と弟子達は背筋をピンと伸ばし、耳を傾ける。

    (やっぱり真面目だなこいつら。藍湛がたくさんいるみたいだ)

    素直で可愛らしい弟子の様子に魏無羨は心の中で笑った。

    「無意識に考えてしまう事。それが得意な事の一つだ。思追、これなら答えられるだろ?お前は無意識のうちに何を考える事が多い?」

    藍思追は得意な事をやっと見つけられた事に顔が一瞬ほころぶ。

    「含光君から教わった曲を頭の中で奏でる事が多いです」
    「お前らしいな。さすがは含光君も認める琴の名士だ」

    藍思追は恥ずかしそうに笑った。

    「よし、準備運動はここまで。本格的に講義を始めるから、お前らよーく学んでいけよ!」

    その後、魏無羨の講義の評判を聞きつけた他門派の弟子達が手土産を持って藍先生に頭を下げ、魏無羨の講義を受けたいと大勢頼みに来るようになったという。


    fin.

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    小月 輝

    DONEガーデンバース忘羨のタグで花の日のお祭りに参加した時のお話
    花を編む起きた時に感じるのは満たされた幸福感だった。
    ぬるま湯に浸るような心地よい寝床で目を覚まして、一番に目に入るのが美しい夫の寝顔である事にも慣れてしまう程の時間が過ぎた。ゆっくりと藍忘機に体重をかけないように起き上がり、くわりと大きく欠伸をする。半蔀から差し込む光はまだぼやけていて、明朝というにも早い時間に魏無羨が毎日起きているだなんて、この世でただ一人を除いて誰も信じないだろう。藍家の家規で定められている卯の刻起床よりも早い、まだ草木も鳥も寝静まっている時間だ。もちろん時間に正確な魏無羨の美人な夫もまだ寝ている。
    毎晩あんなに激しく魏無羨を苛んでいるとは思えない静謐な寝顔に、思わず頬が緩むのをおっといけないと押さえて、だらしなく寝崩した衣を更に肌蹴る。魏無羨は美しい夫の顔を何刻でも見ていられたが、今はそれよりもすべき事があるのだ。腕や胸、内腿まで、体のあちこちに咲いている花を摘んでいく。紅梅、蝋梅、山茶花、寒椿に芍薬、色とりどりに咲き乱れる花々は魏無羨が花生みである証であると同時に、昨晩藍忘機にたっぷりと水やりをされた証でもある。栄養過多になると、魏無羨の体は花を咲かせる事で消費するのだ。だから、毎朝、一つずつ丁寧に摘んでいく。
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