魏嬰先生の教え「いいか?お前ら、季節の変わり目は、特に女の子には優しくしろよ」
「なぜですか?」
藍思追と藍景儀は首を傾げた。
「まったくお前たちは。無駄な知識は沢山あるのに、重要な事はとんと知らない事が多い」
魏無羨はやれやれと肩をすくめる。
「やっぱり。夷陵老祖が遊び人だったっていう噂は本当だったんだ」
女性に詳しい印象を抱いた藍景儀は腰に手を当て、少し軽蔑する目をした。魏無羨はムッとなり、彼の頬を軽くつねる。
「馬鹿言え。俺は含光君だけだ」
「別に聞きたくないですよそんな事!」
「あの、魏先輩、考えてみたのですが、どうしてもわからなくて…」
「女だけでなく男もそうだが、季節が変わると人間の気の流れが変わる。それに伴って怒りっぽくなったり、気が落ち込みやすくなるんだよ」
へぇ~と少年たちは耳を大きくさせ、魏無羨の話を知識としてため込む。
「男性も女性も同じなら、なぜ特に女性を気遣わなければいけないのです?」
「俺の体験談だよ。特に季節の代わり目の女の子は気が移ろいやすいんだ。あと怒りっぽくなる。あ!景儀、またお前俺の事を遊び人だと思ってるな?」
「だって‥‥真面目に修行してたら、女と話す機会なんて無いのが普通じゃないですか」
俺だって女の子と仲良く喋ってみたいのに、という気持ちが顔に書いているようだった。
「とにかくだ!今は特に女の子に気をつけろ!怒らせるな!わかったな!」
次回行く夜狩りの地域は女性が特に多い地域だ。この教訓はのちのち少年たちにとって素晴らしい教えになるのだった。
fin.