Recent Search
    Sign in to register your favorite tags
    Sign Up, Sign In

    Ukue

    @ukue_ss

    @oblivion_about
    字書き

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 🐑 🐈 💡 🌻
    POIPOI 8

    Ukue

    ☆quiet follow

    11/14【月よりのエトランゼ】展示作品です。
    PWはおしながきに貼っているリンク先に記載しています。
    フィガロが賢者の生きる世界に来て賢者の気持ちを少し考える話。
    オズと同棲してるのでオズフィにしてます。

    ATTENTION
    人によっては地雷かもしれないのでちょっとやばいと感じたらブラウザバック推奨。

    #オズフィ
    ospi.
    #オズフィガ
    osFiga

    『異』世界共通事項 賢者様の住む国は平和だった。〈大いなる厄災〉が世界を襲う心配もないし、魔法使いがいないから人間と対立することもない。こっちの世界に来てよかったと心の底から思う。ミチルやルチル、レノックスたちに会えないのは少し寂しいけど。
     この世界に来るときに、一緒にオズも連れてきた。「まだ見たことのない世界を一緒に見てみたい」と言ったら、最初は拒否されたんだっけ。アーサーがいるから、一緒についていけないって。でもその会話をアーサーが聞いていて、「ぜひ行ってきてください!」って言った。俺たちが必ずまた向こうの世界に帰れるっていう保証はないのに。だって、今の俺たちはもう魔法が使えないから。空間移動魔法も使えない。
    「…フィガロ、テレビをつけてもいいか?」
    「うん、いいよ」
     この世界には魔法がない分科学技術が発展している。知りたいことがあれば小さな板みたいな機械を使えばいいし、暇ならテレビを見たらいい。家事もボタン一つ押せば機械がやってくれる。便利な世の中だ。
    「次のニュースです。昨夜――の――で銃撃事件が発生し――」
     でもそれは賢者の国だけだった。テレビでは遠く離れたところにある国での事件が毎日報じられている。それはまるで魔法使いと人間が対立していた時のような、いや、それよりも被害は残酷だ。
    「もっと楽しいニュースないのかなぁ」
    「……賢者が語るこの世界は、もっと輝いていた」
     ワンテンポ、ツーテンポほど遅れてオズが喋りだした。
    「美しいものや、楽しいことで溢れている、と語っていた」
    「…そうだね。」
     結局は同じ。
     魔法使いと人間のように差別はなくならない。
     〈大いなる厄災〉と戦っていた時のように、今日もどこかで誰かが戦い、死んでいる。
     賢者は、命を脅かすような差別や戦争は経験したことがないと言っていた。それは、賢者様の国の平和が保証されていたからだ。
    「賢者様にとって、向こうの世界はどう見えていたんだろう」
     平和が保証されていない世界で、笑顔を見せられるほど心の余裕があったのだろうか。あの笑顔の裏にあったのはきっと恐怖心だろう。賢者様にとって、あそこは地獄だっただろう。
    「ねぇ、賢者様」
     ごめんね、気づいてあげられなくて。
     怖かったよね、辛かったよね。苦しかったよね。
    「フィガロ、何故泣いている」
    「あれ、おかしいなぁ…なんでだろう」
     涙があふれて止まらない。後悔か、同情か。どちらかわからない。でも、何故か自分も苦しくなった。

     異世界共通事項。それは、戦争と差別。どこの世界に行ったって、結局それはなくならない。
     でも、賢者様の住む国ならそれを目の前で体験することはなかなかない。少しはあるかもしれないけど、あの世界よりもずっと少ない。
     どうか、この世界では幸せになって。
     会いたいけど、どうか会わないで。
     俺たちのことを、俺たちの世界を思い出さないで。
     俺はそう願った。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭🙏🙏🙏😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭😭🙏🙏😭😭😭🙏🙏🙏🙏🇱🇴🇻🇪😭😭😭
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    Ukue

    DONE7/18 mhyk寿司オンリー「まほずし」
    Ukueの展示作品になります。
    寿司を作りたい晶ちゃんの話です。賢者の魔法使いは数名、名前だけしか出てきません。
    PWはプロフカードに記載。
    気力があればイベント終わるまでにイラストも描きます。描けたらできたツイートをTwitterに固定表示しておくのでよかったらまた覗きに来てください…!
    寿司を作りたい晶ちゃん前の賢者の書にはこう書いていた。
    「寿司は一応作れるけど、味と見た目が一致しなくて混乱するよ」と。

    こちらの世界に来てから日本食はすべて「もどき」のもので作っている。味噌もどきとか、醤油もどきとか。味と見た目がそれっぽいものを利用している。調味料は大体「もどき」を使っていれば何とかなっていた。
    具材は違った。肉は元住んでいた世界のものと大差ないから大丈夫だ。問題は魚だった。
    例えば、肉なら「宇宙鶏」と聞けば鶏肉と、「オアシスピッグ」と聞くと豚肉だとわかる。魚の場合「スペクターフィッシュ」「ビネガーフィッシュ」という名前になっているから、なんの魚に似ているのか推測しにくい。実際調理して食べても、何とも言えない未知の味しかしなかった。何らかの魚の味に近いのだろうけれど、思い出せない。
    991

    related works

    recommended works

    りう_

    DONE11/14逆トリオンリー「月よりのエトランゼ」で展示していた作品です。
    逆トリで晶くんの世界にやって来たフィガロと晶くんが買い物デートして二人でダーツをしています。
    ご都合主義なので、厄災がどうにかなって、二人はお互いの世界を行き来出来るようになっている…という想定です。
    ※ちょっとだけフィガロ親愛ストのネタバレがあります。
    勝者の願い そこそこ人の多い、昼下がりの商店街。自分と同じく買い物に出ている人や外食に来ている人が多いのだろう。
     彼と連れ立って歩くとちらちらとすれ違う人たちの視線を感じた。その視線は、俺では無く隣を歩く人へと一心に向けられている。それはそうだろう、俺の横にはこの国では見かけない珍しい色彩と、頭一つ飛びぬけた長身、それに整った顔立ちを持った麗人が居るのだから。
     そっと斜め上を見遣ると、彼は珍しそうに立ち並ぶ建物たちを眺めているようだった。色とりどりの看板がひしめき合うように集まり、その身を光らせ主張している。建物の入り口には所々のぼりがあるのも見えた。
     その一つ一つに書かれた文字を確認するように、時折フィガロの唇が開いては、音もなく動く。どうやら看板に書かれた文字を読み取っているようだ。
    5024