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    tobari_2p

    @tobari_2p 
    文章書きかけ格納庫。今のところズ!!斑こは/BMBモチェ中心

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    tobari_2p

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    モクチェズ版ワンライお題「怪談」
    もはやワンライじゃねえんですけど…っていう恒例の遅刻魔ぶり…。
    ゲストにリモートなアとル。諸君はミカグラ後も定期的にオンライン会合してるとよいなっていう願望を詰めました。チェが名前しか出てこないけどモチェです、と言い張る。
    それにしてもお題怪談なのにぜんぜん怖くないな!

    #モクチェズ
    moctez

    憑いているのは……?里を出て二十数年になるが、外界の技術の進歩は目覚ましいものがある。
    出奔した先で便利な道具に触れるたび、モクマは目を瞠ったものだ。
    そして今もその便利な道具に助けられ、大切な仲間と定期的に連絡を取り合えている。
    『……で、ですね、署内の人間の間で噂になっているんですけど、遅くまで残業していると必ずどこかから呻き声が聞こえてくるんです……僕もこないだ残業してたときに聞いてしまって……』
    分割されたPC画面の向こう側でルーク・ウィリアムズが落とし気味の声で囁く。
    モクマは神妙な面持ちのルークにどう返したものか、といつものへらりとした笑みを崩さぬまま考える。
    『……なんだそれ。寝ぼけてんのか』
    と、モクマが返答する前に、分割されたもう一方の画面に表示されたアーロンが呆れた様子を隠しもせず言い放つ。
    『なんだよ、アーロン! 僕は真剣に──』
    『どうせなんとかの正体見たり、ってやつだろ。幽霊なんているわけねえ』
    『そんなこと、わからないじゃないか!』
    世の中にはまだまだ科学の分野では解明出来ないような不思議なことが──!
    力説するルークと鬱陶しげにあしらうアーロン二人の会話を聞きながら、モクマはどうしてこんな話題になったんだっけ? と、一人追想する。
    たまに開催されるオンライン越しの会合の話題は、大抵それぞれの近況報告から始まって、次第に雑談へと移り変わる。
    今日もその流れで近況報告を終えた後に、ルークから徐に近頃職場内で話題に上っている怪談の話になった。
    折しも季節は盛夏。各々定住地はバラバラでモクマに至っては決まった定住地を持たず各地を転々としているが、怪談というものは国の境なく今くらいの時期に伝播するものらしい。
    「あーでもアーロン、おじさんもルークが聞いたような話経験したことあるから、一概にないとは言いきれないかもよ?」
    幽霊はいる、いないで言い争う二人の仲裁がてら口を開いたモクマの言に、アーロンがげんなりした顔で吐き捨てる。
    『はあ? おっさんまで寝ぼけてんのかよ』
    「まあまあそう言わんと──そう、あれは少し前に滞在した、古いお城を改装したホテルでの出来事だったかな……」
    モクマはなんとなく先程のルークに習い、声を落として語り始めた。
    古城を改装したホテルは古めかしくはあったが中は綺麗に整えられており、積み重なった年月に相応しい品のある佇まいであった。
    ただ、やはりそういった建物というのはその重厚ある雰囲気と合わせて何かしら「出そう」というイメージも付きやすい。
    明るいうちはそこまで気にならないが夜ともなれば──立派にホラー映画の舞台となり得そうな雰囲気を醸し出す。
    そんないかにもな場所で、モクマは実際に深夜不可解な存在を「視て」しまった。
    「夜中にちょっと目が覚めちゃってね、水でも飲もうかと思って起きようとしたら部屋の窓あたりに長〜い髪の人影がふら〜っと……」
    『ひええええ……! ほら、やっぱり! 聞いたかアーロン! 幽霊はいるんだよ!』
    あからさまに背筋を震わせ顔を青くするルークとは対象的に、何かしら察したアーロンが眉間に皺を寄せてこちらを睨む。
    が、モクマは素知らぬ顔で話を続ける。
    「あとは……そうだねえ。そのお城でシャワー浴びてたら、排水口に長〜い髪の毛が落ちてたり……』
    『そ、それは……もしかしなくても夜中に見たっていう幽霊の……!?』
    「そうかもしれんねえ」
    あっけらかんと答えるモクマに、ルークがいかにも恐る恐るといった口調で更に尋ねる。
    『その、幽霊は……今も、モクマさんに、憑いて……?』
    「──だったら、どうする?」
    あくまでも穏やかにいつもと同じ笑みを浮かべ答えれば、ルークの顔面が目に見えて蒼白になりぶるぶると震え出す。
    『ルーク、顔色悪りいぞ』
    「ありゃ、ほんとだ。体冷えちゃったかね?」
    『そうかも……しれません……。ちょっと温かい飲み物でも淹れてきますね……』
    見兼ねたのか指摘するアーロンとモクマの言葉に頷いたルークは、暫しの退席を申し出る。
    やがて分割画面の片方が暗くなると、残された二人の間になんとも微妙な空気が流れ、そして──
    『……おい、おっさん』
    「ん〜?」
    鋭い眼差しに射られるも、ものともせずのんびりと返事をするモクマにアーロンはチッと舌打ちし、
    『幽霊話にかこつけてさりげなく惚気てんじゃねえぞ』
    と、釘を刺してくる。
    「あはは、アーロンにはわかっちゃうか」
    さすがに聡いなあ、と関心していたら、嬉しくねえ! と画面越しに吠えられた。
    『幽霊だのなんだので誤魔化されんのはお人好しのルークぐらいだろ』
    ──だいたいな、おっさんの話よく聞いてりゃ、憑いてんのが幽霊なんかじゃなくて、あのクソ詐欺師だってわかんだろうが。
    いかにも嫌そうに指摘するアーロンに、モクマは大正解〜! と手を叩き喜ぶがすぐにやめろと怒鳴られシュンとする。
    「いやでもねえ、ルークの食いつきがあまりにも良くて……つい揶揄いたくなっちゃった」
    それにモクマが先程語ったことはすべてが虚実というわけでもない。
    ただ、相手が幽霊ではなく生きた人間である、という事実を隠していただけだ。
    窓辺に佇む長い髪の人影も、シャワーの排水口に絡んだ長い髪の主も、どちらもモクマのパートナーであるチェズレイ・ニコルズのことである。
    元来、観察力の鋭いルークなら、よくよく考えればすぐ気づくかと思ったのだが──
    「ルークはほんとに幽霊を信じてるんだねえ。夢壊すのもなんだし、ルークが自分で気がつくまで黙っててね? アーロン」
    『クソ詐欺師絡みとか、わざわざ言ったりするかよ気持ちわりい……。そういや今日あいつ見当たらねえな』
    「ああ、ちょっとね……少し、この暑さに参ってるみたいで」
    普段蛇蝎のごとく嫌っているチェズレイの不在を口にするアーロンに、モクマは当たり障りのない理由で臥せっていると告げた──本当は昨夜閨で無理させたのが祟ったのと暑気あたりが重なったから、なのだが。
    『……フーーーーン、あっそ』
    モクマの歯切れの悪さにまたしても察したのか、アーロンは適当に質問を切り上げてとにかくあまりルークで遊ぶな、と牙を剥いた。
    「わかった、わかった、ごめんて。じゃあルークが戻ってきたら話題変えようか」
    モクマの提案にようやくアーロンが大人しく頷き、思わぬ怪談話は打ち切られることになったのだが──この後戻ってきたルークのそういえば今日チェズレイは? という素朴な疑問によって、結局話を蒸し返されることになるのだった。
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    tobari_2p

    DONEそうたさんの斑こはアステカ文明生贄ぱろ漫画の三次創作文。
    遅ればせながら、お誕生日おめでとうございました!漫画を読んだとき一人燃え上がって、衝動のまま勝手に書いた文に快く公開許可くださったそうたさん及び原案のお二方に感謝🙏

    ・こはく視点
    ・タイトルの通り、恋愛感情の色が強い二人
    ・一部台詞や展開は漫画を抜粋(許可戴いてます)

    以上が許せる方のみお読みください!
    七日間恋話一生に一度、最初で最後の恋をした。

    こはくが新たな贄として神を祀る神殿に引き立てられたのは、儀式の数週間前のことだった。
    この国の神は民を庇護する代わりに、常に新鮮な若い血を求める強力な荒神である。
    よって、生贄は順繰りに領地の村々から選定される。
    そうして此度はこはくの村の番が回ってきた、というわけだ。
    両親や姉たちはこはくの選定を密かに嘆いたが、こはくは自身が選ばれたことが誇らしかった。
    贄の選定を受けた一族は、その後の暮らしを一生国から保証される。
    自分の命で家族全員の身代が贖えるなら、この身を捧げても惜しくはない。
    そう割り切って、こはくは迎えの神官に連れられ故郷の村を後にした。
    輿に乗せられ村から村を経由し、程なくして国の中心である王都へと辿り着くと、往来には贄としてのこはくを一目見ようと大勢の人間が集まっていた。これから神殿入りするこはくを盛大に讃え、歓声を上げる者もいる。
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    tobari_2p

    DONE斑こはゆるワンドロワンライお題『自己犠牲』『拗ねる』
    珍しくお題混合。窮地の際に庇われて盛大に拗ねるこはくんと、自分が犠牲になることを厭わない三毛縞の話。捏造のテレビ番組の話があります。結成してすぐならともかく春宵以降は、無自覚にお互いの存在が大切になっていたらいいなあ…という願望。タイトルは相変わらずフィーリングだけど、結局お互い様なんだよなあ君たち…という意味を込めて。
    相互作用エゴイスティック『──こはくさん。後は、頼んだ』
    トン、と軽く背中を押されたと思ったら、ひどく優しい男の声が耳に届き。
    ──その瞬間、すべてがスローモーションになった。
    次いで聞こえてきた破裂音にこはくがゆっくりと振り向くと、自分の背中を押した男の胸元に真っ赤な染みが広がっていく。
    『……斑はんっ……!』
    どこか穏やかかつ満足気な表情で後ろに倒れていく男の名前を、自分でも驚くほど悲痛な声で叫ぶ。
    必死に伸ばした手は、虚しく空を切るだけだった。


    ****


    慌ただしい新年度始めも過ぎ行き、徐々に初夏へと移り変わろうとしている晩春の夜。
    都内某所に建つマンションの一室にて、桜河こはくはリビングでソファに凭れかかりながら、仏頂面で目前のテレビを眺めていた。
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    tobari_2p

    DONE斑こはゆるワンドロワンライお題『真ん中バースデー』バースデー当日ぶっちぎり大遅刻だけど、ワンドロお題にあったので…許されたい…。真ん中バースデーって概念を知らないこはくがたまたまらぴに教えられてなんかそわそわしちゃう話。斑こはどっちも若干キャラ崩壊してるからご注意ください。ちなみに桜の日ネタも絡めてあります。斑こはの真ん中バースデーが桜の日って出来すぎてると思うんだよね…デキてる…?そう……。
    今日が特別な日だと知ったのは、まったくの偶然だった。
    『ねえねえ、こはくっち、知ってた?』
    今日って三毛縞先輩とこはくっちの真ん中バースデーなんだよォ!
    たまたま空き時間にシナモンでばったり顔を合わせた藍良から、無邪気にそんなことを言われこはくは首を傾げた。
    こはくにはそもそも『真ん中バースデー』なる単語すら初耳である。
    『バースデー』という単語が含まれることから誕生日に関係する何か、という推察はさすがに出来たのだが──
    『わしの誕生日はとっくに過ぎたし、斑はんの誕生日はもうちょい先やけど……?』
    『うん、だからねェ、二人の誕生日のちょうど中間の日が真ん中バースデーなんだよォ!』
    ファンの子がSNSで取り上げているのを見たのだ、と藍良は実際にスマホの画面を見せて力説する。
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