一番先に彼らを見つけたのは影浦だった。
「あれ、嵐山さんと迅さんと弓場さんじゃね?」
祝日のショッピングモールのフードコートとなれば人は多く、だがそれでも長身だからと言う理由だけからではなく、コーヒースタンドに並ぶ彼らの存在は一際目を引くものだった。
「強いな、存在感が」
「ちゅーか、強いんは顔圧やろ」
そんなやりとりをしている穂刈は野菜とチキンがぎゅうぎゅうにはさまった胚芽玄米のサンドウィッチを、影浦は石焼ビビンバと冷麺のセットを、水上は天かすが乗ったうどん(「言わないのか、たぬきうどんとは」「言わんし」)をと、統一感もなく好きなものをつつきながらだった。
「三門の文字通りツラがいるかんな」
「けどいないじゃないか、一番圧が強そうな人が」
5217