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    miikos36

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    miikos36

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    ジュンブラで出した新刊『片恋方程式の求めかた I』の後編つづき、ちふゅのオナニーシーンです。
    ちふゅがばじさんをオカズにオナニーしてます。
    中途半端なとこで終わります。

    #ばじふゆ
    bajifuyu

    片恋方程式の求めかた II  童話に出てくる王子様からお姫様へのキスがハッピーエンドの象徴なのは、万国共通の認識。けれども御伽話は御伽話でしかなくて、キスのあとには結構シュールな展開が待ち構えてるってこと。大人になる前からきっとなんとなく、誰もが知っている。

    Q:ずっと片想いしていた人から突然キスされました。彼は自分の気持ちを知っていて、何度も振られています。キスされる前もされたあとも、好きや付き合おうという言葉はありません。彼の真意は如何なるものですか?

    A:残念ながら脈はほぼ無しです。なぜなら男性というのは、性的欲求があれば恋人になる気がなくても簡単にキスできてしまう生き物だからです。特に舌を入れてくるような濃厚なキスだった場合、エッチ目的の可能性は更に高いでしょう。本命になりたいのなら、今後は隙を見せないこと!

     ネットで『好きな人 キス 付き合う前』と検索すれば、このようなQ&Aがわんさか出てくる。オレと似たような状況下におかれて思い悩む女子は日本中にきっと大勢いて、男女間においては珍しい話でもなんでもないんだろう。でも場地さんとオレは男同士。オレにとっては、何よりも欲しかったアンサーがここにあった。


     脈ナシなことなんて、最初に告白したときからわかってる。問題はそこじゃない。性的欲求とかエッチ目的、とか。あの人の中のそんな次元に自分が入れたってことが超飛び級的展開。だってあの場地さんがだよ。ずっとずっと好きでしかたなかった大好きな人が、だよ。自分の意思で自分から、ちょっと強引に、キスしてくれた。オレが阻止しなかったら、舌も入れてくる勢いだった。
     なんで急にこんなことになったのか、場地さんの心の変化球の原理は理解できていないけれど、どうやらオレは、やらかしたと思ってたあの晩に場地さんの性欲作動スイッチを、押していたらしい。流石は幼馴染、マイキー君の「体で迫っちゃえば?」という提案は、あながち間違っちゃいなかったんだ。初めてのキスを泥酔状態で一方的に、しかも記憶にないまましてしまったことはショックだったけど、これがなければ二度目のキスはきっと永遠にこなかった。
     あの晩の帰り。場地さんの前では平静を装ったけど、実のところは心臓から下、からだの3分の2くらいがふわりと宙に浮遊しているかのような夢心地で。五階から二階までの階段を駆け降りる足の感覚がほとんどなかったって言っても過言じゃない。
     それでもハッキリと、今でも脳裏に残っているのは、少女漫画でしか見たことがない肘ドンみたいな姿勢をまず取られたこと。残っている、というよりは記憶から薄れないようにしっかり刻み付けている、と言う方が正しいのかもしれないけど。
    「っ…はぁ、ぁ、」
     ゆっくりと近づいてくる顔の輪郭。その真ん中を通る太い鼻筋と、伏せた奥二重の瞼から綺麗に生え揃った漆黒の睫毛。次いで降ってきた、少しだけカサついた唇の感触。そのぜんぶが夢じゃなくって、生々しいほどの現実だったんだから、もう。
    「…っあ……はぁ……」
     事態を把握できたと同時にオレは耳たぶまで熱くなっていくのを自覚していたのだけど、場地さんの頬もほんのり赤く染まっていて、琥珀の瞳は欲に満ちた熱をはらんでいるように見えた。あんな顔であんなコトされたら、そこに恋愛感情を一ミリも期待しないってのは、無理な話。だけど、オレの問いかけはキスで否定されて黙らされた。
     ほんっと、ズリーよ、アンタって人は。
     まず振った相手にキスすることが、狡くてひどい。思うのに、怒る気には毛頭なれなくて。それどころか心臓がきゅうぅとときめきの悲鳴をあげて、すでに決壊していた「場地さん大好き」のダムはふたたび大洪水をおこしてしまった。
     “場地圭介の恋人” それはもう字面だけでも破壊力抜群で、喉から手が出るほど欲しい称号だ。けども、完全片想いの状態からこんな短期間で正攻法で両想いになって、更には好きって言葉をもらおうとするなんてとんだ傲慢だって、ようやくオレは気づいたのだった。それに何より、場地さんという人は口より先に手が出る人間、胸の内を多くは語らずに行動で示す男。だから、もしもオレのことを今後好きになってくれたならそのときは行動に表してくれるはず。オレが惚れたのはそういう場地さんだから。

     とはいえこの思考って、世間一般でいう〝都合のいい男〟のテンプレなのかも、なあ。
     ……いや都合のいい男、上等じゃん。
     これまでのことを俯瞰して作戦を立て直した結果行き着いたのが、この答え。キスフレでもセフレでもいい。とにかくオレは、場地さんのそのときそのときの欲求を満たして、場地さんの癒しであり力になる。そうして一生離れられなくなるくらい、居心地も都合も最高にイイ男になることに決めた。そうしたら恋人の肩書きも、おのずとついてくる日が来る、と信じて。
    「……っ、は……ばじさ……ん」
     でもね。ひとつだけ、場地さんに大嘘ついてしまったことを謝らせてください。
     「煩悩捨てます」などと高らかに宣言したこと。守れたのは、たったの一週間でした。
     頭を冷やすと同時に冷ますつもりだった情欲まみれの恋情は、キスを知ってしまったことで瞬間湯沸かし器のごとく煮えたぎって。たった一度きり与えられたエサに縋ってオレは今日も自慰行為に耽っている。
     普段の喧嘩っ早さや強さからは想像つかないほど、場地さんのキスは甘さと優しさに、満ちていた。
    「……っ…はぁ、ん…」
     場地さんはどんな顔してセックスするんだろう。
     そんなふうに頭の中で場地さんを模って、知る由もない情事中の顔を思い浮かべて自慰するようになったのはもう随分と前、中学の頃からだ。高校に入ってからは前だけじゃ物足りなくなって、今ではアナルで指を三本、綺麗に根本まで呑み込めるようになった。いつしか指でも満足できずに、それでも合法的にアダルトグッズを買うにはまだ年齢が足りないし躊躇いや理性も働いて、グミやラムネの筒状容器、時にはプラスチックの旅行用詰め替えボトル…といったものを挿入用玩具として愛用している。場地さんのちんこは、こんなものの何倍も太くて長くて、硬いんだろうな……。
     後ろでイケたこともなければこんな小さな容器を挿れるので精一杯のくせに、「抱いてください」って気持ちばかりが先行して本人にまで要求しちゃったんだから我ながら嘲笑するわ。一方通行拗らせまくりだろ、って。

     骨ばった大きな手の指先が腰肉に食い込むほど強く掴まれて、はぁ、はぁと快感に息を乱して眉間に皺を寄せた場地さんに、激しく揺さぶられる、妄想をする。それと連動するようにして玩具もピストンさせれば、きもちよさに全身が痺れて頭の中が真っ白になった。
     近頃一番お気に入りのゲイもののAVは、決まって同じ男優が出ている、高校生カップルモノの、まぁ所謂オーソドックスなやつ。なんでお気に入りかって、これに出てくるタチの男優が雰囲気だけちょっと場地さんに似た黒髪ロン毛の細マッチョで、前戯から挿入まで全体的に甘Sなラブラブ恋人プレイを得意としているから。
     その男優が、挿入中に発している台詞を脳内で場地さんに言わせてみる。
     ──千冬ぅ、ほんとオマエ、かわいすぎ。
     オカズの場地さんはオレのこと大好きでオレとのセックスも大好きだから、絶対に言わねぇだろうなって台詞も言わせたい放題だしその日の気分によって色んなえっちをしてくれる。拗らせまくった妄想力は、とどまるところを知らないのだ。
    「こら、あんま締めンな」とか、「どこがきもちーの?」とかありがちな言葉で煽ってきたりもして。
     あー、やばい、たまんない。きもちい。ばじさん。ばじさん。なんかもう、細胞丸ごときゅんきゅんとあの人を求めていて、好きすぎて、泣けてくる。
     ──オレも……千冬ん中すっっげーきもちい……はぁ……
     筋肉の乗った凛々しい両腕に抱え込まれて、髪カーテンで視界が陰る。至近距離に場地さんの整った顔が落ちてきたかと思ったら、舌をぐちゃぐちゃに交わらせるキス。そして、奥をスローに何度も突かれて。

     次のキスがもしまたあるなら、今度は素直にべろちゅーも受け入れよう。なんて、またキスの感触を手繰り寄せた。
     場地さんの舌って、なんか長くてエロいんだよな。あと、あの犬歯で首とか耳とか乳首とか、噛まれてみたい。
     穴をずぶずぶしながら、シコっていた右手で乳首を思いきり抓ってみる。
    「……ンっ、ぁ……」
     あー、きもちい。もう、きもちよすぎて何も考えらんない。イキたい、ばじさんと一緒に、イキたい。

     深夜の寝静まった団地の部屋。
     ぐちぐちとローションと空気が混ざる音、それからカウパーまみれの亀頭を擦る音が卑猥に耳に届いて、背徳感に押し潰されそうになる。でも手を動かすスピードは抑えきれなかった。
     閉じたまぶたの裏にいる場地さんは、色っぽい吐息まじりにオレの名前を何度も耳元に吹き込みながら、射精に向けて容赦ない高速で腰を打ち付けてくる。
     ぁぁ……っ…い、いく、ばじさ…イく…っ……
     ──ちふゆ、オレもイきそ……中で出していー?
     うん、なかで、ぜんぶ、出して……っ…ばじさん…好きです…好き……
     ──うん。オレも好き。ちふゆ。愛してる。

     深いキスをされながら場地さんがオレのナカで果てる妄想とともに、自分の掌で吐精物を受け止めた。

     
     こういう気持ちいいオナニーをしたときほど賢者タイムの虚しさと苦しさもえげつない、ってわかっているのに止められない。はぁ、と一度ため息をつき、怠い体を起こして後処理をしようとしたら、今脳内で散々好き勝手させた愛しい人から不意打ちでメールが届いた。びっくりして思わず「……っわ!」って声が出る。
    『コンビニ行くけど行く?』
     場地さんらしい、要件だけの短文。いつぶりかわからない、深夜のコンビニお誘いメール。
     たとえ爆睡してたって、飛び起きて行くに決まってる。苦しかった賢者タイムが、一瞬でウキウキハッピータイムに変わった。オレの感情の振れ幅、どんだけ場地さんに支配されてんだよな。
     オレはまだ息が整わぬまま『2分で下おります!』って返信をして、あわてて服に袖をとおした。そして事後の顔の火照りと罪悪感を洗い流すべく、いそいで洗面所へと向かった。
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