百貨店に注文していた本を取りに行く5たろ。アールデコ調のエレベーターが到着する。扉が開くと目にも鮮やかな赤毛の案内人が。
K「ご利用階をどうぞ」
J「…7階」
K「お帰りもこちらをご利用下さい」その方が早いですから
閉店間際の通路の奥 灯りが少しずつ落ちていく。エレベーターホールの照明に煌々と浮かび上がる長い影ひとつ。
K「この時間は多いんですよ すぐ復旧しますので」
J「構わない」
帰りに突然止まった暗い箱の中から始まる博士の恋模様。
専門書を注文しては閉店時間ギリギリに取りに行く を繰り返す。
別店員が応対して不機嫌に。訳を聞くと「昼勤務になりまして」
困り眉で頬染めて顔背ける百貨店いんは可愛い。
避けてやがるのかいい度胸じゃねぇか。
日曜日の昼中堂々正装で乗り込んできて
「新しいスーツを新調したいのだが」案内係に指名してくる。