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    shimajun

    るろ剣寄りの沖斎とかについてなんか垂れ流すぞ!ジャンルが違ってたらごめんな!

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    shimajun

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    沖斎。現代?????
    沖田くんと誰かに嫉妬していた?設定がわかりません。

    #沖斎
    okisai

    「自惚れてもいいですか?」「聞いて?」
     沖田はいつの間にか斎藤のすぐ側に来ていた。斎藤が物言わずただ息を吸うに留まったのは、沖田が今まさに口を開いて何かを言いかけたからだった。
    「あなたの事が好きです」
     人好きのする笑顔で、子供のような瑞々しい唇が斎藤に告げたのは、今時にしては真っ直ぐな好意の言葉だった。
     そのまま沖田の腕がゆっくりと斎藤の肩口をすべり、己よりも一回り大きな背中を抱きしめれば、困ったのは告白を受けた斎藤の方だった。同性に愛を告げられ、更に懐に入り込まれているのにも関わらず、全く嫌悪感が湧いてこないのだ。
    首筋にかかる柔らかい毛先や頬の温もりひとつ、何も嫌なことがない。まるで幼児を胸に抱いているような、そんな清廉とした思いがそこにあった。
    「……斎藤さん、さっき『俺はいい』って言ったでしょう?」
    「——言ったような気はする」
    「ふふ、だから、ああ斎藤さんは僕が別の誰かを好きなのが嫌なんだなぁって。……それって、要するに嫉妬ですよね?」
    「……」
    「僕、自惚れてもいいんでしょうか?」

     自惚れてもいいのか?
     などと、首元でくぐもった声を零した沖田の背中を、斎藤はただ無言で抱いた。炬燵で温まった体温は心地よく、このままこうして居たい欲さえ覚えるほどに、互いがしっくりと収まっているように思えたのだ。
    ——嫉妬していなかったと言えば、嘘になる。
     しかし同時に、斎藤は沖田の幸福を心から祝福し応援できる確信があった。あの時の醜い嫉妬心などすぐに消える筈だと。沖田はそんな幸福に足る男であると、斎藤は信じて疑わなかった。
     それが、どうして。
    「……君は、なぜ俺なんだ」
     君にはもっと相応しい人がいる筈なのに、なぜ自分のような男を選んだ。
    「僕のこと、許してくれるから……かなぁ」
    「……なんだそれは」
    「あと、僕にはあなたが眩しく見える」
     うまく言えないや、と照れたように笑う。その笑顔が、斎藤は昔から好きだった。
     一度身を離した沖田は、そっと斎藤の頬を掌で包んだ。その指先は、斎藤が予想したよりもずっと冷えていた。
    「……構いませんか?」
     少し顔を傾けて沖田が言った。指先の冷たさばかり気にかけていた斎藤は、だが沖田の言わんとしていることにだけはすぐに察することが出来た。断る適切な理由も思い浮かばず、斎藤はお手上げとばかりに口の端だけで笑って答えた。
    「……構わない」

    「もう、斎藤さんはいつも僕に甘いんだから」
    「そういうつもりは」
     ない——と続けようとして、あっさりと唇を塞がれた。こういう思い切りの早さは斎藤のよく知る沖田の美点であったし、触れた口唇の生温さに皮膚が泡だって、要するに、斎藤はもうどうでもよくなってしまった。互いが男であることも。全て。

     知り合ってから今日までの他愛ないことが脳裏に過ったが、斎藤は甘んじて沖田の口付けを受け入れていた。戯れのような触れ合いから、互いの中を暴き探る動きへと転じる。
     沖田の指先が熱い。
     目を意識的に閉じていたから、斎藤には沖田の顔を窺い見ることは出来なかった。
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