嗚呼、愛しき工房の日々7(上)7.
<よし、それじゃあ行ってくるね>
「みんな〜、お留守番よろしく頼むわよ?」
いつもの武器に加え、ロージャが背負っている大きくいかついケース。
武器や防具を扱う工房が切磋琢磨のため集まるイベント、今後のためにと手伝いで私も参加することになったそれへと展示する最新作が格納されている。
事務所の入り口で私たちを取り囲む一人一人の顔を見回し、彼女は最後ににこりと笑った。
「ご安心くだされ会長殿! ご不在の間、私が必ずや工房を守ってみせまする!」
「ありがとうドンキホーテ。あま〜いお土産買ってくるからね」
ぎゅうと抱きしめられたドンキホーテが窒息する前に、私も最後の準備を済ませたほうが良さそうだ。人だかりを潜り抜け、いつもと変わらずパソコンに向かうムルソーへと近づいた。
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