この地獄めぐりの旅は緩急が激しい。
しばらく何もなくバスに、波に揺られるかと思えば、今日のようにたった24時間という箱の中によく入ったものだと思うほど出来事の詰め込まれる時もある。
くたくたの体を作業机の前にある椅子へと投げだしたのは間違いだったかもしれない。どうにも気持ち悪くてタスクの報告書をいくつか書く前にシャワーを浴びてしまいたかったけれど、錘でも入ったかのように尻が重く億劫で、痛む肩を庇いながらコートひとつ脱ぐのにも苦労するのが目に見えていた。
囚人達と違って私の服は戻せないから困ったものだ。幸いというべきかイシュメールの銛は鋭く尖れていたためにコートの切り口は綺麗なもので、今回の枝に至るまでの道のりを思えばしばらくは繕い着続けるのが妥当だろう。
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