愛弟子ず、ハロウィン話桃:王国じゃ今度ハロウィンっていうのやるらしいよ
黒:なんだそれ
桃:なんかねー、お化けの格好して子どもたちがお菓子貰って練り歩くんだって
黒:なんだその祭り
雪:ああ、死者の国からやってくる悪いお化けたちから子どもたちを守るために、お化けの仲間のふりをするってやつだろ?
黒:知ってんのかお前
雪:フィオレーネさんが教えてくれたんだ。王都のお盆、みたいなものだって。
黒:ふーん
桃:セツやってみたら?イケそう
雪:何が?
桃:仮装
雪:俺が子どもっぽいって言いたいのか?
桃:いやさあ、ちょっと仮装したら大人からタダでお菓子貰えるんだよ?子供のフリしてでもイケるんなら私はやるけどなー
雪:そんなただ貰いは出来ないよ…
黒:大体こいつもう面割れてるし背格好でバレんだろ
桃:そこはほらどうにでもできるじゃん、裏声使うとかさあ
雪:無理があると思うけど…
黒:大体仮装ってなにになるんだ
桃:セツにピッタリなお化けっていうと…あっわかった吸血鬼!
黒:たしか日に弱くて青白くてマント羽織ったやつだったか?
桃:そうそれ!
雪:あーなるほど
桃:ってことはセツが人の血吸うんだ
黒:うわ、想像できねえな
桃:わかる〜
雪:言い出しておいてなんだよそれ
桃:なんかセツが吸血鬼だとして、血を吸おうとした相手が痛がったら「あっ、ごめんなさい」っていってすぐ引き下がりそう
黒:気弱
雪:食事にならないじゃないかそれ…
桃:結局これが1番なんだよ、とか言ってトマトジュース飲んでそうだもんセツ
雪:それは果たして血の代わりになるんだろうか
黒:むしろ牧畜して乳搾った方が効率的だろ、乳は元々血から出来てるんだし
雪:それだ!
桃:えっ、じゃあセツが吸血鬼になったらヤギとか牛飼って育ててお乳貰って暮らしてるってこと?
雪:酪農家になっちゃったな
黒:ハロウィン関係なく人間社会に溶け込めそうだな、酪農家
桃:無害じゃん
黒:良かったな
雪:うん。…あれ、なんの話しだったっけ
桃:えーと、あ、そうそうハロウィンハロウィン
雪:ああそうだった
黒:酪農家吸血鬼か…菓子配る側になりそうだな
桃:生産者側じゃん
雪:えっその設定まだ続くのか
桃:じゃあセツあてにならないじゃーん
雪:そもそも俺をあてにされても困るってば
桃:私とバレずに子供っぽく仮装できる方法ないかなあ
黒:身長
桃:大きな幼女って思えばいいんだよ
黒:こんな腕力のある幼女はいない
桃:だから仮装するんじゃん
黒:それはもう幼女の仮装した大人にしかならないだろ
雪:そういえば日常を切り取った大人の地味仮装があるみたいだぞ
黒:なんでもありだな…
桃:なら地味仮装路線か〜
黒:菓子貰う目的どこいった
桃:あ!思いついた!
雪:なに?
桃:重ね着あんじゃん!あれ使えばいいんだよ!
黒:そういや仮装じみたやつ色々あったな
雪:なに使うんだ?
桃:ゴウキ
雪:え?
桃:ゴウキ
黒:幼女要素どこいった
桃:髪型だよ
黒:髪型?
桃:頭の上でちょこんって一つくくりにしてるじゃん。あれ、幼女
黒:あれのどこが幼女なんだよ
桃:コミツちゃんと一緒
黒:コミツに謝れ
桃:なんでよ〜!あの格好なら腕力あっても違和感ないじゃん!
黒:幼女設定に違和感がありすぎだろ、もはやバケモンの類じゃねえか
雪:は、お化け設定に戻ってきた
黒:子供の仮装じゃなくて大人が化け物の格好してるだけだ、なまはげと変わらねえよ
桃:あの格好できゅるるんとしたポーズ取れば幼女だよ、心と髪型が幼女ならクリアでしょ
黒:にゃんにゃんすら見下げ果てたとか言い出すのにか?
桃:ジェスチャーだからボロがでるのよ、ポーズなら完璧
黒:見た目からもうボロしか出てねえんだよなあ
雪:ゴウキ重ね着して通報されないか心配だな
桃:あー、怖がらせちゃうかなあ
黒:あれで菓子強請ったらもう恫喝だろ
桃:そっかー、みんなが怖がっちゃうならやめとこ
雪:やさしい
桃:それじゃあ酪農家吸血鬼さんなんかお菓子ちょうだいよ
雪:いやしい!あと俺酪農家でも吸血鬼でもない!