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    Hino

    夢も見るし腐ってる人。事故防止のためにキャプションは必ず確認してください。

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    Hino

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    🌸仕事帰りにゾに優しくされたい(強めの幻覚)

    「やぁお嬢さん、随分酷い顔をしているようだが優しいオニイサンが話を聞いてやろうか?」


    草臥れてソファに突っ伏していたタイミングを見計らったように来訪を知らせるチャイムが部屋に響く。
    こんな深夜にお邪魔しようとする輩なんぞ、彼くらいだろう。
    疲れた身体に鞭を打ち入口の鍵を捻れば、体格はいい大人なのに悪戯っぽい笑みを浮かべたゾルタンがそこに居た。

    「来る時は一言くらい連絡ほしいかな」
    「なンだよ、俺様がサプライズで遊びに来るのは不服かァ?」

    多少抗議した所でさして気にもせずさっさと室内へ上がる彼を止める術もなく、やれやれと戸締りをして家主より先にリビングへ向かう客人の背中を追う。


    勝手知ったると言わんばかりに、鼻歌混じりに持ち込んできたアルコールや軽食をテーブルに広げていく彼。
    あっという間に準備を整えるとぼふんと勢いよくソファに腰掛け、隣に座れと手招きする。
    空いたスペースに身を置けば、ゾルタンが手を伸ばし抱き寄せてくる。
    身を任せ肩口に顔を埋めていると「ヨシヨシ、お仕事頑張ってるイイ子ちゃんは褒めないとな?」なんて呟きゆるゆると頭を撫でてくれる。

    ゆっくり彼の背中に手を回すと不意に撫で回していた手が止まる。
    名残惜しくて顔を上げれば普段のニヤけた笑みではあるのだけれど、どこか穏やかな瞳と目が合う。

    「お疲れの所悪いが、少しだけ俺に付き合ってくれ。イイだろ?」
    こちらの反応なんてお構いなんてないのだろう。
    彼のオッドアイが視界いっぱいに広がり、次いで唇に柔らかな感触。


    こうしてもらうために今日頑張って来たと思えば悪くないや。


    静か、というには少し煩い週末の夜は更けてゆく。
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    なすびのな

    DONE歌うま男性Vsinger、音御光歌(おとお こうが)くんが、とある日の挑戦枠配信で演じてくれた執事設定が個人的にとてもよかったので書きました。
    最後の台詞はご本人が配信で言ってくれた台詞を引用させていただだきました。

    ※執事設定なのでご本人とキャラが違います。
    ※何も起こりませんが一応夢として書いています。苦手な方はご注意ください。
    「眠れない…」

     ぽつりと呟いたその声は、月明かりに照らされた部屋の隅に残る暗がりに吸い込まれていく。
     窓の外には明るく丸く、黄色い月が浮かんでいて。ふと脳裏に、月とは真逆の、太陽の光をまとったように笑う執事の姿が思い浮かんだ。
     ベッドの中から抜け出し、素足を履物に落として部屋を出る。かちり…と扉の閉まる音が広々とした廊下に響いて、少し体を縮こまらせた。

    「いかがいたしましたか?」

     ゆっくりと静かに、長い廊下の絨毯を踏みしめて進むと、その先にある扉をそっと開く。柔らかな照明の下で書類に伸ばしかけた手を止め、執務室でその日の仕事を片付けていた彼が顔を上げた。

     かすかな灯を反射してその瞳が優しく輝くさまに、もやもやと胸の奥にわだかまっていた不安がほどけていくのが分かる。
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