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    Hino

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    Hino

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    🌸褒められ慣れてない大尉をヨシヨシしたいだけ

    静かにしていれば本当にイケメンなんだよね、と珍しく事務作業に打ち込むゾルタンの横顔をしばし眺めていた。
    集中しているのか全くもってこちらの視線に気づこうとしない。
    深い意味はないのだけれどなんとなく、頭を撫でてみたいと思ってしまった。
    そろりと手を伸ばし、ぽんぽんと上司の頭部に手を乗せる。
    ぴくりと一瞬ゾルタンの眉間に皺が寄ったような気がした。
    気にせずそのまま撫で続けると


    「…おい、なんのつもりだ」


    不機嫌ではないが呆れたような声音が聞こえてきた。


    「大尉が真面目にお仕事されているのでヨシヨシしたくなっちゃったんですよ」
    「酷ェな、俺様出来る大人だからちゃんとお仕事するっての」
    「ではもっと褒めないといけませんね」


    怪訝そうな表情を浮かべているゾルタンの頭をぎゅっと抱え、幼子をあやすように更に撫でる。
    いやちょっと待て、と言われた気がしたがたぶん幻聴だと思い華麗にスルーする。


    「お仕事する大尉、私とっても好きですよ」
    「お前なァ…」
    「静かにしていればカッコイイ所も素敵です」
    「…一言多い」
    「誰よりも頑張り屋さんなのも知ってます」
    「…」
    「大尉?」

    反応がないので顔を覗き込もうとするが抱き着かれてしまってその顔を拝むことはできない。
    が、耳まで赤くなっているので察してしまった。



    いつもは上司がこういう顔をしているのだろうか。
    ニヤニヤする口元が戻せなくて、ちょっと意地悪したくなってしまった。

    「可愛いですよ、ゾルタン大尉」



    わざとらしく囁くと勢いよく真っ赤な顔をこちらに向け、彼なりに力加減はしたのだろうが結構痛いデコピンを食らわせてきた。



    「…お前、覚えておけよ!」
    「えー、覚えてていいんですかぁ?やったー!後で思い出しちゃおーっと。」



    この後、手痛い仕返しをされるのはまた別のお話。
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    MEMO妄想小説その3

    迷子のシキ(植物園管理棟に住み込み中)とジェイドのお話。
    長編のお話の中の一部分です。わかりづらくてごめんなさい。

    not監督生です。
    その晩は、なかなか寝付けなかった。
    昼休みの時間に眠ってしまったせいだろうか。それともロウドが言った言葉がシキを不安にさせているからだろうか。机の上に置いた時計は、11時を指していた。シキはベットから起き上がると椅子に掛けてあった上着を取ると羽織り部屋を出た。

    シキが寝泊まりしている場所は植物園の中にある小さな管理棟であった。部屋は2つあり入って直ぐは事務所で机や椅子があり何か問題事や調べ物がある時は植物園を管理している5人のドワーフ達が集まり話し合う。廊下を挟んだ奥にある部屋は居住スペースになっており小さいながらもお風呂と洗面台もあった。シキはその部屋を借りて暮らしていた。手前の廊下にはミニキッチンとトイレもあったので1人生活していくには十分であった。植物園の管理責任者であるドワーフのロウドがシキの面倒を見てくれており、仕事、生活のアドバイスを時折してくれた。ここで仕事をしているドワーフ達は魔法も使えるらしく、事務所兼シキの部屋は外からは見えなくなっており外部の人間が入って来ることがないように防衛魔法が張られてあった。

    植物園の中は薄暗く静かで、いつも聞こえてくる虫の音も葉擦れの 1382