Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    shu10gookabe

    @shu10gookabe

    @shu10gookabe

    ☆quiet follow Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 18

    shu10gookabe

    ☆quiet follow

    冬コミ表紙できたで!ちょっと脱いでる

    Tap to full screen (size:1214x850).Repost is prohibited
    🙏🙏🙏🙏👏👏👏👏👏👏👏👏👏👏😭
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    recommended works

    高間晴

    DOODLEチェズモク800字。ツーカーの二人。■明日を待ちわびて


     モクマは現在、敵アジトに潜伏中だった。腕の立つ用心棒という立ち位置を得てはや数日が経つ。便宜上の『仲間』が「一緒に飲まないか」と誘ってきたが、笑って断った。与えられた個室に戻ると、ベッドに座ってこの数日でかき集めたアジトの内部構造をまとめ、タブレットでチェズレイに送信する。と、同時にタブレットの中に保存した情報を抹消する。
     ――やれやれ、これで明日はチェズレイのもとへ帰れるな。
     そこまで考えてベッドに寝転がると、自分が帰る場所はチェズレイのところになってしまったんだな、なんて今更なことを思う。
     そこでいきなりピコン、と軽い電子音が響いた。寝返りを打って見れば、メッセージアプリにチェズレイからのメッセージが入っている。
    〈無事ですか〉
     ただ一言だが、モクマの脳裏には心配でたまらないといった様子の彼が思い描けた。
    〈大丈夫だよ〉
     そこまで打って送信し、返事を待つ。数分の後にまた通知音が鳴った。
    〈行き先は確認しました。明日のデートが楽しみですね。何時に行けばいいでしょうか?〉
     『行き先』は内部構造図、『デート』は潜入ミッションの隠語だ。事前の打ち合わせ 846

    高間晴

    DONEチェズモク。チェズの髪を切るモクの話。■ノスタルジーに浸って


    「モクマさん、私の髪を切ってくださいませんか」
     リビングのソファで、暇つぶしにタブレットをいじっていたときだった。スリッパの音が近づいてきたと思ったら、チェズレイがだしぬけにそう言う。モクマは一瞬何を言われたのか理解できなくて、チェズレイに訊く。
    「え? 何つったのチェズレイさん」
    「ですから、私の髪を切ってほしいと言ってるんです」
     チェズレイは、腰まで届くプラチナブロンドを揺らしながら言った。その髪は流れの半ばをモーブカラーの細いリボンでゆるく束ねている。思えば、はじめて会った頃よりだいぶ髪が伸びたものだ、とモクマは感慨にふける。って、そうじゃなくて。軽く頭を振って思考を呼び戻すと、アメジストの瞳が瞬いてふわりと微笑む。――モクマがこの顔に弱いと知った上でやっているのだから、たちが悪い。
     チェズレイはモクマの隣に座り、その手を取って白手袋の手で包む。
    「お願いします」
    「い、いや。人の髪を切るだなんて、おじさんそんな器用なこと出来ないからね?」
     モクマはチェズレイの手を振り払う。下手なことをしてこの可愛い年下の恋人の美しさを損なってしまうのが怖かっ 1901

    高間晴

    DONEお題箱より頂いた、「ひたすらモさんを褒めちぎるチェズ」。
    なんか手違いで褒めるというよりは好きなところを挙げていますがご容赦ください。
    ■このあと美味しくいただきました。


     チェズレイは目的のためならかける手間を惜しまない男だ、とモクマは思う。
     ふらりと出かけ、数時間ほどでセーフハウスに帰ってきたチェズレイを玄関で出迎える。その手にはケーキが入っているらしき箱と茶色の紙袋があった。甘いものに目のないモクマは嬉しそうに笑う。
    「チェズレイ。それお土産? ケーキ?」
    「タルトです。苺が旬なのも今のうちですし、買ってきました。一緒に食べましょう」
     そう言いながらキッチンのダイニングテーブルに箱と紙袋を置く。待ちきれずにモクマが箱を開けてみると、たっぷりの真っ赤な苺がクリームの上に乗ったタルトが二切れ入っている。テーブルに手をついて箱を覗き込みながらモクマはお伺いを立てる。
    「あ、おじさんコーヒー淹れよっか? タルト甘いだろうからブラックで――」
    「いえ、クリームを使ったタルトに合わせるなら油分のあるコーヒーより、口の中がさっぱりするストレートの紅茶ですね」
     それを聞いてモクマは首を傾げる。紅茶。コーヒー豆ならあったけど、茶葉なんてなかったはずだ。そこで隣に置かれている紙袋に目が行く。チェズレイはその中からアルミの小 2964

    高間晴

    DONEタイトル通りのチェズモク。■愛してる、って言って。


     チェズレイはモクマとともに世界征服という夢を追いはじめた。そのうちにチェズレイの恋はモクマに愛として受け入れられ、相棒兼恋人同士となった。
     あのひとの作った料理ならおにぎりだって食べられるし、キスをするのも全く苦ではないどころか、そのたびに愛おしさが増してたまらなくなってくる。ただ、それ以上の関係にはまだ至っていない。
     今日もリビングのソファに座ってタブレットで簡単な仕事をしていた時に、カフェオレを淹れてくれたので嬉しくなった。濁りも味だと教えてくれたのはこのひとで、チェズレイはそれまで好んでいたブラックのコーヒーよりもすっかりカフェオレが好きになってしまっていた。愛しい気持ちが抑えられなくて、思わずその唇を奪ってしまう。顔を離すと、少し驚いた様子のモクマの顔があった。
    「愛しています、モクマさん」
     そう告げると、モクマはへらっと笑う。
    「ありがとね。チェズレイ」
     そう言って踵を返すモクマの背を視線で追う。
     このひとは、未だに「好きだよ」だとか「愛してるよ」なんて言葉を言ってくれたことがない。キスも自分からしてくれたことがない。まあ二十年もの間 2609

    高間晴

    DONEチェズモクワンライ「ダンス」。
    酔っ払ってジターバグを踊る二人。
    ■ジターバグ


    「モクマさん、私と踊っていただけますか?」
     リビングのソファで晩酌をしていたモクマの横顔を見ながら、隣でチェズレイは言った。突然のお誘いに、モクマはぐい呑みを手にしたままぽかんと口を開ける。
    「踊る、って……」
    「社交ダンスです。アルコールが回ったせいか、いささか興が乗りましたので――少々お付き合いいただけないかと」
     そう言いながらチェズレイは左目の花をたゆませて微笑んだ。モクマは、その顔でお願いされると弱いんだよな、ともう何度目かになる心の声に正直に従うことにする。
    「いいけど、おじさんそういうのやったことないよ?」
    「大丈夫ですよ。仮にもショーマン。少し手ほどきして差し上げれば、すぐに踊れるようになるかと」
     そうチェズレイが言って立ち上がるとモクマの手を引く。飲みかけのままでぐい呑みをテーブルに置くと、引っ張られるままにモクマは立ち上がった。
     少しスペースの空いたリビングの片隅に連れて行かれる。
    「何、踊るの?」
     社交ダンスと一口に言ったって、タンゴやワルツ、その他色々あるのだということくらいはモクマも知っている。
    「そうですね、初心者でも比較的踊りやす 1612