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    とびうお

    @Tobiui_S

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    とびうお

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    学生シチカル。
    何か放課後いちゃつけって思った。内容は詰まってない。

    恋人練習中初めは小さく手を引かれるくらいだった。手探りでお互いの熱を確かめて、震えながら何とかキスを交わす程度。目を見ればわかるからと初めは愛を囁き合う必要性を感じていなかったシチロウはすっかりそれにハマった。
    休み時間になれば校舎の外に連れていかれて木の下で隠れるように口付けを交わして、はにかんだ笑顔でシチロウは俺に好きと言った。
    数回に一回だけ俺もそれに応えると奴は心底嬉しそうに笑うのだ。それが堪らなく愛おしかった。本当に。そんな手探りで恋人になった俺たちの間に放課後シチロウは一冊の本を持ってきた。

    「何だこれ」
    「恋人とやりたいこと…とかデートスポットとか載ってる雑誌」
    「………いるのか?やりたい事して、行きたいとこ行けばいいだろ」
    「んーそうなんだけど、参考にするにはいいでしょ?それにね、学ぶべき事もあったんだよッ」

    眉を下げた俺を無視してシチロウは立ち上がって雑誌を空へと掲げ目を輝かせた。

    「何とカレシぃ?はカノジョぉの肩を抱き寄せるときゅんとするらしい」
    「は?」
    「よしやろう」
    「待て待て」

    俺の声を無視してシチロウは手を引くと俺を立ち上がらせるとピッタリと体をつけた。

    「…ングッ…肩ギリギリじゃないか」
    「堪えて笑わないでくれる?ちょっとしゃがんで」
    「ズルはよくないぞ、シチロウ?」
    「その顔ムカつくなぁ」

    ガシガシとわざと爪が当たるように脚で俺の足を蹴った。それを嘲笑うように俺はシチロウの肩を抱き寄せた。

    「こういうことだろ?」
    「むっかァ…」
    「どうだ?キュンとやらはしたのか?」
    「今苛立ちしかないかな」
    「ふっ、人をカノジョ呼ばわりした罰だ」
    「なにその理由〜、フンッいいもん、僕の家系の男はデカくなるからね。きっとキミなんてすぐ越す」
    「ほう、ま、それまで俺らが付き合っていたらの話だがな」
    「…まーた嫌な言い方する」
    「確定した未来なんてないんだ」
    「……」

    しばらくシチロウは黙り込むと俺の肩を引っ張っては地面に二人揃って寝転がさせる。ふいの動きに少し苛立てれば、そんな俺の頬にシチロウが手を添えた。

    「何に怯えてるのさキミは」
    「__は?」
    「前はそんなことなかったのに急に最近そーいう嫌味を言うようになった」
    「……」
    「なに?僕と別れたいの?」
    「違っ」
    「うん、知ってる。じゃあなに?ちゃんとお話しよ」

    俺の頭を頬をシチロウは優しく撫でる。そうすると不思議と心が落ち着いた。目はゆったりとしてそして同時に自分の心の弱さを嫌でも認識させる。真っ直ぐ見つめてくるシチロウの目が、心の綻びを見つけようとする視線が俺の意志を揺るがす。

    「カルエゴくん」

    怒っているようなトーンから一気に優しい声で俺の名前を呼ぶものだからそれはうっかりと漏れ出た。

    「……最近お前は俺に好きという」
    「恋人だからね」
    「前は言わなかった。俺が告白したときもお前は言わなかった。ただ頷いただけ。けど俺はそれで満足だった。だってわかるから」
    「言われるの嫌?」
    「違う。嫌じゃない。ただ不安になる」
    「どうして?」
    「…それ」
    「それ?」

    すっかり放り投げられたシチロウが持ってきた雑誌に指さすとそれをシチロウが腕を伸ばして胸元へと持ってきた。

    「この雑誌のこと?」
    「…………熱が上がるのが急すぎると冷めやすいらしいから」
    「はい?どういう___あぁわかった。もーカルエゴくん最初これバカにしてたのに」
    「……」
    「この号数にはそんなこと載ってなかったから前のかな?それ見て不安になったの?」
    「………………ぅん」
    「ははッなにそれ。予想したものよりくだらなかったッ」
    「!?なん_」

    なんだとと怒り起き上がろうとすれば、俺より小さいはずのシチロウが服の裾を持ってまた俺を寝転がさせる。今度はシチロウの胸の上に。

    「バカだなぁカルエゴくんは。最近僕が好きってキミに言葉で言うようになったのはね。キミがあんまりにも可愛いからだよ」
    「はあ?」
    「キミが言った通り僕らは言葉がなくてもお互いちゃんと気持ちが分かり合えてたと思う。けどね言葉にした方がいい時もあるんだよ」
    「?」
    「例えば言わないと変な誤解をするおバカさんがいたり、ただそんなおバカさんの恥ずかしがる顔が見たいバカもいたり。好きって言葉にするだけで色んなことが広がるんだ」
    「…訳分からん」
    「まぁまさか言った方が変な誤解するとは思わなかったけどね。カルエゴくんならわかってくれると思ったんだけどなー」

    ゆっくり頬を撫でたあと、確かめるように俺の鼻を触り眉を触り、そして前髪の束を持っては一本一本流して見つめてきた。その一連の流れのせいで期待を持つのは十分すぎた。

    「僕の性格分かるでしょ?」
    「わ、かる」
    「だったら僕がひとつの事に執着するのだってわかってるじゃない」
    「…それは生物とか…お前の好きな物に対してだろ」
    「……どうしてそこにキミが入らないのさ」

    テイッと弾いたシチロウの指が額に当たる。目を細めればシチロウは偉くため息をついた。

    「普段は自信満々のくせに愛情が絡むと自分を卑下するよね。そこカルエゴくんの悪いところだよ」
    「……」
    「僕の"好き"にキミは絶対に入るんだから執着される対象なのを自覚してよね」

    カチリとシチロウのマスクが外される音が聞こえる。その音だけで体が震えるのだから俺はもうどうしようも無い。きゅっと強く目を瞑れば、シチロウの歪な唇が俺の唇にそっと触れた。名残惜しそうにゆっくり離されると優しい目をしたシチロウと目が合う。

    「それにね、キミへの執着はねちっこいつもりでいるからそこもよろしく」

    シチロウは笑う。少し眉間にシワを寄せてまた俺の頬を撫でた。優しい、俺より小さい手。布越しでもわかるシチロウの少し低い体温が上がっていることも、少しだけ震えてるのも。
    俺の言葉を聞いて感じて、お前の張り巡らさせた魔力はお前を不安にさせた。女々しい無神経な言葉でお前を傷付けた。申し訳なさで思わずシチロウの制服を握りしめると胸に大きなシワを作った。

    「……悪かった信じてなくて」
    「お詫びに明日のランチのデザート貰うからね。ふふ、あーあー心配性で怖がりな恋人持つと大変ダナーーー!」
    「おいッ」

    今度こそ起き上がるとシチロウの頭をグシャリとしてやった。すると文句を言いながらもシチロウは嬉しそうに笑うと雑誌を手に持ち、シチロウは口を隠すようにしてそれを持った。

    「キミもこれ参考にしたんだから僕も参考にしていいよね?」
    「うぐっ…」
    「ふふ、デート楽しみ。やっぱりウォルターパーク?」
    「い、や、だッ!」
    「えー。じゃあじゃあ!」

    シチロウはうつ伏せになると雑誌を地面に広げた。俺は近づいてはシチロウの隣で足を組む。

    「お揃いコーデってやつ?する?」
    「し、な、いッ」
    「あ、これなら僕外でもできるよ。二つに別れたストロー。ハートで可愛い」
    「俺がそんなものに頷くと思うのかッ」
    「じゃあお揃いのストラップは?」
    「…………そ、れならいい」
    「やった。今度買いに行こ。どんなのがいいかなぁ」
    「…サボテン」
    「えー…サボテンは可愛いけど、キーホルダーになるとどうなのそれ。というかあるの?」
    「植物店兼雑貨屋の…」
    「あぁこないだ行ったてとこ?まぁ行くだけならね」
    「何か不服そうじゃないか?」
    「だってサボテンは恋人ぽくないもん」
    「……恋人ぽいとはなんなんだよ」
    「うーんハート?」
    「死んでもつけるか」
    「お揃いで付けるのはハートが半分に別れてるらしいよ。ほら載ってる」
    「…ハート割れてていいのか?」
    「あ、確かに嫌かも」
    「ふっ」
    「うわー…嬉しそうにしちゃって、。じゃああとは何したらいいかなぁ。キミが不安にならないように」
    「…おいもういいだろその話ッ。終わったんだから」
    「ダメダメ。何か目に見えてないとすーぐ変な方向行きそうだからね」
    「………」
    「あ、何か考えてる顔」
    「……」
    「言いたいことあるんでしょ?」

    頬杖をついたシチロウがニヤりと笑う。それが心底ムカついて、それを上回るほど俺の体は熱くなる。何度か口をパクパクとさけては、俺はそれを隠すように足を立ててはその間に顔を隠した。

    「……………………さっきのでいい」
    「さっきの?」
    「………さ、わったり、する…やつ」
    「へぇ。それだけ?」
    「…………お前わざとだろ」
    「さぁ?他になにをしてほしいかなんて僕見当もつかないよ」

    あぁもうその顔本当にムカつくな。
    少し顔上げればやたらと頬をだらしなくしたシチロウの顔が目に入る。もうどうにでもなれと勢いよく顔を上げては膝を着いた。
    ガッと力強くシチロウのその緩んだ頬を掴むんでは勢いよく唇を合わせてやると少し驚いき目を開いた。ざまぁみろ。

    「……これも、だ!」
    「__わかった。じゃあこれから何年でもそれするよ」
    「………おう」

    んーとシチロウは大きく背伸びをしては勢いよく立ち上がると髪を少し整えては、こちらに振り向く。

    「じゃあまずは今日は手を繋いで歩いて帰ろっか」
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    Replies from the creator

    とびうお

    PROGRESSシチカル小説できたとこまで。
    結末も何も相変わらず決めてない。
    書き上げれるかもわからない。
    需要あるかしららら〜
    未定好き嫌い好き。そんな子供騙しな占いをした事は何度もあった。いつかそれが"嫌い"だと変わらないかと願った。けれどそれは変わることなどなかった。自分の心に嘘がないのなんてわかってる。自分の心を騙せないのなんてそんなの遠に知っている。いつか来る未来に怯えて、いつか来る未来を恨んで、そんな事をいつもキミの隣で考える。キミの抗う姿を見上げていた。頑張る姿をずっと隣で見ていた。一緒に笑って、一緒に泣き言を言って、一緒にボロボロになった。
    キミと身長を並べる頃からそんな視線は熱のあるものへと変わっていった。少し抜かした頃にはそれは明確なモノへ名前が付けられるものへと変化をして、そこからは真っ直ぐキミを見れなくなっていた。好きになった罪悪感、手に入れられないと分かていた絶望感、そして彼を手に入れることができる幸福な名前も知らない架空の悪魔に嫉妬する日々。常に一緒にいながらも、その幸福な相手はどいつだと頭を悩ました。そんな子供ならではの葛藤が過ぎた頃、僕達は同じ職場で働くことになった。
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