幸せの象徴 五条先生に、子どもが居る。
そう聞かされた時は目玉が飛び出るかと思った。だって、なんだか似合わない。
先生のことを昔から知っている伏黒に聞いたら、般若のような顔で溜息を吐きながら、俺はまだ認めてない、と言うだけだった。
会ったことがあるという釘崎に聞いたら、顔は先生にそっくりな天使みたいな子よ。見た目はね、と言われた。
色々なことがあったせいで、先生の子どものことなんて頭から抜けていた。けれど、ふとした瞬間に思い出しては背中がそわそわする。
だって。先生って、何だか他の人と違う。他の大人にはこんなこと思ったことはない。けど、先生だけは、俺らと違う次元に居るような気がした。
宿儺に委縮することもなく、笑って勝つよ、なんて言える人を先生しか知らない。みんな、最初に俺の中の宿儺を見る。分かるよ。あの邪悪な存在を無視なんてできない。
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