好きをシゴトに 10年も街のバイク屋をやっていれば、それなりに常連客だっている。ヤンチャしてた頃の繋がりから地元のバイク好きに至るまで、それなりに人間関係を構築していないと商売上がったりになっちまう。
店を立ち上げた頃は、言葉を選ぶ、という行為ができないイヌピーに接客をさせるわけにもいかず、実家でのアルバイトでそれなりに経験があったオレが主に前に立つことが多かった。幼い頃から真一郎くんの店に入り浸り観察していたイヌピーの経験値はオレよりも高いこともあり、気づけば客の相手はオレ、イヌピーは裏方、の図が出来上がりつつある。
客と喋んのはキライじゃねえ。初心者には懇切丁寧に教えるし、常連にはくだらない話も、東京卍會の頃の話だってする。不良上がりの輩ふたりがやってる店だ、儲けより好きなことして食えればそれでいいの精神でしかない。
1960