【グレ場地×反社千冬】君の知らない物語 ① -I've seen you from many ang「ふぅ…」
とため息をつき、松野千冬は椅子の背もたれに背中を預け、窓の外を見た。
部屋の時計はてっぺんを越えており、深夜なのか明け方なのか曖昧な時間だった。窓の外はそこここに明かりがともり、渋谷の街は不夜城のごとく輝いていた。
「あれ?松野さんまだ居たんですか?」
部屋の扉が開き、武道のお気に入りの舎弟が顔を覗かせた。
「あぁ、書類が終わらなくって。」
デスクの上に積み重なった紙の山を見つめた。
「大変っスね。俺にはムリっスわ。松野さん意外とこういうの得意だったんっスね。」
と彼は言った。彼は東京卍會が暴走族だった頃からの舎弟だった。彼は書類をペラペラとめくっていた。
「おい、あんま見んな!まぁ、やんなきゃ仕方ねぇだろ。そういえばタケミっちは?」
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