アイドルパロのisrn俺は忘れない。
きらきらと光の粉が舞う、煌びやかなステージ。ネオンライトで総てを彩ってしまうスポットライト。スピーカーから流れる、心を弾ませてしまうメロディー。
ステージで踊る──Rinは果てしないアイドルだった。
一寸狂わないダンスパフォーマンス、鋭く観客を見据えるまなざし。そして何よりも心に響く、強い歌声。
Rinのステージを初めて見たとき、体の中が熱くなって、その熱が心臓に集まる感覚がした。どくどくと高まる鼓動と共に、全身に血が巡っていく。Rinと声と一緒に俺も口ずさむ。自然と体を動かしてRinの影を追って、ダンスのまねごとをする。だけれど、どんだけ踊ってもRinの動きには追いつけなくて、Rinが特別なアイドルだって知る。そして、それが幼い心に憧憬を見させるのだ。
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