Recent Search
    You can send more Emoji when you create an account.
    Sign Up, Sign In

    07tee_

    @07tee_

    ☆quiet follow Send AirSkeb request Yell with Emoji 💖 👍 🎉 😍
    POIPOI 20

    07tee_

    ☆quiet follow

    100パーセント妄想!!!!!
    一学年繰り上がりました。rnis♀でrn(高二)がisg♀(高三)と一緒にサッカーするために同じ学校に転校した、bllの無い世界線。
    息するように受けが女体化してるので注意。
    rnis♀喧嘩回。深刻な感じで喧嘩してる。次回で仲直り。
    生理表現有り。結構重たいのでご注意。

    #rnis
    #rnis♀

    凛と一緒(13) 潔世一は四歳の頃からずっとサッカーを続けていた。性差が現れていない頃は同年代の誰よりもサッカーが上手かった。成功体験は泣き虫だった潔に自信を与えた。うまくなるたび、ドリブルで抜くたび、蹴球が決まるたび自信がついて、もっとサッカーが好きになっていった。本来であったなら、小学校でサッカーを卒業する予定だった。潔の地域では中学生以上の女子サッカークラブは存在していなかったからだ。なので、中学生の頃は男子サッカー部に入部した。マネージャーではなく、一選手としてである。女子のくせにとせせら笑う上級生がいたなら、実力で打ち負かして黙らせた。争いごとは苦手であるが、サッカーが絡んでいたなら別だった。その頃の潔は埼玉一のエースストライカーであった。
     女子でもサッカーはやれるんだ。誰にも負けたくない。世界で一番強いストライカーになりたい。それから、やがて、W杯優勝。
     潔の夢は幼いころからずっと変わらない。女がなんだ。女だから弱いってことはない。もっと、もっと、これから先も、サッカーを続けていきたい、と、ずっと夢を追いかけていた。
     一難高校サッカー部に入部した後、潔は自分を追い詰めた。誰よりも早くに練習を始めて、誰よりも遅くまで練習を続けた…現実がゆっくりと近付いてきたからだ。
     生理が来るようになって、胸が出るようになって、筋肉ではなく脂肪がつきやすくなってきた…潔の身体は女に近づきつつあった。本来女性の身体は子を産み育てるようにできている。正反対に男性の身体は狩猟の時代狩りを担った名残があるため、女性よりも屈強で強靭にできている。昔は潔の方が強かったが、年齢を重ねていくと、差がゆっくりと開くようになっていったのである。至極当然の原理であるが、それは潔に焦りを生ませた。
     毎朝早朝に起きて誰よりも先に学校につき朝練に打ち込む。昼もサッカーのことばかり考えて授業そっちのけで戦略を思考する。一度だって部活を休んだことはなく誰よりも打ち込んで、練習終わりにラーメンを食べに行こうと誘う同輩に断りを入れて、自主練時間ぎりぎりまで居残り練習をする。カラオケに行こうと誘われても、コンビニに行こうと誘われても、潔はサッカーを優先した。勉学よりもサッカーの研究に集中し、休日も暇さえあれば近所の公園でサッカーをしている。本当はもっと同輩と遊びにいきたいし、友達と勉強会したいし、素敵な彼氏が欲しい、高校生らしい充実した時間を過ごしたい…という平凡な願望は抱いていたけれど、それよりもサッカーの方が大好きだったから、ストイックになっていた。
     それも――――糸師凛が来るまでのこと。
     凛が来たことで、一人で打ち込んでいたサッカーが一人ではなくなっていた。密かに憧れていた高校生らしい時間を持てるようになった。一人だった頃よりも、凛と一緒にいることで、何倍も楽しくなったのだ。
    ――――もしかしたらサッカーの神様からの罰かもしれない。そう思うようになったのは、凛と付き合うようになってから、半年が経過した頃であった。
     凛とそういう関係になって、初めてキスをしたのは一か月後のこと。キスよりも先の段階に至ったのは四か月後のこと。先の段階というのは、破瓜の瞬間――――潔の身体が女に作り替えられたことである。初めて身体を繋げた時から、身体の変化は始まっていた。
     これまでサッカーに費やしてきた多くの時間によって形成した潔の身体の芯に歪みが生まれた。
     破瓜を体験した一か月後、生理周期に突入した身体がいつもと違うと気付いた。いつもと同じ時間に起きるが、身体がひどく重かった。鉛のように重たくて、ベッドから這い上がれなかった。起きようとすると、前触れもなく激しい痛みが襲い掛かった。あまりにも痛すぎてベッドから転げ落ちて、しばらく動けなかった。母が心配して部屋を覗いて、ベッドではなく床の上で身体を丸めて痛みを訴える潔に、顔色を変えて慌てる始末であった。
     その日は学校を休むことにした。この調子ではサッカーもできないだろうと、部活も休む連絡を入れてもらった。
     布団にもぐって目を閉じても痛みは引かない。冷たい汗まで浮かんできて、内臓がぐるぐる回って、血の巡りが滞って、気持ちが悪くて仕方がない。薬が効果を発揮するのを待っていると、階段を踏みしめる音が耳に入った。母、ではない、母の体重ではこんな重い足音は出せない。もっと体重があって、体幹がしっかりして、筋肉がしなやかな…この音は、男性…父でもない…なら、考えられるのは一人。
     ドアがノックされずに開かれた…やはり両親ではない…両親は部屋に入る時は必ずノックをするから……入ってきたのは凛だった。
    「何してんだよ、お前」
     労わりが微塵も感じない言葉が飛んできた。お構いなしに入ると、潔が眠るベッドの脇に腰を下ろして、覗き込んできた。
    「顔色悪いぞ。風邪か?」
    「ちがう…」
    「腹痛えのか?」
    「うん…生理痛」
     凛が一瞬硬直した。それから気まずそうに顔を逸らして、背中を見せるように片膝を立てて座り込んだ。
    「朝練行かねえの?」
    「……お前の代わりに、お前の母親が出て、少しだけ見てほしいって」
    「母さんいねえの?」
    「町内の婦人会の集まり」
     では、母に言われて、朝練さぼらせてしまったということか。痛みも相まって気持ちが沈む。
    「ごめん…朝練さぼらせた」
    「一日ぐらいどうってことねえ。お前はさっさとそれ治せ」
    「うん…」
    「薬は?」
    「飲んだ…」
    「飯は?」
    「少しだけ…」
     今日の凛は、なんだか優しい。サッカーのことしか頭に無い男にしては、珍しく。普段は凛が潔に甘えてばかりなのだが。
    「凛…」
    「あ?」
    「手、握ってくんない?」
     凛がらしくないことをしてきたので、らしくないことを凛に求める。凛の眉間に皺が寄せられる。舌打ちを打ってから無造作に掌を差し出され、布団から覗かせた手で握った。
    「凛の手、冷たいな」
     皮膚が分厚くて、指が長くて、潔のよりも大きい手の心地に浸る。目を閉じていると、凛が動いた。断りもなく、潔のベッドにもぐりこもうと身体を押し込んできたのだ。
    「こら、勝手に入るな」
    「向こうに寄れ」
    「お前が入ってくると狭いんだよ。それに…いま、近づいてほしくないっていうか…絶対に匂うから…」
    「知るか」
     訴えるけどもそこで引いてくれる男ではないことを、潔はよく知っている。勝手に侵入してきた凛は、遠慮なしに、潔をぎゅうっと抱きしめた。
    「臭くない?」
    「別に」
     匂いを堪能しているらしく、潔の頭の上ですうっと息を深く吸って吐いてを繰り返している。こういう時はべたべたするのは控えてほしいが……服越しに伝わる凛の熱が、血の巡りの悪い身体に浸透して熱を上げてくれるので、存外に気持ちがいい。
     潔はいつの間にか眠っていた。凛も潔を抱き込んでいるうちに寝入ってしまった。
     結局、二人そろって一日学校をさぼることになった。
     潔の身体は、ゆっくりと悪い方向に傾いていた。
     三年生の潔は今年が最後のチャンス。すぐに全国大会の予選が始まる。新入部員も増えて、全国に向けての練習が始まった。
     誰よりも先に来て、誰よりも遅くまで練習する潔のスタイルは変わらない。が、日に日に身体が消耗していくのが感じ取れた。
     蹴球の切れが落ちた。足の振りに違和感を感じる。パスの威力が落ちてきている。視野の広い潔の強みの一つだったパスの精度が落ちて来たことにより、連携機能が低下した。監督の怒号が響く。うっせえ。内心で悪態をついてポジショニングに戻ろうとした時、腰の違和感が響いた。くっそ。舌打ちが漏れた。三日前に凛から求められて繋いだばかりだ。
     反対側のペナルティーエリアから感嘆の悲鳴が上がった。凛がシュートを決めたらしい。センターラインに近いところからのロングシュートが決まったところだ。スーパーミラクルとみんなが騒いでいる。
     くっそっ。怒りの咆哮が漏れないように奥歯を噛みしめた。潔は弱くなっているのに、凛は強くなっている。この差は一体何だ?
     弱くなっているのなら強くなればいい。それから潔はさらに打ち込んだ。家に帰ってもトレーニングをするようになり、休日もひたすら身体を鍛えた。自主練も周りの声が聞こえないぐらいに没頭するようになった。凛が声をかけるまでずっと打ち込み続けている。チームメイトが潔を視る目は不穏なものを視るそれだ。監督から呼び出されて、注意を受けた。お前の気持ちもよくわかるが、少し肩の力を抜いたらどうだ?
     思わず、うるせえ俺の勝手だ、と凛みたいな言葉が口から出かかった。すみませんでしたと謝って退室するも、胸中は苛立ちと怒りで渦巻いている。力抜いてる場合じゃねえんだよと叫びたい衝動に駆られる。渦巻く負の感情を練習で打ち込んだ。チームメイトが遠巻きにしている。
    「オイ、潔」
     見かねた凛が潔の肩を掴んだ。その瞬間、たまりに溜まった怒りが爆発した。力を込めて凛の手を薙ぎ払う。凛は思ってもみなかっただろう。驚いた表情で潔を見下ろしていた。
    「うるせえ…てめえには関係ねえよ」
     ぐつぐつと血が沸騰するのを感じた。凛を睨む潔の顔は、歪んでいた。凛を無視して戻ろうとするが、凛が許さない。二の腕を問答無用の力で引っ張られた。
    「こっちに来い」
    「離せ」
    「来いっつってんだろ」
    「離せ」
     喉元から激しい感情と共に鋭い声が飛び出した。凛の眉間に縦の線が走る。
    「言うこと聞かねえと犯すぞ」
     耳元で囁かれた声に、怒りがさらに激しさを増す。
    「やれるもんならやってみろよクソ野郎…っ」
     怒りに燃える潔に、凛の目の奥に同様の炎が立ち上がった。一瞬のにらみ合いの後、力強い手によって引きずられた。遠巻きに見ていたチームメイトがはらはらする中、凛は潔を連れてその場を後にする。向かったのは、潔専用の更衣室だ。潔以外使用しないそこのドアを力任せに開くと、中のベンチに潔を放り投げた。受け身を取れない潔の胸倉を掴んで、顔を引き寄せる凛の顔は氷のように冷たい。
    「いい加減にしろ、この馬鹿。何焦ってんだよ、クソが。焦ったところで何になる?テメエの性能が落ちてもいいのか?」
     凛に、心中を的中された。怒りが烈火のように激しく燃えた。
    「お前に何がわかんだよ離せ」
     潔も負けていない。拳を握って反撃に出た。肩と胸を殴り続け、拒絶するように両手で押し出した。凛は簡単に潔を離した。ベンチから転げ落ちた潔は、そのまま地べたの上で膝を抱えた。
    「……私には、時間がないんだよ…………“お前ら”と違って、“私”がサッカーできるのは、この一年しかねえんだよ……」
     プロになる登竜門は狭いが、女子はさらに狭い。才能があったとしても、女子サッカーのプロ入りはかなり厳しい。精々県大会止まりの高校サッカー部FWでしかないレベルでは、高校卒業した後もプロになれる可能性はゼロ…この一年で成果を見せなければ、大好きなサッカーを続けていくことも、子供の頃からの夢も、諦めなければならない。
    ――――サッカーで世界一になるという夢を、諦めなければ、ならない。
     あっち行けよ。放っておけよ。止まらない涙を隠しながら八つ当たる潔を、凛は見つめて離さない。その目は既に鎮火していた。
     ノックの音が割り込んで、控え目に覗いた監督が様子見に来た。潔、大丈夫か?中の状況を見て、ただ事ではないと冷や汗をかいている。凛が肩越しで監督を一瞥して、無言を返す。押し殺した潔の嗚咽だけが微かに響いていた。
     硬直した空気の中、凛が動く。ロッカーを無断で開けると、中に入っていた潔の荷物をまとめ始めた。
     潔。凛の手が、潔の右手をやんわりと引いた。
    「今日は帰るぞ」
    「やだ…」
    「練習どころじゃねえだろ」
     くいっと引っ張ると、潔は簡単に釣れた。そのまま状況を読み取れずに困惑する監督の脇を素通りする。次に連れて行かれたのは男子サッカー部部室だった。潔を連れて中に入ると、いきなり脱ぎだした。するりと脱いだ背中の肌に引っかき傷がある。それは潔が無我夢中で爪を立てた痕だった。しかし潔は泣きすぎてぼんやりとしていた為、無心の状態で凛が着替え終わるのを待っていた。
     帰り支度を終わらせた凛に手を引かれるがままにされると、何度も通い詰めた凛の寮部屋へと入った。なんで、という疑問は、直後に判明した。
     フローリングにヨガマットを敷いた凛は、そのまま潔を座らせた。
    「イデデデデデデデデデデデ」
    「身体の関節が硬いんだよ、お前」
    「痛い痛い痛い痛い痛い」
    「まずは関節を柔らかくしろ。そっから下半身の筋力を上げろ。クールダウンも忘れんな」
    「ギブギブギブだって凛まじで人間終わっちゃう」
     今までこんなに広げたことがないぐらいに股関節を広げさせられた上、力技でさらに押し広げられた。それだけでなく腰の筋肉も押され。腕、両足…全身くまなく蹂躙された。解放された直後、ひきずる痛みと軽くなった筋力に潔は泣いた。
    「今のを毎日毎晩風呂上りにしろ」
     ぐったりとヨガマットの上で屍のように倒れ伏す潔に、凛は無情に言い放つ。まじで何なのこいつ。流石の潔も恨みを募らせる。それから二人の間に会話は無いまま、潔家の前で解散した。いつもより早い帰宅に母は驚いていた。心配する母に何でもないよと誤魔化して、自室のベッドで寝そべった。悔しいことに、本当に悔しいことに、身体の筋肉がしなっている。緩和した身体の変調に比例して、段々と胸が重くなっていった。
    Tap to full screen .Repost is prohibited
    💖💖💖👏👏🙏❤❤❤😍💖👏🙏💴💯🍑🌋☺💞🙏💖💖🙏🙏💞💘😊
    Let's send reactions!
    Replies from the creator

    07tee_

    MEMO100パーセント妄想!!!!!
    一学年繰り上がりました。bllの無い世界線で同じ高校に通いながらサッカーをするrnis♀。
    息するように受けが女体化してるので注意。
    またもやse兄貴がめっちゃでしゃばる。se兄貴はきっとisg気が合うだろうなと想像しながら書いた。若干のキャラ崩壊あり。itsサンドのプリクラが切実に見たい。
    あとちょっとで終わります。
    凛と一緒(15) 五月のゴールデンウィークも部活はあるが、フルではない。偶には息抜きも必要ということで休暇が与えられている。休みの日はどちらかの家に入り浸るか、公園でサッカーするか、東京の街に繰り出すかだ。その日、凛と一緒に映画を見る計画を立てていた為、地元の映画館へ行くことになっている。筈だった。
    「で、お前ら何観に行くんだ?」
    「ピエロが出てきてめっちゃ襲ってくる映画だって」
    「趣味悪い。どうせそれ凛の趣向だろ?あいつに合わせてると甘える一方だぞ。嫌な時は嫌だってはっきり言え」
    「これでもホラーには慣れて来たところなんだよ、凛のお陰でさ。それに凛も楽しみにしてたんだし……な、凛!」
     潔は左隣に顔を向けて声をかけた。並列して歩く凛の顔はかなりの渋顔で、負の感情をまき散らしていた。
    5078

    07tee_

    MEMO100パーセント妄想!!!!!
    一学年繰り上がりました。rnis♀でrn(高二)がisg♀(高三)と一緒にサッカーするために一難学校に転校した、bllの無い世界線。
    息するように受けが女体化してるので注意。
    rnis♀仲直り回。se兄貴が仲介する。今後も喧嘩したする場合はse兄貴が武力介入することになる。se兄貴isg推しでこっそり狙ってる。
    凛と一緒(14) これまで凛と喧嘩したことは何度かあった。喧嘩といっても猫のじゃれ合い程度のもので…凛の暴言とか我が儘が原因によるものがほとんどで、苛立ちはするもの激怒する程でもないので受け流して終了させるのが定例だ。凛が謝ったのは、付き合うことになったあの一度だけである。今回ばかりはそうもいかなくなってしまった。
     ああああ。吹き溜める感情を吐き出そうとして声が漏れる。凛、完全に怒ってた。夕飯食べずに帰ってしまったし。どんな顔をして会えばいいんだか。ていうか、凛の怒りが消えてなかったらどうしよ。今回は潔に非があると認めざるを得ない。
     このまま気まずいまま、お互いに距離を空けて、自然消滅してしまったらどうしようか。いや、凛から捨てられるかもしれない。そんなことになったらどうしよう。サッカーはやってくれるかな。ここまでやっておいて、チームメイトに戻れるだろうか。無理な気がする。別の子と付き合い出したらどうしよ。何も考えたくない。考えたくないのに、嫌な想像ばかりが膨らんでしまう。
    6728

    related works

    07tee_

    MEMO100パーセント妄想!!!!!!!!
    isg♀(高二)と同じ学校に通うrn(高一)のrnis♀。kr君回前編。kr君をかませキャラにしてしまった。性格がかなりひどくなってる。kr君ファンの方ごめんなさい。kr君とisg♀が付き合ってる表現ありますが、kr→isg♀です。前提ではありません。
    凛と一緒(4) 今更ながらではあるが。凛はとてもモテる。顔が良くてサッカーも上手ければ、女子が黙っていないのも無理はない。前の学校でもモテていた筈だと潔は推理し、部活帰りの途中で、実際どうなんだよと尋ねたところ、本人は知らねえとばっさり切り捨てたけれども、絶対にモテてた筈だと仮定した。でもサッカー馬鹿の凛が多田ちゃんらのように彼女がほしいだのモテたいというだのの欲望を持ち合わせていないのを知っているので、モテていたという自覚が本人には無いんだろうと考察する。凛の頭の中は基本サッカーしかない。
     どうしてこのような話の流れになったかというと、全てはあの体育祭にある。あの後、凛の人気が急上昇したからだ。今一番モテる男は誰かと聞くと、間違いなく糸師凛である。あの奇跡的プレーが全学年女子の心を射抜いたのだ。潔もまたこれまでほとんど話したことのない女子生徒から話しかけられることが倍増した。ほとんどが凛との橋渡しだ。頼まれたら断ることのできない潔は凛宛のラブレターを手渡す役回りになっていた。凛は全て拒否したけれども。
    6404