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    hagi_pf

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    私が見たかったので書いた深憧(暗憧?)
    ※全てが捏造の幻覚、体の関係がある
    ※ウォさんがちょっと優位でみかげさんが脱いでるけど深憧

     身体を見せてほしい、などという頼み事を受ける日が来るなんて、誰が想像しただろう。
     静かな仮眠室のベッドの上、目の前でにこにこと微笑む憧希を前に、深影はどうしたものかと思案した。
     この美しい男は、普段はとても穏やかなのに、時折突拍子もなく予想だにしない言動を見せる。それが今回は、研究のために超能力者である深影の身体を見せてほしい、というリクエストだった。
     あなたが駄目なら成変さんにお願いします、などと言い出すものだから、慌てて止めた。あのマッドサイエンティストがどう対応してくるか、わかったものではなかったし、それはなんだか面白くなかったのだ。
     そうして結局首を縦に振るしかなくなった深影は、場所なんてどこでもいいだろうと仮眠室に憧希を連れてきた。内側から厳重に鍵を掛け、ベッドの上で互いに向き合って今に至る。
     研究室でなんて、本当に実験台にでもなったような気持ちになりそうだし、他人に見られたくもない。
     気まぐれな残りの研究メンバーは今日は姿をまだ見せていないが、彼らにうっかり目撃された日には、当分話のネタにされるだろう。
     何はともあれ、もう腹を括って、人に見つかる前に終わらせるしかない。
    「それで、どうしたらいいんだ?」
    「あなたはそのままで構いませんよ。では失礼します」
     腹を括ったはずだったが、憧希が好奇心に満ちた目で軍服に手をかけようとするものだから、深影は慌ててその手を掴んだ。
     憧希の手で脱がされるというのは、想定していない。
    「待て、それはいい。俺がやる」
    「そうですか、わかりました」
     特段こだわりもない様子の憧希は、それだけであっさりと引き下がった。
     深影はふう、と一つ息をついて、軍服の前を寛げていく。上半身裸の状態になって憧希を見るが、動き出す気配がない。
    「……まさか、下もなのか」
    「ええ、むしろそちらの方が本命です」
     下半身が本命とはどういうことなのか。
     さも当然のように頷いて、深影の準備が整うのを待ち続ける憧希に、引き下がるつもりはないだろう。彼の人となりはよくわかっている。
     諦めた深影は渋々ベルトに手をかけた。下着のみの状態になったところで、憧希が動き出したので、深影はここまででよかったと内心安堵する。
    「横になっていただけますか」
    「ああ」
     ベッドに仰向けに横たわると、憧希が深影に跨がるように乗り上げてくる。少々刺激的な光景だが、一旦そこは考えないことにした。
    「先日、あなたとセックスをしたでしょう?その時にふと疑問に思いまして」
     このタイミングでその話が出てくるのか、と思わなくもないが、深影は無言で続きを促す。
     憧希は深影の胸元にそろりと触れながら、再び口を開いた。
    「超能力者と無能力者は、構造上は同じつくりをしているのだと、先入観で思い込んでいたのです。ですがもしかすると、何かささやかな、けれど決定的な違いがあるのではないかと」
     細い指先がつう、と身体をなぞるように動く。肌の上を滑る微かな感覚が、少々くすぐったい。
    「私はこれまで、内的な機能や脳の働きの方に着目することが多かったのです。調べようにも、先行研究もそういったものの方が多く、すぐに答えを出すことができなくて。それに私はまだ、自分の目で確かめたわけではないですし」
     こういう時の憧希は、いつもの何倍も饒舌だ。日頃から口数の少ない深影は、よくこんなに喋れるものだと感心してしまう。
    「あなたが応じてくれてよかったです。あの時は行為の方に気を取られて、頭が真っ白になってしまいましたから。もう一度チャンスが欲しかったんです」
     するすると胸元から降りてきた手が、繊細な手つきで腹を撫でた。筋肉のつき方を確かめるかのように、腹筋の割れ目をなぞり、軽く押すような動きをする。
    「こうして改めて見ると、あなたは随分逞しいのですね」
    「それは鍛え方の差だろう。超能力の有無の違いじゃない」
    「鍛えているのですか?」
    「俺だって軍属だ。それに俺の能力は諜報には使い勝手がいいと、時折駆り出されることもある。少しは鍛えておかないと、何かあった時に対処できない」
    「それは初耳です。あなたが姿を見せない日があることは知っていたのですが」
     ふむ、と小さく声を上げた憧希は、一度深影の上から降りて、徐に自身の衣服を脱ぎ始めた。突然目の前で始まったストリップショーに、深影は狼狽える。
    「おい、何を……」
    「比較対象となるサンプルが必要かと思いまして。ここに無能力者のサンプルは私しかいませんから」
     あっという間に深影と同じように下着姿になった憧希は、再びの深影の上に乗り上げてくる。
     憧希は研究のためであれば、自分を実験台にすることも厭わないところがあった。おそらくは、今この状態が傍から見たらかなり際どい、ということにも気づいていないだろう。
     厳重に鍵を掛けておいて正解だった、と深影は胸を撫で下ろす。
     そんな深影の様子を気に留めることもなく、憧希は自身と見比べるように検証を再開した。
    「上半身に明らかな差異は見られませんね。やはり調査対象は足でしょうか」
    「足?」
    「超能力は先天的な要因が大きいですから、その能力の発現に関わりの深い部位に、何か秘密があるのではないかと。それに超能力を使うと、その部位に負荷がかかるでしょう?」
     足に狙いを定めたらしい憧希は、少しずつ後ろへと下がっていく。
    「あなたであれば、影を縫い止めるための足。成変さんだと手になるのでしょうか。能力の使用を続けることで、その部位だけが無能力者よりも発達している可能性も考えました」
     その説明を聞いて、深影はようやく先ほどの憧希の下半身が本命だという言葉の真意を理解した。
     一度足の外側のラインを撫でた憧希は、じっと観察をするように太ももの付け根の部分に顔を寄せる。
     それはさすがに絵面がまずいだろう。深影が焦る一方で、憧希はどこまでも研究者として調査を続けている。
    「視覚的な情報には、大きな差異は見られませんね。ですが筋肉量については検証する余地があるでしょう」
    「おい」
    「先天的か後天的かを調べるのであれば、生後間もない頃の超能力者のデータも欲しいところですね。あとは……」
     太ももに顔を寄せたまま、憧希は独り言を呟き続けている。
     足の筋肉が気になっているのだろう。何度も確かめるように触れては、よく聞き取れない声量で何かを検討している。
    「ウォーレン」
    「やはりここでは設備が足りませんね。不足分は後ほど研究室でデータを取得して……」
    「おい」
     何度か名前を呼んでみるが、すっかり思考に夢中になっている憧希は反応を返さない。憧希が足を撫でる度に伝わるもどかしい感覚が、正直なところ非常によろしくない。
    「ウォーレン」
     流石に耐えられなくなった深影は、何かを考え込みながら身体を起こした憧希の腕をぐい、と引き寄せ、そのまま唇を奪った。
    「っん、ぅ……」
     すかさず舌を滑り込ませて深く口づけてやると、憧希の目がぱちぱちと瞬いて、はっとしたような顔になる。
     それを確認した深影は、ゆっくりと憧希を解放した。
    「……今、とても良いところだったのですが」
    「それは悪いことをしたが、そろそろ戻ってきてもらわないと、こちらが困るんでな」
     深影の言葉の意味は通じなかったらしい。少し不満げな顔の憧希は、そうですか、と不思議そうに呟いた。
    「それに、協力した礼くらいもらってもいいだろう」
    「なるほど、それもそうですね」
     憧希はこくりと頷いて、深影の上から降りようとする。どうやら研究の方は、ある程度満足してくれたようだ。
     だが少し身動いた憧希は、突如ぴく、と肩を揺らして動きを止める。きょとんとした顔で深影の顔を見る憧希は、どうやら深影の下半身が若干反応を示していることに気づいてしまったらしい。
     こういう時だけやけに敏いのだから、困ったものだ。
    「……生理現象だ。あれだけ好き勝手触られたら、仕方がないだろう」
     憧希が何か言う前に、深影の方からそう言ってやる。なるほど、と納得したような顔をする憧希に、なんだかいたたまれない気持ちになった。
    「落ち着いたら俺も戻るから、先に研究室に戻っていてくれ」
     仮眠室から出そうとしても憧希は頷かず、何か考えるような素振りを見せる。それからすぐに、名案が浮かんだというように笑みを浮かべた。
    「……では、お礼の続きはこちらでいかがですか?」
     する、と細い指が膨らみを撫でて、目の前の美しい男が微笑む。
     その誘いに乗らないという選択肢は、深影の中にはなかった。だから深影は、再びその腕を引いて、彼を抱き寄せてしまう。
     間近で深影の顔を覗き込むその瞳は、いつものようにぞっとするほど純粋な好奇心に満ちていた。
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