混ざりたいほど、愛おしい暇なら来れば、と晃牙くんが言ったので俺はまんまとその言葉の通りに彼の住むアパートへ行った。だって、暇だったし。
「本当に来た」
玄関で俺を受け入れていつもと同じに俺のコートをハンガーに掛けながら晃牙くんは笑った。
「来ていいって言うから」
「言った。いいよ」
実家から遠く離れて暮らしている彼はてっきり長期休暇に入ったら帰省するのだと思っていた。だけど今回は年末に仕事が入り、アパートにいる方が現場から近いし何かと便利だからここで年を越すことにしたらしい。
「蕎麦食べるか?カップ麺だけど」
小さなワンルームの小さな台所の戸棚から晃牙くんがガサゴソと出してきて、こたつにいる俺に見せる。CMでよく目にする緑色のパッケージを見て、俺はうん、と頷いた。「食べたことない。美味しい?」
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