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    raindrops_scent

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    raindrops_scent

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    こっちのバージョンは無かったな、と思ったので…
    1がどこに行くかはまた考えるんですが、今回は後期研修で救命選択した、ってことにしておいてください(詳しいことはわかりません。調べてないですすみません!!)

     夜間の救命センターには、たくさんの人がやってくる。突然体調が悪くなった人や、日中にどうしてもくることができなかった人。飲み会で急性アルコール中毒になってしまった人だったり、気圧の変化がひどい時は、喘息の人がよくくる。満月の日には妊婦さんがよく運ばれてくるだとか、いろんなジンクスみたいなものがあったりする。
     そんな中、今日は特によく“引く”先輩との夜間担当で、待合室は人でごった返していた。
    「……はい、いいですよ。風邪をそのまま放置してしまった、とおっしゃっていましたね?」
    「はい……」
    「悪化して、肺炎になりかけています。ゆっくりと休んで、しっかり栄養のあるものを食べてください。今日はとりあえず点滴をして、後で処方箋を出すので、受け取って帰ってください」
    「ありがとうございました」
    「お大事に」
     草臥れたサラリーマン風のその人を送り出すと、一織は一つ大きなため息を吐いた。今のところ大きな傷病はないものの、いかんせん人数が多すぎる。たった二人で夜間の間に捌き切るのは無理ではなかろうか。次の患者さんが来るまで、と首を回すと、ごきごきと小気味良い音がする。その発信源が、自分の首からではなければ素直に笑えたのだろうが。
     はぁ、とため息を溢すと、一織の担当についていた看護師が苦笑いを浮かべた。
    「っ、すみません。優木さんも大変なのに」
    「いえ。和泉先生がため息つきたくなる気持ちもわかりますよ。それに、ここだけの話ですけど、和泉先生の担当、取り合いなんです。だから、謝らないでください」
     にこりと笑う優木は、次の患者さんがきますよ、と呆けた一織にしゃんとするように促す。決してスルーしてはいけない何かを聞いた気がするのに、次の患者さんが待っているだろうと、言及せずに問診票を預かる。
    「……え?」
    「次の方お呼びしますね」
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    zeppei27

    DONE企画2本目、うさりさんよりいただいたご指名の龍馬で、『匂いを嗅ぐ』です。龍馬は湯屋に行かないのでなんというか……濃そうだな、などと具体的に想像してしまいました。香水をつけていることもあり、変化を楽しめる相手だと思います。
     リクエストありがとうございました!
    聞香 千葉道場の帰り道は常に足取りが重い。それなりに鍛えている方だが、疲労は蓄積するものなのだと隠し刀は己の限界を実感していた。所詮は人の身である。男谷道場も講武館も、秘密の忍者屋敷もすいすいとこなしたところで、回を重ねれば疲れるのも道理だ。
     が、千葉道場は中でも格別であった。理由の一つは毎度千葉佐那が突撃してくることで、一度は勝負しないと承知してくれない。そうでもなければ、「私に会いに来てくださったのではないですか」などとしおらしい物言いをされるので弱ってしまう。健気な少女を健全に支えたつもりが、妙な逆ねじを食わされている形だ。
     佐那だけならばまだ良い。性懲りもなく絡んでくる清河八郎もまあ、どうにかなる。問題は最後の一つで、佐那が坂本龍馬と自分との手合わせを観たいとせがむところにあった。彼女は元々龍馬と浅からぬ因縁があり、ずるい男は逃げ回るばかりで年貢を納めようとしない。その癖、隠し刀の太刀筋が観たいだのなんだの言いながら道場までついてくる。佐那は龍馬と手合わせできないのであれば、二人が戦う様を観たいと譲歩してくれるというのが一連の流れだ。
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