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    kurage_neofi

    @kurage_neofi

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    kurage_neofi

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    直接的な表現は何もありませんが、体の関係を匂わす描写等があるのでポイピクで…。

    #笹仁
    sasahito

    ワンライ「間接キス」で笹仁。 その「事故」は、ネオンフィッシュのライブ後に稀に起こる。
    「喉、乾いた……」
     ステージが終わり、汗だくの笹塚が手を伸ばしたのは、ミネラルウォーターのペットボトル。楽屋の隅の仁科と笹塚の荷物と一緒に置かれていたものだ。
    「待った。それ俺の……」
     仁科はすぐに声をかけるが、時すでに遅し。笹塚は既に仁科のペットボトルに口をつけ、ごくごくと喉に水を流し込んでいた。
    「…………間違えた」
     笹塚は一通り飲み終えてからキャップに仁科の名前が書いてあることを認識したようだが、悪びれもせず、中身が半分になったそれを元の位置に戻した。
     ライブハウスで貰えるミネラルウォーターは当然種類が一緒なので、取り違えが発生しないようにそれぞれ目印をつけているが、糸が切れた人形のようになっているライブ後の笹塚は、ろくに確認せず目についたペットボトルに手を出してしまう。「事故」は毎回こうして起こるのであった。
    「いつも言ってるけど、ちゃんと確認しろって」
     思わずたしなめる口調になってしまった。小言の域は出ていないが、笹塚は明らかに不服そうに顔をしかめた。いくら仁科でもそんな態度を取られたら多少は頭にくる。マナー違反なのはそっちだろ、と。
    「何か言いたげだな」
     努めてフラットに訊いてみると、笹塚は「別に」とボソリと呟き、目線を逸らした。
    「何でそんなに気にするのかと思っただけだ。いつもそれ以上のことしてるのに」
    「なっ……!」
     それ以上のこと。
     周囲には公言していない、二人の秘めた関係による行為の数々を思い出して、仁科は途端に赤面する。それは確かに間接キスの比ではないが、だからと言って人のペットボトルを間違えて飲んでいい理由にはならない。
    「馬鹿言うなって。それはそれ、これはこれ」
     軽い咳払いをして、仁科は再度笹塚をたしなめた。
    「そんなもんか」
    「そんなもんだよ。ほら、さっさと荷物まとめな。車に運ぶから」
     笹塚はそれ以上反論することもなく、のそのそと身支度を始めた。
     一方の仁科はとんだ不意打ちに火照った顔を冷ますのに必死だ。
     笹塚と恋人同士になるまでは、仁科は他人を赤面をさせる側だった。誰にどんな甘い言葉を並べても感情が波立つことはなかったのに、この男には何気ない一言で完全に調子を狂わされる。
     いやでも、さっきのは普通にあり得ないだろ。何開き直ってんだよ。デリカシーの欠片もないし。
     心の中で悪態をつくことで、何とか平静を保とうとする。
     しかし、仁科は結局笹塚に甘い。
     ペットボトルの取り違えが本気で嫌なら、絶対笹塚の手に届かない場所にペットボトルを置くことなんて容易のはず。それをしていないということは、仁科だって「事故」の加担者なのだ。
     心拍数は未だ高い。この熱はライブ後の高揚感と混ざり合い、簡単には冷めそうになかった。
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    紫垣🐠

    DONE笹仁/星空のアクアリウムOP.2 展示作品
    本編前(ねつ造)
    笹塚くんが仁科くんの音に初めて出会った日の話

    『GRADATIONS』(5編連作)
    #1『Colored Notes』に続きます…!
    Colorless Color #0

     無色透明。透明な水のようなヴァイオリンの音色だと思った。色のない、とても澄んだ。滔々と流れていく水のような音色。
     まるで、アクアリウムの水槽を満たす水のようだ。色とりどりのライトで照らせば、無限に思い通りに色彩も雰囲気も変えられる水槽の水。
     透明な音。癖のない音。無限に表情を変えられる音。
     個性がないというのとは全く違う。高い技術の奏者にありがちな、変に主張めいた音色の出し方やこれみよがしな自我や癖がない。どこまでもクリアだった。
     音楽以外で例えるのならば、思い通りの色を思い通りに乗せられる上質なキャンバスだ。乗せたい色を損なわない。
     これが、自分がずっと求めていた音だと思った。

    **

     明け方まで一睡もせず集中して作曲を続けていたから、授業に出席はしたものの、朝からずっとやる気が起きずに、ほぼ眠りの世界にいた。それでもいったん学校へ出てきてしまった以上、睡眠のためだけに家へ戻るのも面倒くさくて、午後は校内の人目につかない場所へ移動しようと思いついた。
    2847

    紫垣🐠

    DONE笹仁/星空のアクアリウムOP.2 展示作品

    スタオケ加入後の二人のお話。ナチュラルに付き合ってます。
    ※コンミス出ます
    後日談は近日中に公開予定です。
    『GRADATIONS』
    #0「Colorless Color」から続いています。
    「like a FISH in water」に続きます。
    Colored Notes#1

    「コンミスが俺たち二人に用事ってなんだろうな」
     眠たげな眼で隣をのそりのそりと歩く笹塚に声を掛けると、眼鏡の奥が唐突に思い出したように、剣呑な目つきになった。
    「……むしろ俺はさっきの全体錬の時のカデンツァに対して、朝日奈に言いたいことたくさんあるけど」
    「あのな。それは一ノ瀬先生からも、まずパート練に持ち返るって話になったただろ。蒸し返さずに今はコンミスの話をよく聴けよ?」
    「善処はする」
     スターライトオーケストラに参加することを決めて、笹塚と共に札幌と横浜を行き来するようになって数か月がたち、短期間での長距離移動にもようやく慣れて、週末は横浜で過ごすことが当たり前になってきていた。土曜日の今日も朝から横浜入りをした後、木蓮館での合奏練習を終えて、菩提樹寮へと向かう所だ。首都圏での拠点がスタオケ加入と同時に自動的に確保されたのは、笹塚と俺にとっても有難い話だった。
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    紫垣🐠

    DONE笹仁/星空のアクアリウムOP.3 展示作品

    スタオケ加入後の二人のお話。ナチュラルに付き合ってます。
    ※R18はつけていないですが、行為が匂わされる表現があったり、甘めだったりするので苦手な方はご注意ください。

    『GRADATIONS』>#0「Colorless Color」#1,#2「Colored Notes」#3「like a FISH in water」から続いている連作です。
    One Identity#4

     素肌の背の下に敷かれた固いシーツに大きく皺が寄った。
     菩提樹寮の笹塚の部屋に備え付けられた簡素なベッドに両手首を押さえつけられ、半身で乗りかかられるような形で、もうどの位の時間が経ったのだろう。西日が射しこみ、夕暮れの赤い光が眩しく室内を満たす中、呼吸まで浚うような長いキスをずっと施され続けていた。
     覆いかぶさった熱。身長は俺と同じはずなのに、がっちりとした恵まれた体格を存分に生かし、その腕の中にいともたやすく全身を閉じ込められてしまう。
     二つの唇と舌が絡み合う湿った音と、せわしない息遣いだけが静まり返った部屋に響く。いくら人の気配が多くて騒がしい寮内とはいえ、声を出すことも、物音を立てることにも細心の注意を払わなければならないのに、ひとたびこうなってしまえばどちらも止めることができなくて、そのまま行為に及んでしまったことは、これまでにも何度かあった。
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