霊とか相談所(28)「ここから出た後……俺が『今だな』って思ったタイミングで伝える」
「おう」
「だから、今は向こうを向いて耳を塞いでいて欲しい」
そう告げると、エクボは白い壁ギリギリに腰をかけ耳を塞いでくれた。吐き出す息も熱を持ったように熱い。
瓶に書かれたラベルは『隠していた心を打ち明け、実行させる効果』。しかし、なにはともあれ中身は全部飲み干したのだから、時期にこの謎空間から脱出できるだろう。余計な事を口走らないようにと、霊幻は持っていたハンカチで猿轡を作る。フーフー言いながらズボンのファスナーを下ろせば、既に怒張したムスコが勢いよく飛び出してくる。
(一度出してしまえば楽になる筈)
霊幻はゆるゆると上下に手を動かす。薬の効果なのか、物凄く敏感になっているのがわかる。何もしていないというのに、後孔が濡れていく。
(まるで女になったみたいだな)
今なら、この場所でなら慣らす事無くエクボと繋がれるかもしれない。その誘惑に負けそうになるが、それよりも今はエクボの誠意に応えたい。
速く出して楽になろうと思うのに、絶頂はいつまでたっても訪れなかった。
(あ、コレ前だけじゃイけないやつだ)
こちらに背を向けているとはいえ、すぐ目の前にはエクボがいる。何かの拍子にこちらを振り向いてしまったら?親友の上司がケツに指を突っ込んでる姿を見たらどう思うだろうか。そんな事ぐらいではエクボが人を見下したりしない事はわかっている。でも、怖い。想いを告げる前に嫌われてしまったら……
(馬鹿!馬鹿馬鹿馬鹿馬鹿!!)
霊幻は心の中で自分を叱咤する。元々悪霊と人間の恋なんて望みの薄い物に縋ろうとしてるんだ、これぐらいの障害乗り越えられなくてどうする。そう、腹を括り、霊幻は――