友と呼べば逆に成立する桃作11/10
いい友の日
「いい友!と言ったら!」
「すごく聞き覚えのある番組名」
「ちっちっち、それがちがうんだなあ。それ以外で!」
「えぇー? 全然わかりませんけど」
「なんでだよ!そこは『ぼくたちのことだね!』って言うところだろ!」
「全部自分で言ったな」
「おかしい!名作はこういう時照れながら乗ってくれるのに!」
「どーの名作の話だ」
「それで『いい友って言ったら親友だよね! そうだスウィーツ、挙式しよう!』って言ってくれるはず!!」
「それ昨日のスウィーツでした〜!!」
「もっもっも、そうでした」
「油断も隙もないなこいつ」
「でもほら今日はまだ言ってないから」
「スウィーツ待ってよ、そんなのもう言ったようなもんだしここ教室! 教室だから!!」
「いやもう遅いわ」
「毎日それやってるよな」
「このクソバカップルが…」
「むすび口悪いな! カップルってまさかぼくらのこと!?」
「あ!!めーさくうわきだ!!」
「ツッコミを浮気に換算するな! スウィーツがそんなんだからカップル呼ばわりされちゃうんだよ!」
「オイオイ名作、スウィーツの何が嫌なんだよ…特上寿司」
「ぼそっとやめて。嫌とかじゃなくてさぁ…」
「自分に素直になれよ、な?」
「この上なくなっとるわ」
「名作くん、自分に素直になるですよ…」
「その感じ出すならせめてコメント変えよ!?」
「もっもっも、名作はモテモテだな〜!」
「いや…」
「うん…」
「別に…」
「肯定して欲しいわけじゃ全然ないけど傷付く!」
「よーしぼくも負けないぞー!」
「誰も勝とうとしてないですよ」
「なんならスウィーツの方を狙ってるしな」
「えっ!?」
「「「『えっ!?』」」」
「へーえ? あんだけ色々言っときながら?」
「スウィーツはぼくのもの、ってかぁ〜?」
「スウィーツ目を覚ませ! 名作くんは財産目当てです!」
「ちがうよ!? あ」
「ちがうんだねぇ〜……。じゃあ何めあてなんだー!?」
「金目当てに慣れすぎてる! …そのぉ、目当てって言うかぁ……」
「言っちまえ言っちまえー!」
「歯切れが悪いぞー!」
「これ以上スウィーツの好感度を上げて何を貢がせる気だー!」
「野次は黙れ!? …あー、だからその、『いい友!と言ったら、ぼくたちのことだね』…?」
「言ったー!!」
「あのふつうが服を着て歩いてる名作くんが!」
「でも遠回しにもほどがあるだろ。あのスウィーツに通用するわけ…」
「こ、これは紛れもなく…ぼくの名作だー!!」
「「「通用したー!」」」
「やったーー!! もうあれだ!! あれしかない!! 名作!! ぼくと!! 挙式してくれるかなー!?」
「「「いいともー!」」」
「これやりたかっただけのやつ!!」
めでたし めでたし