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    Gray_reign_

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    アタアダでオメガバース書きたかったけど、書けない。
    こんな感じのお話落ちてないかな……
    この前の続きも書きたいところ。

    巣作り「なぁ、最近、オレの服がよく行方不明になるんだけど知らないか?」

    時々、同じように服が何着か紛失してしまうという事態があったものの、ゲーム機の類が失くなることはなかったから、目を瞑っていた。だが、こうも頻繁に繰り返されるようであるのなら、さすがにほっておくわけにもいかない。それに加え、今回失くなったのは普段着ている赤色のTシャツである。代えがあるからいいのではあるが、人の着ていたものがほしいとは一体どんな理由なのだろうかと興味心が芽生え始める。そこで、推理ゲームでもするように、とりあえず聞き込みをしてみることにし、手始めに共有スペースで寛いでいた死神に問いかけたのだった。

    「おッ、アタリくんじゃん。ンぁ、お前の服だぁ?知らねェな、そんなもん。どこにお前の、あのダサTを欲しいやつがいるッてんだよ。単純に部屋が片付いてないだけなんじャねぇの?」
    「んなワケねーだろ、サーティーン。ここ最近のオレの部屋はすげぇキレイにしてんだぜ。それにダサくもねーよ、カッコいいだろうが」

    軽くディスられては、むきになってしまい言い返す。と同時にやはり知らないかと思っては、一応御礼を一言告げてから、次のヒーローに同じ質問をしにいった。
    その後も、たくさんのヒーローに質問を繰り返したが、返ってくる返答のほとんどは同じで、皆知らないようであった。

    「…残るは、アダムだけだな。さすがに犯人ではねーだろうけど……」

    騎士団長である彼が人の物を盗むはずがないと感じつつ、彼の部屋へと足を運ぶ。
    色々と思考を巡らしているうちに部屋の扉の前までついては、軽くノックを3度ならす。
    だが、彼が出てくる気配は感じられない。寝ているのだろうか、なんて感じては、部屋の様子を伺うように少し扉に耳を当ててみる。

    「……ん、ぅ……ぁたり」

    微かに聞こえた声は寝言というよりは、呻き声、はたまた喘ぎ声に近いようであるが、なんだか少し寂しさを交えていた気がした。ダメなことだとは承知しているがどうしても気になってしまい、ゆっくりと扉を開けてみると、彼にしては珍しくどうやら鍵を掛け忘れていたようで、扉は案外すんなりと開いた。
    部屋に入ると最初に、ふわりと甘い香りが鼻を刺激する。これは…確か、Ωのフェロモンだったような気がする。てっきりαだと思っていたアダムはΩだったのだろうか?なんて考えつつも、視線は知らず知らずのうちに彼の姿を探す。
    ベッドの上で、こんもりと小さく服でできた膨らみを見つけ、自然とそちらへ足を運ぶ。
    どれも見たことのある、失くしたはずの自分の服であった。

    「…おーい、アダム?」

    そこから少し覗いていた銀髪の頭を柔くふわりと撫でつつ、声をかける。

    「…ッあ、アタリ…殿!こ、これは…その、違うくて……」

    やはり気づいていなかったようで、彼は、ビクりと肩を震わせ、驚いた表情を浮かべ乍服で作った巣から此方をみては、慌てた様子で顔を背け言葉を綴る。

    「む、その殿ってつけるのやめろよな。さっきみたいに、アタリでいいって。…んで、一つ聞くけど、アダムはΩってことでいいんだよな?」
    「さっき?…っ、まさか、聞いて……ぅ、そうですけど…」

    聞かれていたのが恥ずかしかったようで、頬を紅くする様子見ては、思わず愛しく感じつつも、確かめるように問いかけると隠せないことは悟っていたようで、渋々といった様子ではあったが、こくりと頷いては肯定する。
    成程、つまり自分の服が失くなっていたのは、彼が巣作りのためにかき集めていたというわけか。すべての謎が解けてはすっきりしたと同時になんで、気づいてあげられなかったのだろうかという、申し訳なさが込み上げてくる。

    「ごめんな、オレ、気づいてやれなくて…アダムがオレのこと好きだったなんて、思ってもいなくて……」

    怒られるとでも思っていたのか、若干身構えていた彼の肩の力が抜けたのがよくわかった。

    「…だって、バレないようにしていたんですから、そんなこといいんですよ。俺はアタリが好きですが、貴方が俺を好きじゃないのは知っています…」

    好きじゃないのは知っている、か。好きか好きじゃないか、と問われれば好きである。恋愛はどうかわからないが、今分かっているのは自分のことを思いながら、巣作りをする彼のことが愛おしくてたまらないということだ。これは好きという気持ちなのだろうか?

    「オレがお前を好きじゃないって、いつ言ったんだよ?オレはアダムが好きだ。オレのこと思って、キレイに巣作りとかしてくれてるの知って、手放せるワケがねーじャん。」

    決めつけられたことに少し腹が立ち、勢い任せで告白をしてしまった。またもや、信じられないといったように目を見開き吃驚している彼に、追い討ちをかけるようにその唇に口付けた。
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