紅色を引いた唇「トウマは、
この場は不釣り合いだよ。」
パーティー会場の片隅、
人気があまりないスペースで
いつもより辛辣な壮五の言葉が
俺を突き刺す。
「不釣り合いか…。
言われるまでもないな…。」
酒がある席のため、
トラと俺が駆り出されはしたが…
俺に談笑を伴う駆け引きができる訳もなく、
壁の花と化しているのだから
『不釣り合い』という壮五の言葉もごもっともだと思う。
「ごめん…言い直すよ。
トウマに、この場は荷が重いんじゃないかな?
御堂さんがいらっしゃるから、
わざわざ君が来るとは思っていなかったんだ…。」
メイクも紅色が映え、
ラベンダー色の、
足元にスリットが入った普段より心許ないドレスを着ている
今日の壮五の装いを見ると、
今日は壮五的に言う。
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