黒い双眸のお前2桃太郎の独白
鬼灯さんの助言の通り,桃太郎と白澤は閻魔庁の医務室で出張薬局として働いていた。
この提案を眠りから目を覚ました白澤様に行ったときにまさか,賛同してくれるとは思わなかった。
(あの時は,本当に槍が降るのではと思ったな・・・・)
普段の白澤ならば,いやだなんだと駄々をこねると思ったのだが,まさか鬼灯さんと離れるのが嫌だからとあっさり了承をしてしまったのだ。
その時の様子といったら,鬼灯様と俺で白澤様の額の熱を測ったり,カレンダーを見たりなどしたものである。
まあ,閻魔殿に来たのには別の理由もある。
これは鬼灯様が言っていたことだ。
『閻魔殿にいる獄卒,まあそこには鬼女の方も含むのですが,あそこにいる人たちは優秀な方が多いですし,色ごとにうつつを抜かすくらいならば仕事をしないと間に合わないというぐらい仕事で忙しいです。あの白豚が遊んでと誘わない限り寄り付くことは無いでしょう。まあ,居たらその場で教育しますが。』
という不穏な言葉をおっしゃっていたが,つまりだ
『基本、天国の住人達は穢れを嫌います。仙女なんてもっての外。故に隠れるなら地獄が最適でしょう。そして、閻魔殿で白豚の女嫌いをどうにかすることができればと思いまして。まあ,女性を見て神気を飛ばさないようにするのが,まず目下の目標ですね。慣れてきたら次の策を考えましょう。』
そう,鬼灯さんから告げられたその日から俺たちは閻魔殿へと仮引っ越しをした。
すでに閻魔様に事情を話していたのか部屋を使うことを了承していただいた。
『二人とも大変だったね。ここで少しでも療養しなさい』
あの人,なんで亡者の裁判何てやってるのだろうと問いたくなるくらい優しくしてくれて俺やおそらく白澤様も泣きそうになった。というか,俺は泣いた。
それから,数週間たちもうすぐで閻魔殿に来て1か月が立とうとしていた。
桃源郷のお店を臨時休業していることは,すでに白澤様自身が他の瑞獣の方々に連絡したようで,大丈夫だろうと白澤様は言っていた。
ここ1か月で,白澤様の顔色はよくなり,隈も薄くなった。
まだ,悪夢を見るのか,悪夢を見て目を覚ました時は,借りている部屋から出て鬼灯様の部屋へと行く。
もう一度言おう。あの鬼灯さんの部屋に行くのだ。
ほんとに,数か月前まであんなに喧嘩して仲が悪いとあの世中に知られていたのが嘘のように,白澤様は鬼灯さんについて回るのだ。
そう,雛鳥の如く。
あれは,閻魔殿に来て数日たった夜のことだ。あの日の行動は嘘だったかのように白澤様はいつも通り行動していて,鬼灯さんに会っても普通に対応して(なお,喧嘩などはなかった。もうこの時点でどうしたと聞きたくなるが)地獄に来て桃源郷のお店で起こった白澤様ご乱心事件は夢なのではと俺の中で完結しようとしたと思っていたその夜。
のどが渇き目を覚ますと隣にいるはずの白澤様がおらず,その直後パタンと扉の閉まる音が聞こえた。おそらく白澤様がどこかに行ったのだろうと思った桃太郎は,先日のこともあってか少し心配になり,白澤様の後をつけた。
そして,つけた結果鬼灯様の屁にたどり着いたのだ。
その後は野暮だと思って気づかれないようその場を去ったが,あの白澤様ご乱心事件は夢ではないということがありありとわかったことだった。
その次の日から,白澤様は手の空いた時間の間,鬼灯さんのところへと行っている。
あの部屋で何をしているのかは,正直心配ではない。あの鬼灯さんだ。白澤様が泣いたとき,慈愛を向けるような顔をしながら頭を撫でていたあの鬼灯さんだ。
内心,今回の件俺は鬼灯さんがどうにかしてくれると思っている。
何なら,あの人が白澤様の番に選ばれたって俺は驚かないだろう。
(鬼灯さんはわからないけど,白澤様のあれは無自覚に近いだろうし・・・)
心の中で思いながら,今はあの人の下へと言っている上司を思いながら,昼食へ向かう桃太郎だった。
白澤の独白
女の子は柔らかくて、僕の寂しい心を埋めてくれる存在。唯一の白澤であるからこそ、僕は僕の心の寂しさを埋めてくれる唯一を作る気はなかった。
だって、みんな僕を置いて逝ってしまうから。
だから、天帝のお許しをいただいて番を作ることが認められた。
僕は嬉しかったんだ。これで置いて逝かれない。
共に人生を過ごしてくれる人ができるって。
でも、それは相手にとって有限の時から無限の時へと人生を変えてしまう行為でもある。
だから、浮かれながらも番を決めるのはしっかりと相手の意思も確認してから行おうと思ってた。
数日、数週間たって女の子たちが僕の店にやってきた。そのほとんどが番になりたいと望む子達だった。僕は嬉しかった。こんなにも沢山の女の子が僕と共に過ごしたいと思っていることに……
だけど、それは全部まやかしだって気がついたのはすぐだった。
2人から5人5人から10人と人数が増えて行く度に、なぜ選んでくれないのか。私の方がふさわしい。と女の子たちは次々に言うようになって言った。
そこに僕の愛情は無いことに気づくのは早かった。
みんながみんな、目にしているのは僕ではなく。僕の背後にある神獣というステータスと圧倒的な神力しか見ていないことに。
だから、次第に女の子たちの向ける目が怖くなった。
普段見ない夢にまで出てきて、ちゃんと眠られる時間も少なくなっていった。
しまいには、小指の贈り物。
ここまでの狂気に、僕は番なんていらないと本気で思ってしまうくらいには憔悴していた。
女の子達からの向けられる視線に耐えきれなくなって、次第に女の子を見たら神気が暴走仕掛けるようになった。
そしてあの日、耐えきれなくなって僕は神気を爆発させてしまった。
気がつけばベッドの中にいて、外は夜に差し掛かっていた。
「白澤様起きたんですか!?」
部屋の外に出れば桃タロー君がいて、僕が眠る前のことの詳細を聞いた。
正直僕はほっとしたのと、あの鬼女に仮を作ってしまったことに関して少しなんとも言えない感情になった。
「ところで、いい匂いするんだけど何?」
「あ!鬼灯さんが帰る前にお粥作ってくれたんですよ。」
「お粥……」
「白澤様……無理かもしれませんけど、少しでも食事はした方が……」
桃タローくんは、贈り物の中に食べ物もあったから心配しているのだろう。だけど、何故か、部屋にいい匂いを醸し出しているあのお粥だけは大丈夫だと思えた。
「いや、大丈夫食べるよ。」
「!俺お皿に持ってきます!」
ことんと、目の前に置かれたお粥は湯気を立て美味しい出汁の匂いを香らせている。
白澤は手持ちのスプーンを持ち1口掬う。
あの常闇鬼神のことだから、なにか仕掛けているかもしれないと思ったが、女の子達から贈られてきたものに比べれば、何故か恐怖はわかなかった。
まぁ、別の意味で心配はしたが……
意を決して1口食べれば、普通に美味しいお粥だった。食べやすいように出汁で炊いているからかスルスルと食べることが出来て、しばらく何も食べてなかった胃に優しかった。
「美味しい!さすが鬼灯さんですね!」
桃タローくんも1口食べて美味しい美味しいと手を動かして口に運んでいる。
「ほんと…… 可口的(美味しい)」
久しぶりに、優しさを感じることができたと思った。
そこから2日は、平和な時を過ごした。
女の子たちも店に来ることなく、贈り物もなかった。これもあの男女鬼神のおかげかと思うと本当になんとも言えない気持ちになった。
しかしこれはその次の日の前触れの短い平和だった。
2日間だけ女の子達が店に来なかったことで、少し心の余裕が出来たのか熟睡はできなかったが、今まで3時間のしかできなかった睡眠が4時間まで寝れたのはとてもよかった。
それ故に、部屋の侵入者に気が付かなかった。
体の上に重いものが乗っているように感じて目が覚めたら、そこには上半身が少しはだけた女の子がいた。
前の僕だったら喜ばしい場面だったろう。
でも、今の僕はそうじゃない。ただでさえ、女の子が近くにいるだけで怖くて、情緒が不安定になって下手をしてしまえば神気を女の子にぶつけてしまうかもしれない状況なのだ。
『白澤さまぁ〜、私に御奉仕を〜』
女の子が何かを言いながら、体を滑らせるように触る。
もう、それだけでどこか吐き気を催して体から熱が逃げていくのを感じた。
(早く、早くこの子をどけないと、神気が……)
ふと、目の前の子と目が合う。その目は扇情的に感じるものの、瞳の奥は真っ暗何も移していない。
(あぁ、この子も……"僕"を見てくれない)
まるで黒い鉛筆で黒く塗りつぶされたような瞳がこちらを向いている。もうそれだけで恐怖だった。
(やだ、もうヤダッ!)
あともう少しで神気を飛ばしそうになった時
「何してるんだあんた!」
桃タロー君があの子を引き剥がしてくれて少し安心できたのもつかの間。無理やり引き剥がされたあの子は桃タロー君に襲いかかろうとした。
(ダメッ!!)
そう思った僕は乱れた精神のせいで女の子に神気を放った。
神気に当てられた子は部屋の外へと吹っ飛び奥で盛大な音を鳴らした。
でも、僕にはそんなことを考える余裕もなくて、あの子に襲われて桃タロー君も襲われそうになって心身ともにストレスが急ピッチで溜まったことによる過呼吸を起こしてしまっていた。
過呼吸が落ち着いたあとはしばらくベットの上で布団を被りながら震えていた。
あの暗い瞳が怖い、女の子が怖い、もう誰を信じていいのだろう。そう自暴自棄になっていた時に部屋に誰かが入ってきたのがわかった。
そして、被っている布団を剥ぎ取られた。
「ヒッ!」
「落ち着きい、私ですよ」
そのアルトの声と、黒い双眸を見て僕は心の中から綺麗だと思った。
ほかの女の子たちとは違うまるで瑪瑙のような瞳。
しっかりと、僕を見ている目。
その目を向けるのが、仲の悪いあの女の鬼神だけども僕は、僕自身を見てくれて嬉しかったんだ。
だから、その目線が僕から外れて扉へ向こうとしたのが少し寂しくて、アイツの着物の裾を掴んでしまった。
(何、やってるんだろう……)
心の中ではそう思った。相手は、あの常闇の鬼神だ。いつも喧嘩をしているあの男女だ。
なのに、何故かアイツが僕を見てくれないと少し寂しい……いや、何故かものすごく嫌だった。
でも、咄嗟に着物を掴んだから何を話していいのか分からなくて、いや頭の中ではわかっていたけどアイツが僕を見ていることに嬉しくて、自分の行動に恥ずかしくなって、僕は何だかさっきまで見ていて欲しいと思っていた黒い双眸と目を合わせるのが急に恥ずかしくなった。
しばらく、の間着物を掴んでいたら、手が払われた。
「え……?」
払われた次の瞬間には天井。そして体には布団をかけられた。
アイツは早く寝ろと言う。
そして、また部屋へと出ていこうとする。
それが嫌で嫌で……今度こそ着物を掴んで僕はあいつに言った。
「行かないで……」
ここにいてと、行かないでと願った。
あいつも女だけど他の女の子とは違う。
僕を対等に見てくれる。神獣だからと言って僕自身を見ない訳でもない。
ほかの女の子たちと違っていいよって来ることもない。
どこか理不尽だけど……優しい鬼
何故か、とてもとても安心できると、この前作ってくれたお粥を食べた時から僕はこいつの前だと安心できるとそう思った。
「ここにいますから、早く寝なさい」
ほら、こいつは優しい。
僕はまどろむ意識の中、最後の最後まで黒い双眸を見ていた。
目を閉じれば、何時もの悪夢が始まった。でも悪夢はすぐに変わって目の前に鬼灯が現れた。
その目は僕をちゃんと見てくれていつもの様な会話という名の喧嘩を繰り広げた。
恐怖は消えた。ただただこの日常が今じゃ楽しいと思えた。
けれど、急に場面は変わって鬼灯の背後しか見えなかった。
どこに行く?
問いかけても鬼灯は返事をしない。ただただ鬼灯の背が遠ざかっていく。
しまいには、普段の着物が床に落ちまるで亡者が着る死装束になった。
僕は着物を拾って鬼灯を追いかける。
嫌だ!行かないで!
目から涙がこぼれそうになった。
呼びかけてもあの黒い双眸はこちらを向いてくれない。
いやだ、いやだ!!逝くな!鬼灯ッ!!
あと少しで、鬼灯の手に届きそうな時またシーンが変わり見たことがある天井と伸ばされた自分の手だった。けれど違うのは手に持っている鬼灯の着物。
僕は怖くなって部屋を飛び出る。そこには、お茶を飲んでいる緋襦袢の上に白衣が肩に掛けている状態の鬼灯がいて、僕は思わず抱きついた。
そこからは、ただただ鬼灯に頭を撫でられて、鬼灯の血と煙管と少しの薬草の匂いが混ざった匂いを少し嗅いで僕はようやっと鬼灯がここにいることに安心することが出来た。
そこからの夢はもう覚えていない。
ふと寝苦しさに、気がついたら僕は何故か鬼灯の太腿を枕に腰に抱きついて立ち膝状態で寝ていた。
「あ、起きました?」
「!?」
何をしているのか分からなくて僕は勢いよく後ずさる。え、僕いつの間に移動したの?!
理由を聞こうとしたけど絶対恥ずかしいことしかしてない気がして聞くのをやめた……
まさか、夢と現実が混合していたなんて言えるはずがなかった。
その後は、鬼灯が僕たちに閻魔殿へ1次避難しないかと提案を持ちかけられた。
「うん、いいよ。それになんか鬼灯と離れるの嫌だし。」
僕はすぐに了承して、行く準備を整えた。
実際に、鬼灯と離れるのは何故か嫌だったのだ。
寝てた時に見た夢のせいかな?
了承をしたことに、桃タロー君や鬼灯は目を見開いて僕の額を触ったり、カレンダーを見たりしてたけど僕は本当のことしか言ってないのに。
それからは,地獄で過ごした。
最初は,鬼女の獄卒を見た時は桃タロー君の後ろに隠れたり,鬼灯の後ろに隠れたりしたけど,何故だか彼女たちは僕を見ると逆に青ざめて,悲鳴を上げながら去っていくんだ。だから,僕に近づく女の子はいない。
今の僕にとってはありがたいことだからいいのだけど,一体あの子たちには何があったんだろうか。まあ,知らないことが良いこともあるだろう。
そんな僕は,それ以上に悩んでいることがあった。
あれから,鬼灯がいなくなる夢を見るようになった。
夢の内容はいつも同じで,鬼灯が亡者と同じ死装束をきて僕を見ることなく遠ざかっていく夢。
夢から目が覚めるたびに,僕は寝るのが怖くなって僕の目を使って鬼灯の様子を見て,安心してから寝るという繰り返しを三日くらいは続けた。
けど,三日でその行為は不安を煽らせるだけとなった。
アイツは,仕事が忙しいのか僕が寝ている時間帯でも起きて仕事をしているのだ。
僕が三日で確認しても寝ている所なんて見たこと無かった。それがいけなかったのだと思う。
いつも通り悪夢を見て,飛び起きて鬼灯を確認すれば,起きて仕事をしていて。
こいつはいつ寝てるのか,このままじゃ本当に鬼灯は死んじゃうんじゃないのか。
何て思ってしまったら僕はなおのこと怖くなって,鬼灯の部屋に行った。
鬼灯の部屋をノックすれば,彼女は眠そうな目で扉を開けた。
「なんですか,女性の部屋をしかも深夜にノックするなんて,さすが駄獣ですね。」
「・・・寝てる?」
鬼灯の目の下には大きな黒い隈が出来ていた。
「これから,寝るんですよ。早く寝てしまいなさい。おじいちゃん。」
普段の僕ならこんなとき言い返すのだろうけど,今の僕はそうじゃなかった。
「嘘だ。まだ仕事する気だろ?」
「なんで・・・ああ,ここ三日視線を感じたのは貴方でしたか・・・」
鬼灯は怒りを露わにし,目の前の淫獣をどう呵責しようか考えていたんだろう。
しかし,次の瞬間には驚いたような顔をしていた。
理由は,僕が泣いたからだろう。
「いやだ,ほおずき、これ以上仕事しちゃ死んじゃうっ・・・・」
そんなのやだ~!!!!
「ちょ!白澤さんしずかに!!あぁ,もう!!!」
と僕は夜中のにも関わらず大声で泣いた。そのことに驚いた鬼灯は慌てて僕を部屋に入れてベッドに座らせたのだった。
「で,なんで急に私が死ぬって発想に至ったんですか?」
鬼灯は呆れながらも僕に問いかける。僕は,夢の話を鬼灯にした。
「あなたねぇ,私が今まで三徹四徹していることぐらい知っているでしょう
なんで急に・・・」
「だってぇ・・・!いなくなるのはもう嫌なの・・・!」
「!」
そうだ,もう大好きな子がいなくなるのが嫌なのだ。昔知り合った妖怪も,仙女の友達もみんなみんないなくなる。
目の前にいる鬼もいついなくなるかわからない。明日?それとも千年後?そんな恐怖は夢の中でたくさんなのだ。
だから,鬼灯には無理をしてほしくない。ちゃんと寝てほしい。
死にそうになる原因を遠ざけたい。
「もう,いやなんだよ・・・グスっ」
「はあ・・・・とりあえず,その涙止めなさい。」
「・・・無理。」
「チッ,・・・・だったらどうやったら止まりますか?」
鬼灯にそう聞かれて僕は桃源郷の店でやった失態を思い出した。
「・・・ん!」
僕は鬼灯に向かって手を伸ばす
「なんですか?」
「・・・いっしょにねよう?」
「・・・いいでしょう」
鬼灯は白澤に近づく,その近づいた鬼灯を僕は抱きしめて,そのままベットに横に倒れた。
そうして,僕と鬼灯が一緒のベットで寝るという図が完成した。
僕は,鬼灯の腰に抱きつき腕に感じる鬼灯のぬくもりと,あの香りを堪能した。
「いいですか?今日だけですからね?」
「うん」
あぁ,鬼灯の香りだ。鬼灯のぬくもりが目の前にある。あの夢のように寒く冷えていない。どこにも行かないように僕は鬼灯を抱く手に力を入れる。
「ほーずき」
「ここにいますよ。」
「・・・やくそくね・・・」
意識がすれる中頭が撫でられるような感覚があったのは気のせいではないと思った。
「わかりましたよ。・・・白澤さん・・・おやすみなさい」
その言葉と同時に僕の意識は閉じた。
それからというもの,僕は悪夢を見るたびに鬼灯の部屋へと足を運んだ。