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    たかはら

    文字書きます。大体進捗置き場。

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    たかはら

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    進捗その2。昨日の続きなので変な所から始まりますー!

    #魔道祖師
    GrandmasterOfDemonicCultivation
    #忘羨
    WangXian

    魏嬰が小さくなる話 その間にまた眠気がやって来たのか、羨羨は髪を触られている間に船を漕いでいた。
     朝餉を用意するためにそっと静室を出る。藍忘機が重箱を持って戻って来た時も座ったまま眠っていた。
    「起きなさい。朝餉だ」
    「むー……」
     まだ半分寝たままの羨羨の口元に料理を持って行くと、目は瞑ったまま器用に咀嚼する。食べさせてやりながら藍忘機も食事を取る。甲斐甲斐しいその姿は雛に餌を与える親鳥のよう。
     食べ終わる頃には目覚めているかと思いきや、未だ羨羨は夢の中にいた。小さな唇が弧を描く。どんな楽しい夢を見ているのだろう。
     小さくなってしまったのは不可抗力ではあるが、一時とは言え辛い記憶を忘れられるなら。ふと、そう思ってしまった。例え彼自身が望まずとも。
     忘却は何も罪ではない。忘れなければ、人は生きていけないのだから。せめて今だけは何も知らぬ幼子でいて欲しかった。
     起こさぬように食器を片付け、静室の扉を開けたその時だ。藍忘機の傍を小さな影が駆け抜けて行く。
    「らんじゃん!しぇんしぇんをおっかけるの」
     今しがたまで寝ていたはずの羨羨だ。止める間も無くぴゅー、っと静室から飛び出して行く。とは言え、藍忘機の脚力を持ってすれば追い付くのは容易い。いくら素早くとも相手は三歳だ。問題は追い付いたその後である。
     修士であることを抜きにしても藍忘機の力は半端でない。避塵で戦う時でさえ三割程度手加減しているのだ。手加減する術は幼少の頃より身についているものの、幼子を捕まえるのは少しばかり躊躇われた。それが魏無羨なら尚更だった。
     よって藍忘機は羨羨の望み通り、彼を追いかける形になる。
    「羨羨、待ちなさい」
    「やー!らんじゃんとおいかけっこするの!」
     走る含光君などと言う一生に一度見られるかさえ分からない光景を見た子弟らは、ぽかんと口を開けている。中には自分が起きているのか確かめようと頰を抓る者もいた。
     羨羨を追いかける藍忘機の視界に藍思追と藍景儀の姿が入る。
    「思追、羨羨……ではなく魏嬰を」
    「魏先輩ですか?この子が?」
     礼をしかけた藍思追は、幼子の正体を聞いて目を丸くしている。とその時、跳び上がった羨羨の膝が上手い具合に藍景儀の鳩尾に直撃した。勢いがついていたためか、結構な衝撃だったのだろう。膝をついて悶絶する。彼に蹴りを食らわせた本人は、藍景儀を見てきょとんとしていた。
    「景儀!大丈夫?」
    「……食べた朝餉を戻しそう」
    「捕まえた」
    「きゃーつかまった!」
     後ろから腕を回して捕まえて、そのまま抱き上げてやる。羨羨はきゃっきゃっ言いながら、自分から藍忘機にしがみついて来た。
     抱き上げられたことで目線が随分高くなったためか、きょろきょろと辺りを見回している。見るからに好奇心を抑えられない様子で、その瞳は興奮のためかきらきらと輝いていた。
    「大人しくしなさい」
    「あい!」
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