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    pagupagu14

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    pagupagu14

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    ゆびきりげんまん/愛忠
    DK忠と中学生愛之介の話。忠の文化祭にお忍び&内緒で遊びに行く愛之介の話。愛之介が幼い頃ブラックコーヒー飲めなくて練習して現在飲めるようになったっていう設定で書いてます。両片思いの無自覚イチャイチャのつもりで書いてますが愛(→)忠気味です

    #愛忠
    aizhong

    ゆびきりげんまん 愛忠

     「いらっしゃい…ま、せ――」
    ぱちぱち、と瞬きをして。幻覚、はたまた夢ではないだろうかと思い目を擦る。けれど忠の視界にはあの広大な海を思わせる見事な青色が揺らめいて、柘榴を思わせる真紅色が真っ直ぐ忠を見つめていた。
    「ご主人様、は言わないのか?忠」
    「……愛之介、様」
    どうしてという言葉は乾いた忠の口の中で消え、満足げに楽しそうに愛之介は口角を上げ笑みを浮かべた。
    ***
     「愛之介様、どうしてここに…私の学校の文化祭などに――」
    愛之介を席まで案内した忠はそうやって困惑の言葉を投げるがくすくすと愛之介は楽しそうに笑う。
    「前に、忠の部屋で見つけたんだよ。お前の部屋に行った時に」
    「ああ…成程」
    「お前が僕に渡すような素振りを見せるなら良かったんだけど最後の最後まで何も言ってこなかったから拝借した。悪かったよ、興味があったんだ」
    「いえ、別にかまいませんが…」
    よかった、と言って花が咲いたように愛之介は笑う。
    「でも喫茶店なんてすごいな。」
    「…愛之介様が普段食べているものと比べると質は下がったものにはなりますが」
    「そんなもの分かってるよ。なあ、忠のオススメは?昼ご飯まだなんだよ」
    「…食べるおつもりですか?」
    「うん。…だめ?」
    甘えるような仕草に「うっ…」と忠は呻き声を上げた後大きく息を吐いた。
    「…仕方がありませんね。旦那様たちにはないしょですよ?」
    「分かってるって!忠と僕との秘密だな。なあ、忠も一緒に食べようよ、休憩…とかあるんじゃないのか?」
    「…それは、そう…ですが」
    チラ、とクラスメイトの方を見れば親指を立てて了承が得られまた息を吐いた。
    「わかりました。お供します」
    「やった。じゃあ、オススメは?」
    「…オススメ、ですか。そうですね、昼食ならばオムライスとかいかがでしょう」
    「…忠がケチャップで文字を書いてくれる?」
    「…またどこで覚えたんですか、そんなこと」
    「忠は何か頼むの?」
    「そうですね…飲み物とパンケーキでも頼みましょうか。愛之介様、私はコーヒーにしますが愛之介様はどうされますか?」
    「僕も同じでいいよ。」
    「かしこまりました。では、注文を伝えてきますので」
    「わかった!」
    ひらひら、と手を振る愛之介にお辞儀をすると忠はカーテンの奥の調理場の方へと向かい、注文を伝えるのだった。愛之介との関係を尋ねられるのは避けようもないことではあったが――
    ***
     「愛之介様、お待たせしました。こちらがオムライスです。コーヒーはいつもの通り砂糖とミルク入りで構いませんか?」
    「うん、ありがとう忠」
    「いえ…」
    そうしていると愛之介に座るように促され渋々忠は愛之介の正面の席に座った。
    「…『あいのすけ様』だなんて無難だな、忠。『LOVE』とでも書いてくれてもよかったのに」
    「…書きませんよ、そんな恐れ多い…」
    「ちぇ~」
    頬を膨らませながら愛之介はオムライスを口に運ぼうとしてやめ、忠の方にオムライスを掬ったスプーンを向けた
    「え、えっと…?」
    「あーん、忠」
    「ええっ…」
    「いいだろ別に。それに従者たるもの毒見くらい必要だと思わないか?」
    「…かしこまりました」
    そう言って忠は愛之介に食べさせられるがままオムライスを口に含む。
    「美味しいか?」
    「ええ、私は美味しいと感じます」
    その言葉に満足げに愛之介は笑うとオムライスを口に含むのだった。忠はパンケーキを食べながら何も入れていない、ブラックコーヒーを飲む。
    「なあ、忠」
    「はい?」
    「…それ、美味しい?」
    「コーヒーのことですか?」
    「ああ。僕は砂糖とミルク入れないと飲めないのに…なんか、ずるい」
    「ふふ、愛之介様も大人になれば飲めるようになりますよ。」
    「本当?」
    「ええ」
    にこにこと忠は笑う。
    「…ちょっと、飲ませて」
    「ええ、構いませんよ」
    そっとコーヒーカップを渡すと口をつけ一口愛之介は飲んで、顔を歪めた。
    「苦い…」
    「ふふ、ふふふ…」
    「子供扱いして…」
    「そんなことはありませんよ」
    「じゃあ、なんて思ってる?」
    「…可愛らしいと」
    「ほら、やっぱり子供扱いしてるじゃないか!」
    むっと顔を顰める愛之介にまた忠は笑う。忠の学校であるのに忠は忘れ、屈託なく素直な笑みを浮かべ、愛之介も同じように忠にだけ向けられる年相応の笑顔を向けた。それは忠のクラスメイトな異様に映るのだが、これがある種愛之介にとっての牽制であることは、忠は未だ気づかないことであった――。
    ***
     学校から帰り、私服へと着替えようとしていた忠だったがそこに小さくノックが鳴らされる。
    「はい」
    そう言って扉を開けるとそこには愛之介が立っていた。
    「愛之介様…」
    「ごめん、疲れてるだろうけど話が…したくって。」
    「構いませんよ。どうぞ」
    そう言って中へ案内すると嬉しそうに愛之介は笑った。普段は一番上まできっちりとボタンを閉めている忠が着替え途中だから少しだけはだけさせていて、それが思春期である愛之介の気持ちをドキリと高鳴らせる。
    「…忠、今日は色々案内してくれてありがとう。迷惑、だったとは思うけど」
    「そんなことありませんよ。愛之介様が私の通う学校にいるのは新鮮でしたし、嬉しかったです」
    「…そっか。あのさ、文化祭ってどれもあんな感じなのか?その、高校のって」
    「他の学校事情は知りませんが、確かに高校になるとクオリティーが上がるのは確かだと思います。きっと愛之介様も高校に上がられたらあんなことをすると思いますよ」
    「ふぅん…なあ、その時は忠…僕の学校の文化祭に、クラスに来てくれる?」
    少し甘えたような口ぶりの愛之介に忠は笑う。
    「ええ。将来、愛之介様との時間や一人の時間が作れるかは分かりませんが、頑張って時間を捻出して愛之介様の文化祭、クラスの出し物――見に行きますよ」
    「本当!?」
    「ええ、嘘は言いませんよ」
    「じゃあ、約束!ほら、小指出して」
    「ふふ、はい」
    子供だからこその約束をする時の決まり文句、歌を歌う。
    ゆーびきりげーんまん、うそついたらはりせんぼん、のーます、ゆびきった!
    極めて物騒な歌ではあるが忠に幼い頃教えられた愛之介にとってこの歌は約束をする時の決まり文句、約束を象徴するような歌となっていた。
    「その日が楽しみです」
    「忠をあっと驚かせてやるからな!」
    覚悟していろ!と言う愛之介に楽しそうに忠は笑う。そのちょっぴり遠い未来を夢見ながら――
    -Fin-
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    pagupagu14

    DONEchocolate Kiss/愛忠
    幼少期の愛忠→最終回後くっついてる愛忠のVDの話。
    季節外れですが思いついたので。ネタは鮮度が大事!忠視点は脳内セリフが煩くしやすくていかに愛之介様を好きか書けるから楽しいね
    chocolate Kiss  愛忠
     「忠、それ何食べているの?」
    水の入っていないプールの傍で甘ったるそうな匂いをさせているものを食べている忠に声を掛けると嬉しそうな顔で僕の名を呼ぶ忠。僕はその顔が一等好きだった。
    「チョコレート菓子ですよ」
    「チョコレート…」
    「ええ。今日はバレンタインデーなので本命のついでだとは思うのですが、皆さんよくくれるんですよ」
    忠はそう言っているが僕は知っていた。明らかにそのチョコレート菓子の山の中に明らかな本命が混じっていることを。この量のチョコレート菓子は普通ではまずもらうことのない量だと言うことを。救いなのは当の本人である忠がその気持ちに気づいていないということだった。
    「あ、愛之介様も食べますか?」
    「え、僕…?」
    「はい。手作りとかはさすがに食べさせられないんですがこういう市販のものとかなら…」
    「…いい、いらない」
    「そうですか?わかりました」
    不思議そうな顔をしてお菓子を食べるのを再開させる忠の袖を摘まむ。
    「愛之介様?」
    「なんか…それ、やだな…僕」
    「ええっと…嫌、とは?」
    「忠が…誰かにもらったお菓子食べてるの嫌だ…」
    特に今日もら 2807

    pagupagu14

    DONE蛇の誘惑/愛忠
    暦をダシにイチャつく愛忠。ヤキモチを妬く愛之介様のお話です。強かな受けが好き
    蛇の誘惑 愛忠

     愛之介用の軽食は忠お手製のサンドイッチでSの後に食べてもらうことにしよう。当の本人はスノーとのビーフに夢中だし、と言うわけで忠は一人その光景を見つめながらファーストフード店とハンバーガーに齧り付いていた。たまに、こう言った安っぽい味が無性に食べたくなるのだ。こう言う価値観はきっと愛之介に理解されないと知っているからこうやって忠は目を盗んで食べていたのだがそれに近づく存在、暦がいた。
    「美味そうなの食べてるな」
    「…君か」
    はぁ…ため息を吐くと暦は何なんだよ!と声を上げる。
    「君もスノーが取られて暇なのか」
    「いや…そういうわけじゃ、いや…そう、なのか?」
    「私が知るか」
    そう言いながら忠は食い入るようにモニター越しに愛之介を見つめる。
    「…あんた、ほんと愛抱夢のこと好きなんだな」
    「当たり前だ」
    顔色ひとつ変えずさも当然のように忠は返す。
    「私にとって愛抱夢様は唯一無二に等しく、人間にとっての酸素と同じだ。愛抱夢様がいなければ息をすることなど出来ず私は死んでしまうだろう」
    熱烈な愛の告白を淡々と紡ぐ忠に若干引き気味の暦に楽しそうに忠は笑う。
    「君には分からないでいい 1675

    pagupagu14

    DONEあなたの犬ですが?/愛忠
    頭のネジがぶっとんだ忠が書きたかったのでゾンビ蔓延る世界で忠が運転する車で逃げる愛忠+ジョー+チェリーです。愛忠要素は限りなく0に近いですが書いてる私が愛忠オタクなので愛忠です。言うて若干愛忠ですが。従者が銃器ぶっぱなして平然として若干引かれてるのが好きなんだよな~~~~~性癖です
    あなたの犬ですが? 愛忠
     「愛之介様、舌を嚙まないように気をつけてください。後、どこか捕まっていてくださいシートベルトもしっかりと」
    「た、忠…?」
    冷静な秘書の言葉に動揺を隠せない愛之介。それは後部座席にいる虎次郎と薫も同じことだった。しかし、走る車の後ろからゆっくりとした速度ではあるが大量のゾンビが追ってきている。逃げ場がないことは重々承知だった。
    「――振り切ります」
    忠、と呼ぼうとした声は忠が懐から取り出したものの重大さによって引っ込んでしまう。
    窓を開けると忠は口で栓を抜き、手榴弾を後ろへと投げた。すると車の後ろからは大きな爆風と苦しむようなゾンビの声が。
    えっ、ええっ!!??と、慌てふためく虎次郎の声などお構いなしだった。
    乱暴な運転。普段からは想像がつかないながらも愛之介の隣の忠は顔色一つ変えていなかった。
    「た、忠!横!」
    「?…ああ」
    運転席の方にへばりついてくるゾンビを見て忠は恐ろしいほどに表情一つ変えなかった。空いた窓から顔を覗かせるゾンビの口内に銃を手にした忠は見向きをしないままドスン、ドスンと撃っていく。
    ァガ……と気味の悪い声を上げながら沈んでいくゾンビに 1163

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