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    pagupagu14

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    幸せの蜂蜜トースト/五凛(獄スト)
    最近テレビで見た分厚いトーストにめっちゃ蜂蜜かかってる一人では食べきれそうなやつ、獄ストの地獄のものの設定なら凛一人でも食べきれそう!という妄想から。4分の1くらいなら私でも食べれそうなんだけどなぁ…

    #天獄ストラグル
    tengokuStruggle
    #五凛
    #獄スト
    prisonStrike

    幸せの蜂蜜トースト幸せの蜂蜜トースト
     「お嬢、頑張ってるか?」
    「五右衛門!」
    妖鬼楼での仕事中、お昼のピークを少し過ぎた頃にひょっこりと彼、石川五右衛門は姿を見せた。
    「どうして…」
    「お嬢、もう少しで上がりだろ?一緒に昼食でもどうかと思って」
    「…そう、いいわね」
    「仕事はもう少し?」
    「ええ」
    「なら待ってる」
    先に食べてくれていいのに、と続けようとした言葉を遮るようにのの先生が間に割って入る。
    「閻魔さん、もう上がっていいですよ。お昼のピークも過ぎましたし」
    「え」
    「お七の変わり、非常に助かりました。石川くんといっしょに食べていきなさい」
    「あ、ありがとうございます!」
    深くお辞儀をすると私は退勤手続きをし、そそくさと着替えるのだった。
    ***
     「ごめんなさい、待たせたわよね」
    「いいや、全然?」
    そう言って五右衛門は向かいの席に着いた私の髪に触れた。
    「?」
    「いや、似合ってたのになと思ってな」
    そう言いながら弄んでいたかと思えば髪先に口付けをする。
    「し、仕事着ですから…というか、そんなに気に入ったの?」
    「可愛かったしな」
    「……似たようなものならデートの時に着てあげなくもないわ」
    「…本当か!?」
    「獄卒に二言はありません!」
    「なら楽しみにしてるよ」
    そう言って髪から手を離すと五右衛門はメニューを開く。
    「なに頼む?」
    「そうね、まず飲み物はコーヒー。それと…、」
    とページをめくっていたところでずっと食べたかったものに目が止まる。
    「私はこれにするわ」
    ***
     「注文の『ハニートースト』です」
    「わぁ…」「おぉ…」
    注文が届くと私も五右衛門も思わず声を漏らす。分厚いトーストにたっぷりの蜂蜜、バニラアイスも乗っかっていて普通の女の子なら一人で食べれる量ではないが私は地獄の者で人よりもよく食べる。だからこそ頼める、それは嬉しい事実だった。
    「すごいなそれ…」
    「ずっと食べてみたかったのよ、五右衛門。あなたのおかげよ!…あなたはカレーライス?」
    「ああ、誉那が褒めてたんでな」
    五右衛門の前に置かれたカレーライスは誉那が好むのはわかるほどスパイスの香りがした。
    「さてと、じゃあ…いただきます」
    「いただきます」
    ぱちんと手を合わせると私は紙紐で高く一本に髪を結った。
    「え、凛…その髪…」
    「髪に蜂蜜がついたら大変でしょ」
    「そ、そうだな?」
    五右衛門が少し動揺しているのを気にしつつ私は一口、トーストにかぶりついた。
    「!!」
    甘くて、美味しくて、幸せで、幸せすぎて頬が緩んでしまうほどだった。半分くらい食べたところでふとじっと五右衛門が私の方を見ているのに気づき首を傾げる。
    「な、なに?」
    「いや、幸せだなって」
    「へ?」
    「あんたが俺のそばにいて、無謀に笑顔を晒して…笑ってる。その幸せを噛み締めてた」
    「そんなの…誰にも見せてる訳じゃない」
    「知ってる。あんた、警戒心は強いもんな」
    「そ、そうよ!」
    「だから、嬉しいよ」
    「っ、」
    「もう少し見ててもいい?」
    「…勝手にして、」
    「うん、勝手にする」
    カレーを食べながらそう言ってこっちを見つめる。居た堪れないのと、私も見たい気持ちが混ざり合って私はトーストを食べながらちらちらと五右衛門の様子を窺うのだった。
    ***
     「あー、美味かったな」
    「ええ、本当…また食べたいくらい」
    「お嬢、幸せそうだったもんな」
    「だ、だって本当に…すごく、美味しかったのよ!?」
    「分かってる分かってる」
    本当に分かってるのかしら、と睨んでみると突然手を握られた。
    「!」
    「お嬢、午後は空いてるんだろ?」
    「ええ、五右衛門もよね」
    「ああ、だから…地獄やしきでデートでもどうですか?」
    「…いいわ、付き合ってあげる」
    「恐悦至極」
    そんな小芝居をした後笑い合って歩き出す。私は手を引かれながらもそっと手を握り返した。
    -了-
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