この笑顔を見るためにホリデーシーズンのドロップシップはいつもよりにぎやかだ。色鮮やかなスキンを身に纏ったレジェンド達も、心なしか浮き足立っているように見える。それもそのはず、今日はクリスマス・イブ。この後の試合が終われば、年末年始の休暇がはじまるのだ。
「サンタクロースの存在を何歳まで信じていた?」
もみの木に住む小人のような装いのワットソンの問いに、共有スペースのソファで寛いでいた面々は、思わずコースティックを見た。個人スペースでコーヒーを啜っている彼はこの時期、サンタクロースのような出立ちでゲームに参加している。ガスのおじさんからサンタのおじさんにジョブチェンジした彼は、この時期だけは子供たちに人気で、特にウィンターエクスプレスでは大活躍している。主催の自分より目立たれてミラージュとしては複雑な気持ちだ。俺だってくるみ割り人形そっくりで子供ウケしそうなキュートでファンシーなスキンなのに!そう嘆いたら、白タイツがな、と恋人に難しい顔をされた。
3740