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    表に出すにはアレな絵と息抜きの文章たち。
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    MOURNINGプ、12歳まで孤児で路上生活してたなら、食べ物を大事にしそうだよね、という話(両片思いだけどほぼミ→プなミラプト)
    つまり、満場一致ってこと?誰にでもミスはある。それは完璧なレジェンド、ミラージュことエリオット・ウィットとて例外ではない。例えば朝食のサニーサイドアップを焦がしてしまうとか。歯磨き粉と洗顔フォームを間違えて口に含んでしまうとか。ドロップシップの搭乗時間を勘違いして危うく遅刻しかけてしまうとか。
    「君が寝坊なんて珍しいね。明日は雨でも降るのかな?」
    「雨どころか槍が降るかも知れないよ〜早起きのウィットが寝てて、いつも寝坊するアタシが起きてるんだから〜!」
    だから寝坊じゃないんだって!そう反論する気さえ起きず、悪意のないパスファインダーと悪意しかないランパートに迎えられてミラージュは出航時間ギリギリにドロップシップに駆け込んだ。個人スペースのソファにどっかりと腰を下ろせば、同僚たちの物珍しげな視線がチクチクと肌に刺さる。注目されるのは好きだが、こういう注目のされ方は好きじゃない。鬱陶しいその感覚に無視を決め込んで、手にしていた大手コンビニエンスストアのレジ袋の中からサンドイッチを取り出してため息をひとつ。透明なフィルムに覆われたそれは、いつもなら買わないものだ。具も少なく生地もパサついたコンビニエンスストアのサンドイッチなど、料理好きのミラージュの口に合うはずがない。それでも朝食はしっかり摂らなければならないというポリシーが、家で朝食を炭に変えてしまったミラージュに常ならぬ選択をさせたのだった。
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    MOURNING「ただいま。」「気付いているか?」「俺は騙されたりしない。」の指定台詞3つでミラプト企画話
    purgatorium「ただいま。」
    帰宅を知らせるミラージュの声とチリチリと玄関のタイルが擦れる音。耳を擽る愛らしいその音は次第に激しさを増して、慌てたようにミラージュが声を上げる。
    「おい、待て!お前らその足で家の中に入るんじゃない!」
    一体今日はどんな有り様なのか。小さく笑ったクリプトはラップトップを閉じて書斎から玄関に向かう。ペタペタと裸足の足音を廊下に響かせながら途中の洗面所でタオルを二、三枚拾って行けば案の定、脚を真っ黒に汚した二匹の獣が飼い主の静止を振り切らんと暴れていた。
    「今日はまた一段とはしゃいで来たんだな。」
    ステイ、と一声。クリプトが手の平を見せて短く、しかし鋭く発すれば、たちまち二匹の獣は従順な犬に戻って大人しくなった。本来賢いはずのゴールデンレトリバーとダックスフンドだ。正しくコマンドを出せば指示に従ってくれるものなのだが、いかんせんミラージュは彼らに舐められている節がある。同じように犬たちに接しているはずなのになぜなのか。犬を飼うにあたり二人でいろいろ調べた時に見た情報と照らし合わせてもその理由は謎のままだ。
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    MOURNINGプ、猫に好かれそうだし、ミ、猫に嫌われそうだよね、という話(ミラプト、付き合う前)
    猫なんてそんなもの猫がいる。大小複数のモニターの明かりが青白く照らし、蛍光色の付箋がそこかしこに貼られ、配線が蛇のように床を這うサイバージャングルの奥、ひっそりと構えられたささやかなベッドの上に、猫がいるのだ。
    ミラージュはぱちくりと目を瞬かせた。見間違いではない。本来動物などいるはずのないドロップシップの、それもよりにもよってギークでナードな同僚の個人スペースに、赤茶色の毛の塊がいる。茶トラと呼ばれる柄だろうか。ふこふこと呼吸に合わせて上下する被毛は、日の光の届かない薄暗いスペースで乱雑に置かれた枕やブランケットと同化していて、パッと見では気が付かなかった。
    「立ち入りを許可した覚えはないぞ。」
    チクリと刺すような声にそろりそろりと抜き足差し足で近付いていたミラージュの体がビクリと止まる。思わず誤魔化すような笑みを作って声の主を見るも、彼はこちらに背を向けたままモニターに向かってキーボードを叩いていた。背中に目でもついてんのか。刈り上げられた丸い後頭部を凝視していると、その後ろで充電コードに繋がれながらもキュルリとレンズを動かす彼のドローンと目が合った。背中どころか空に目を放っちまうヤツだった。壁に目あり障子にも目あり。なんなら床にも天井にも目があるかも知れない。
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    MOURNINGミ、韓国語面白がりそうだよね、という話(ミラプト、付き合う前)
    素なんてそう簡単に見せてやるものかパラダイスラウンジのカウンターの隅の席、クリプトの指定席になりつつあるそこに、赤い皿が並ぶのはこれで3回目だ。1回目はチリソースたっぷりのタコス。2回目はスパイスの効いたガパオライス。回を追う毎に赤味を増してく皿が、今日は遂に真っ赤になった。
    「や、やんにょ…ん?」
    「양념치킨.」
    「それそれ!」
    ヤンニョムチキン、鶏の唐揚げに辛味噌を絡めた故郷の料理。真っ赤に染まった手羽元と付け合わせの大根のピクルス。夢にまで見た定番の組み合わせに、まさかこんな異郷の地で出会えるとは。
    「やっぱお前の求める辛さってのはこういう辛さなんだろ?散々迷走したけど、ようやく辿り着いたぜ!」
    タコスもガパオライス美味しかったし、その旨も伝えていたのだが、長年客を見てきた料理人は手応えに満足しなかったようで。一度で終わるはずだったこの会が、気が付けば三度目だ。今日こそは、と意気込んで出されたメニューはまさに三度目の正直と言うに相応しく、クリプトは思わず喉を鳴らしてしまった。食に関してあまりいい思い出のない幼少時代を過ごしたが、それでも故郷の味は遺伝子に刻み込まれているようで、ツンと鼻を刺激する懐かしい香りに弥が上にも期待が高まる。
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