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    お付き合いしている雷コウin一人暮らしをしている年下彼氏の部屋。

    #雷コウ
    ##ハンセム

    微睡む白(雷コウ) 中途半端に閉じられたカーテンの隙間から僅かに朝日が差し込む。我ながらよく眠れた方だと思いながら確認した端末は午前五時を示す。グレー色の、まだ薄暗い部屋のシングルベッドに男二人。狭いベッドで床に落ちたら困るとぴったり寄り添ったまま眠って、目の前に見えるのは昨夜自分を抱いていた男の体。
     一番寒い季節は超えたもののまだ朝晩は肌寒い。それなのに面倒だからとパンツだけ履いて布団をかぶって眠りに落ちた男は当然のことながら朝になっても裸のまま。起き抜けでまだ霞がかかったままの頭で目の前の体を見つめた。持って生まれた体格とほどよくつけられた筋肉、こうであればよかったなと思うものをこの男は持っている。
     ぺた、ぺたと掌で胸に触れる。規則正しい寝息に合わせてそこも上下に揺れていた。衣服によって日に焼けないそこは生来の肌の白さがよく目立つ。ぺたり、ぺたりと触れる箇所を下におろして、胸の下からお腹のあたりのでこぼこをなぞる。うっすらと割れている腹筋は、敦豪にも付き合ってもらい筋トレまでしたコウにはどうしても手に入らなかったものだ。
     ん、と鼻にかかる声。体に触れた刺激で長い下睫毛をパチパチとさせながら男が目を覚ます。目覚めたものの朝に弱い男の眼は未だぼんやりと焦点を定めない。ただ何かが自分の体に触れている、触れているのは昨日抱いて寝た男なのだということだけを理解はできたようだった。
    「……なに?ヤりてぇの?」
     君の体が羨ましくて触れていた、なんて正直に言うつもりもなかったけれど、そんな斜め上の方向に思考が飛んでいくとは思ってもみなかった。そうじゃない、と口を開こうとしたコウを男はそのまま強い力で胸元に抱きしめる。体格差のせいですっぽりと腕の中に納まってしまうのが非常に悔しい。
    「まだ、ねみぃから……あと、で……」
     もぞもぞと言葉にならない言葉を何かつぶやいてまた男は眠りに落ちていく。捕らえられた腕の力は強く逃げ出すのは無理ではないけれど困難だ。
     じゃあ自分もこのまま二度寝をしてしまおうか、なんてそんなことができたのならば不眠症はとっくの昔に治っている。完全に冴えてしまった目と完全に眠りに戻ってしまった目の前の男。
     この男が目覚めたら抱かれるのだろうか、そんなことを考えながら身動きの取れない時間を過ごす。少しだけ期待している自分がいて、腕が自由になるのならば頭を抱えてしまいたい気分だった。
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