あなた色の宝石「美ツ騎さん、今日はおうちで過ごしましょう」
朝食を食べている時、希佐にそう言われた。今日は珍しく二人ともお休みで久しぶりにゆっくりと二人きりで過ごせる日なのだ。
「久しぶりのデートなのにいいのか?」
「はい!この時期はいつも美ツ騎さんしんどそうですので。それに家なら誰にも邪魔されずに美ツ騎さんを独り占めできます!」
今はもう五月の終わり頃。そろそろ梅雨入りになるのでここ最近、体調が悪かったのは事実だ。彼女に遠慮させてしまったのではないかと思い顔を伺うと優しい眼差しで微笑んでいた。
「分かった。というかそんな顔されたら断れない」
「え、どんな顔してます!?」
「愛おしくてたまらないって顔」
「美ツ騎さんだって同じ顔してますよ!!」
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