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    とわこ

    @towako71

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    とわこ

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    迷走している烈兄貴誕2020その2。
    やっぱりほんのりと豪烈でRR三十路。

    烈の誕生日には、こした堂のいちごショートケーキを用意するのが恒例だった。
    豪は今年も、ケーキを用意して烈を待っていた。
    ──仕事が終わったら、俺んち来るよな?
    烈にそうメッセージを送ったが、既読がなかなかつかない。
    忙しいのは分かっている。
    分かっているが。
    「父ちゃーん。烈おじさん、来ないのー?」
    翼が眉を下げて、待ちくたびれたと言うようにソファでごろごろしている。
    「もうケーキ食べちゃおうよー」
    「待て!駄目だ。あれは、烈兄貴の誕生日ケーキなんだから」
    「だって。烈おじさんだよ?あんなにかっこいいんだもん、今日はきっとカノジョとか、気になる女の人とかと、デートだよ」
    翼が言うのに、豪はふんと鼻を鳴らした。
    「兄貴にそんな女いねーよ」
    豪は、烈の他人への興味が極端に薄いことを知っている。それに、恋愛に疎く、自分に向けられる好意に鈍いことも。
    ──万一そんな女がいたら、全力で引き離すつもりでもある。
    「とにかくちょっと待ってろって。絶対今日は来るから」
    「えー?そんなの、分かんないじゃん……」
    烈おじさん、わざわざ誕生日に父ちゃんとこになんて来るかなー?
    まだブツブツ言う翼を無視して、豪は烈に電話を掛ける。
    ほんの数コールで、烈はすぐに出た。
    『豪!ちょうどよかった。翼くん、ショートケーキとチョコレートケーキ、どっちが好きかな?』
    電話に出るなり、烈は訊ねてきた。
    「は?ケーキ?」
    『そう。後で、こした堂に行こうと思ってて』
    「こした堂のケーキなら、もううちにあるぜ。早く来いよ、兄貴」
    豪が苦笑すると、烈は電話の向こうで笑った。
    『毎年よく覚えててくれるよな、お前』
    「そりゃあな、何年一緒に祝ってると思ってんだ?忘れたくても忘れねぇ」
    『仕事、もうすぐ終わるから。待っててくれ。──ケーキありがとな、豪』
    「おう。待ってるぜ」
    メッセージなんて送らなくても、烈が豪と誕生日を過ごすつもりだったことに、豪は嬉しくなる。
    翼が言うように、烈とこの日を過ごしたがる女性も勿論居るだろう。
    だが、どんな美女にも、豪はこの日を譲る気なんてさらさらないのだった。
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