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    とわこ

    @towako71

    レツゴ(主にエリシュミ、シュミ右)とかレツゴストDKとか

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    とわこ

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    2020年シュミット誕にTwitterに上げたもの

    「お誕生日おめでとうございます、シュミット…」
    エーリッヒが両手でシュミットの頬を包み込み、柔らかく優しく、唇を啄む。
    「ありがとう、エーリッヒ」
    キスの合間に答えると、それを合図にしたようにエーリッヒのキスは深くなった。
    ぴちゃり、水音が、響く。
    「んっ……」
    恥ずかしい、と思うも、エーリッヒは逃げることを許さない。
    「…ふぁ、…エーリッヒ………んっ、ぁ…むっ」
    とろけるようなキスに、シュミットは甘く声を漏らす。
    その事に興奮したのか、エーリッヒは頬を包んでいた手を離してシュミットの腰に回すと、ぐっと力を込めて抱き寄せた。
    密着した下腹部に、熱を感じる。
    自分の熱か、エーリッヒの熱か……。
    続きを無意識に期待してしまっているシュミットを、しかしエーリッヒは解放して、シュミットの唇をそっと拭う。
    「さぁ、パーティーの準備をしましょうね」
    「待ってくれ、エーリッヒ。こんな状態で、放り出さないでくれ」
    シュミットがエーリッヒの腕に縋ると、エーリッヒは困ったように笑った。
    「僕だって、もっとあなたを堪能したいですよ。でも、今日のパーティーはすっぽかす訳にはいかないでしょう」
    そう宥めて、エーリッヒはシュミットから素っ気なく離れてしまった。
    今日のパーティーは公的な、シューマッハ家主催のものだ。シュミットの誕生日を祝うのが名目のそのパーティーに、遅れるわけにはいかず、渋々、シュミットも身支度を始める。
    「エーリッヒ!タイが上手く結べない」
    「はいはい。全く、困ったひとですね、あなたは」
    エーリッヒにタイを結んで貰うのが、シュミットは好きだ。
    エーリッヒに世話をしてもらうのが、甘やかされるのが、エーリッヒの全てが、シュミットは好きだ。
    ぴしりと正装したかっこいいエーリッヒを見ることが、退屈なパーティーの唯一の楽しみだった。
    「ねぇシュミット。僕たち、結婚しませんか」
    何気なく、エーリッヒはパーティー会場へ向かう車中、並んで座る後部座席で話しかけてきた。
    「……は?」
    「結婚してください、シュミット」
    シュミットは目を白黒させて、「待ってくれ、エーリッヒ、」とようやく言った。
    エーリッヒとは、長く恋人として付き合っているし、同棲もしているし、だけど、結婚?
    「僕の生涯のパートナーになるのは嫌ですか」
    「………嫌なわけない」
    そんな聞き方ずるい、とシュミットは唇を尖らせ、目をそらす。
    「だったら、結婚しましょうよ」
    ね?と優しく言われ、シュミットは真っ赤になり頷いた。
    「ありがとうございます。愛していますよ、シュミット」
    そっと、エーリッヒがシュミットの左手をとる。
    薬指にちゅっと口付けられてシュミットは胸をドキドキさせた。
    「……今年のあなたの誕生日、何を贈ろうか悩んで。僕の人生の全てを贈ることにしました」
    「……重いな、お前のプレゼントは」
    「嫌じゃないでしょう?」
    確信に満ちた目で見つめられ、シュミットは恥じらいに目を伏せる。
    しかしエーリッヒは許さず、シュミットの顎をぐっと掴み、顔を自分の方に向かせた。
    「ね。あなたからの愛の言葉。聞かせてください」
    「言わなくても分かるだろう」
    「言って欲しいんです」
    渋々と、シュミットは視線を彷徨わせながら、言葉を探し──結局は単純な言葉しか浮かばず、
    「……愛してるよ、エーリッヒ」
    とやっとの思いで言った。
    シンプルな言葉にもかかわらず、感極まったらしきエーリッヒにぎゅっと抱き締められて、シュミットは恐る恐るエーリッヒの背に腕を回す。
    「私でいいのか、エーリッヒ」
    「あなたでないと嫌です」
    エーリッヒが答えたのに、ぐすっと鼻を鳴らしながら、「シュミット坊ちゃん、おめでとうございます。よかったですねぇ…」と運転手が零した。
    「ありがとうございます。あなたのご主人、僕が必ず幸せにしますね」
    エーリッヒはにこやかに言うものの、シュミットは恥ずかしくて仕方がなくなり、エーリッヒの胸を押しやって身体を離すとツンとそっぽを向く。
    「今日のパーティーで、あなたのご両親にご挨拶しますね。僕の実家にはいつ行きますか?役所には、早めに行きましょうね」
    エーリッヒはシートに投げ出されたシュミットの手に、それより少し大きな自分の手を重ね、心底嬉しそうに笑いかけた。
    「──もし、私の両親や、お前の御家族に反対されたらどうする」
    シュミットの意地悪な問にもエーリッヒは怯むことなく、
    「世界中の誰が反対したって、あなたを諦めたりはしません」
    ときっぱり答えた。
    そうか、と答えてシュミットは、俯いて小さく笑った。
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