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    omotimoti29

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    DONEさねげん版バースデー0107  現パロ
    笑い上戸に泣き上戸、怒り上戸に絡み酒。酒の酔い方は星の数ほどあるとは言うが。
    ・・・そうくるか。
    実弥は、こたつに突っ伏したまま、赤い顔で管をまく弟を遠い目で眺めた。

    「大体さぁ・・・兄ちゃんってズルいと思わねえ?頭いいし、格好いいし、筋肉もすごいしさあ」
    「うんうん、実兄ぃはかっこいいよねー」
    「おまけに家事もできて、DIYも出来て、料理なんかプロ並みだし」
    「そうそう、玄兄ぃ、よく分かってる!」
    「顔も超ぉカッコいいし。眩しいし・・・何か後光差してるし」
    「いよっ!実兄ぃの生き仏!」

    一体、これは何の羞恥プレイなんだと、実弥はしみじみ思う。例え世辞でも褒めてくれるのは有り難いが、ここまでくるともはや、嫌がらせだ。何が眩しいだ、生き仏だ。玄弥がそんなモンだから、妹弟達まで調子に乗って、やんややんやと囃し立てて、至極アットホームな雰囲気だったはずの誕生日会は、もはや宴会場と化している。ネクタイを頭に巻いたオッサン共が周りにいないのが、いっそ不思議なくらいだ。呆れながらも、お前も同じ顔だろと、実弥が言い返せば、案の定、酔っぱらいは「兄ちゃんは全っ然、分かってない!」と、こたつの天板を叩いてキレ始めた。
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    DONE現パロ実玄 先輩・後輩(ドロライ) ハロウィン
    「先輩、地味ハロウィンしましょうよ」と、可愛い後輩が可愛い顔をして言う。
    実弥はその言葉を知らなかったが、地味ハロウィンと言うのは、その言葉通り、あくまでも地味に、控えめに行うハロウィンの事らしい。仮装も、一目でそれと分かるような吸血鬼やカボチャ男、アニメのキャラクターなどではなく、それと言われて、ああ!と思うくらいの、さり気ないものでいいと言う。

    「ほら、宝くじのCMとかでやってるじゃないですか。女優さんがエプロンつけて、『宝くじ売り場のお姉さん!』みたいな」
    「あー…、何かあったな」

    言われてみれば、そんなCMもあったように思うし、地味ハロウィンとやらも、何となく理解できなくもないが、その面白さと言うものがさっぱり分からない。それなら、分かりやすいコスプレで構わないから、可愛い後輩が猫耳でも付けてくれないモンかと思うのが、折角だから、SNSでも話題の地味ハロウィンがやりたいと言ってきかない。いずれにせよ、今日一緒に飯を食いに行く予定は変わらないのだし、あわよくば『トリックオアトリート』と、悪戯するのもされるのも、吝かではない。実弥は頭の中でそう算段をつけて、可愛い後輩の可愛いお強請りに、如何にも仕方がないなという顔で頷いた。
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    omotimoti29

    DONE現パロ実玄 先輩・後輩 実弥誕(ドロライ)
    「…ホントに、こんなのでいいんですか?」
    「そーだなァ…ちっと物足りねェか?」

    だから序にこれもと、量販店で買ったフワフワのうさぎ耳を頭に乗せてやれば、後輩がこれでもかと顔を赤くして頬を膨らます。モジモジと尻を揺らす、可愛いバニーに可愛い声で「ヘンタイ」などと罵られたところで、痛くも痒くもない。

    「何でも言う事きいてくれるんだろ?」
    「そんな事言ってませんよ!先輩の欲しいものなら何でも、って言ったんです!…まあ、俺に買える範囲なんて知れてますけど…」
    「あー、そうだった。確かに、そう言ったよなァ?」


    事の始まりはつい半月ほど前の事で、俺の誕生日が近いと知ったこの可愛い後輩が俺に、「何か欲しいもの無いですか?」と、仕事中に聞いてきたのが始まりだ。金に余裕がないのは俺もコイツも同じ。目に入れても痛くない可愛い後輩に無理をさせるなど、論外。無論、俺はプレゼントなど不要と答えた。しかし、後輩は納得しない。「ちょっとくらい値の張るモンでも良いから、何でも言って欲しい」と食い下がる。恐らくは、コイツの誕生日に、俺がコイツの欲しがっていたプレミア付きのゲームソフトを密かに入手してプレゼントをし、一目でそれと分かるいい肉を嫌という程たらふく食わせてやったのを、気にしているのだろう。年下が気ィなんか、遣うモンじゃない。俺は「気持ちだけで十分だ」と重ねて言った。が、後輩は俺がそう言えば言うほど、「何かさせてくれ」と譲らない。
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