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    omotimoti29

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    omotimoti29

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    現パロ実玄 先輩・後輩(ドロライ) ハロウィン

    「先輩、地味ハロウィンしましょうよ」と、可愛い後輩が可愛い顔をして言う。
    実弥はその言葉を知らなかったが、地味ハロウィンと言うのは、その言葉通り、あくまでも地味に、控えめに行うハロウィンの事らしい。仮装も、一目でそれと分かるような吸血鬼やカボチャ男、アニメのキャラクターなどではなく、それと言われて、ああ!と思うくらいの、さり気ないものでいいと言う。

    「ほら、宝くじのCMとかでやってるじゃないですか。女優さんがエプロンつけて、『宝くじ売り場のお姉さん!』みたいな」
    「あー…、何かあったな」

    言われてみれば、そんなCMもあったように思うし、地味ハロウィンとやらも、何となく理解できなくもないが、その面白さと言うものがさっぱり分からない。それなら、分かりやすいコスプレで構わないから、可愛い後輩が猫耳でも付けてくれないモンかと思うのが、折角だから、SNSでも話題の地味ハロウィンがやりたいと言ってきかない。いずれにせよ、今日一緒に飯を食いに行く予定は変わらないのだし、あわよくば『トリックオアトリート』と、悪戯するのもされるのも、吝かではない。実弥は頭の中でそう算段をつけて、可愛い後輩の可愛いお強請りに、如何にも仕方がないなという顔で頷いた。




    とは言え、”それと言われて、ああ!と思うくらいの、さり気ない仮装”、などと言われても、さっぱりピンとは来ない。元より、後輩の仮装に関心はあっても、自身の仮装なぞには微塵の興味もない実弥はごく普通に、着慣れたパーカーにシャツと言う普段通りの恰好で駅前に現れた。後輩に何か言われようものなら、適当に「普通の通行人」とでも言うつもりだ。

    ・・・それにしても一体、どんな格好で来るつもりだァ?

    地味ハロウィンと称するからには、猫耳姿も魔女っ娘もメイド姿も拝めないのは分かっているが、ナース服あたりはギリセーフじゃねぇかと、実弥は至極真面目な顔で考えてみたりする。病院に行けば、ナースは普通にいくらでもいるのだから、これは地味ハロウィンの範疇に違いない。いや、絶対にセーフだろ。

    「先輩ーっ!」

    微かな期待を滲ませつつ、実弥が振り向くと、手を振りながら小走りに走り寄ってきた後輩は、何故か自分と同じパーカーを着ていた。しかも、何だかサイズ感がおかしい。肩がずり落ちるほどではないが、多少の違和感を感じる程度にサイズが大き目で、明らかに袖も余っている。手の甲などは、半分ほど隠れてしまっていて、いわゆる、萌袖状態だ。
    いやしかし、あざといなお前。
    スンと鼻を鳴らして、努めて無表情に「何の真似だ?」と問う実弥に、後輩は長いパーカーの裾を引っ張りながら、へへっと照れたように笑った。

    「え…っと、これは、”先輩の家にお泊りした翌朝の彼女”です!」

    その、あまりにあざと過ぎる答えに、実弥は危うく膝から崩れ落ちそうになりながらも、何とか足を踏ん張って堪えた。

    「前から先輩のパーカー、カッコいいなって思ってて。ずっと、欲しかったんですよ」

    何だ、この可愛い過ぎる生き物は。可愛い過ぎて、いい加減、心臓とあらぬところが痛い。後輩の破壊的可愛さに慄きつつ、それでも実弥は、平生を装って心臓と股間の痛みに堪えていたが、トドメの「ふふ。お揃いになっちゃいましたね」の一言には、強靭な実弥の理性も流石に耐えきれなかった。いやむしろ、この天然相手に、これまでよく頑張った方だろう。無言で萌袖の後輩の手を引っ掴み、ゾンビや魔女の溢れるハロウィンの人込みの中を、縫う様に擦り抜ける。

    「先輩?」

    足早に賑やかな大通りを逸れて、ひっそりとした人の少ない裏通りに紛れ込めば、ハロウィンにはお誂え向きの濃い闇色の世界が広がっている。それでも、可愛い子羊のような後輩は、まるで警戒心というものがないらしい。手を引かれるままに、前のめりになって付いてノコノコ付いて来て、「それで、先輩のそれは、何の仮装なんですか?」と、未だに能天気な事を言っている。それが、少々腹立たしいから、”トリックオアトリート?”なんて、選択肢は与えてやらない。

    「教えてやろうか?」

    暗がりで足を止めて、繋がった手の甲を指の腹でスルリと撫でて。一瞬、肩を震わせた後輩の腰を反対の手で抱き寄せる。息が触れるくらいまで顔を寄せたところで、ようやくの事で、困惑の表情を見せた子羊に気を良くして、実弥はニッコリと笑って、後輩の知りたがっていた答えを教えてやった。

    「”可愛い後輩に、これから悪いコトをする先輩”」
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    omotimoti29

    DONEさねげん版バースデー0107  現パロ
    笑い上戸に泣き上戸、怒り上戸に絡み酒。酒の酔い方は星の数ほどあるとは言うが。
    ・・・そうくるか。
    実弥は、こたつに突っ伏したまま、赤い顔で管をまく弟を遠い目で眺めた。

    「大体さぁ・・・兄ちゃんってズルいと思わねえ?頭いいし、格好いいし、筋肉もすごいしさあ」
    「うんうん、実兄ぃはかっこいいよねー」
    「おまけに家事もできて、DIYも出来て、料理なんかプロ並みだし」
    「そうそう、玄兄ぃ、よく分かってる!」
    「顔も超ぉカッコいいし。眩しいし・・・何か後光差してるし」
    「いよっ!実兄ぃの生き仏!」

    一体、これは何の羞恥プレイなんだと、実弥はしみじみ思う。例え世辞でも褒めてくれるのは有り難いが、ここまでくるともはや、嫌がらせだ。何が眩しいだ、生き仏だ。玄弥がそんなモンだから、妹弟達まで調子に乗って、やんややんやと囃し立てて、至極アットホームな雰囲気だったはずの誕生日会は、もはや宴会場と化している。ネクタイを頭に巻いたオッサン共が周りにいないのが、いっそ不思議なくらいだ。呆れながらも、お前も同じ顔だろと、実弥が言い返せば、案の定、酔っぱらいは「兄ちゃんは全っ然、分かってない!」と、こたつの天板を叩いてキレ始めた。
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    omotimoti29

    DONE現パロ実玄 先輩・後輩(ドロライ) ハロウィン
    「先輩、地味ハロウィンしましょうよ」と、可愛い後輩が可愛い顔をして言う。
    実弥はその言葉を知らなかったが、地味ハロウィンと言うのは、その言葉通り、あくまでも地味に、控えめに行うハロウィンの事らしい。仮装も、一目でそれと分かるような吸血鬼やカボチャ男、アニメのキャラクターなどではなく、それと言われて、ああ!と思うくらいの、さり気ないものでいいと言う。

    「ほら、宝くじのCMとかでやってるじゃないですか。女優さんがエプロンつけて、『宝くじ売り場のお姉さん!』みたいな」
    「あー…、何かあったな」

    言われてみれば、そんなCMもあったように思うし、地味ハロウィンとやらも、何となく理解できなくもないが、その面白さと言うものがさっぱり分からない。それなら、分かりやすいコスプレで構わないから、可愛い後輩が猫耳でも付けてくれないモンかと思うのが、折角だから、SNSでも話題の地味ハロウィンがやりたいと言ってきかない。いずれにせよ、今日一緒に飯を食いに行く予定は変わらないのだし、あわよくば『トリックオアトリート』と、悪戯するのもされるのも、吝かではない。実弥は頭の中でそう算段をつけて、可愛い後輩の可愛いお強請りに、如何にも仕方がないなという顔で頷いた。
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