絡まったその糸もきっと願った赤になる「サニー」
「………………」
　窓から柔らかい月の光が差し込む夜半前。
　そっと呼び掛ければ、コアラのようにひっついていたその人に頭をぐりぐりと擦り付けられた。
　ついでにお腹の少し上に回された腕の圧も強くなる。
「僕、明日早いんだ。だからもうそろそろ寝なくちゃいけないんだけど……」
　何とか穏便にこの腕を解いてもらおうともう三度目になる呼び掛けをするも、一向にその願いは叶わないばかりか、また抱き締められる力だけが強くなっていく。
　本来なら願ってもない状況の筈なのだが、アルバーンはそんな今に密かなため息をついた。
　今日は平日のとある日。
　かけがえのない愛しい恋人はここ暫く連勤で、なんでもすばしっこい犯人を捕まえるのに相当苦労していたみたいだ。

【sonnyban】苦海慈航-part2*

他的记忆在脑海中贫瘠的荒原上生长出来，眼前的景色逐渐模糊了，时间倒带回很多年前的一列火车上。Alban想起他们第一次见面时的场景，就是在那列驶向城市的火车上他遇见了大学刚毕业的Sonny，对方坐在他对面的座位上，他已经忘记列车上其他的人，主观地把窗外的背景篡改成了浓雾笼罩的冬天。

冷风从窗户的缝隙里钻进来，Sonny把脸向围巾里挤了挤，伸出手关上了车窗。这时Alban开始注意到自己面前的人，对方的脸冻得发红，不停朝手上哈气，那些白雾在接触到他同样苍白的掌心后凝成了水珠，挂在他的五指之间。他们共用的小桌上铺着一张旧报纸，保温杯里热气腾腾的开水随着列车的颠簸而摇晃，Alban忍不住一直盯着这个以最原始方式取暖的青年，他憋着笑，把保温杯的盖子拧紧，递给Sonny：“用这个吧。”