突然、家にやってきた黒い集団。驚く間も無く、あっという間に薄暗い地下に閉じ込められて血塗れの壁が出来上がった。
耳を劈く断末魔の叫びは幾度と無く続いて、ついにその番が自分に巡ってきた。
ああ……女神様はどうしてこんな運命を負わせたのでしょうか?祈っても願っても嘆いても誰も助けてくれない。こんな日々が永遠続くと絶望したのは数え切れない。
それでも、私は懸命に生きてきたのに、どうして──。
恨み越しの懺悔を放った後、気付いた。
誰もいない、何も聞こえない、飛び散る肉片が止んでいる。
終わった。これまでの人生は終焉し、誰のものでなく、私は私のままに生きていいのだと覚らされた。今の私こそ自由で、女神にもなれると導いてくれた。
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