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    YoMi6597

    @YoMi6597
    誰にも刺さらなそうで、癖が強めの話をあげます。
    自己責任でご覧下さい。
    リクエスト頂いたり趣味全開で書く事もありますのでダョ以外、ルツ以外も載せます。ちゃんと注意書きは明記致しますのでご確認下さいませ。

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    YoMi6597

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    9月がお誕生日だった大好きならいちゃんにお渡しするお話がめちゃくちゃ大遅刻してしまいました…本当に本当にお待たせしてごめんなさい(泣)
    よみの🥞🌟が読んでみたい、なんて物好きなリクエスト、凄く嬉しかったです!
    これからも仲良くしてね♡
    パスワードはいつも尊いお話を書く、優しくて素敵な彼女のお誕生日です。

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    last_of_QED

    BLANK【5/24 キスを超える日】ほんのり執事閣下【524】



     かつてキスをせがまれたことがあった。驚くべきことに、吸血対象の人間の女からだ。勿論、そんなものに応えてやる義理はなかったが、その時の俺は気まぐれに問うたのだ。悪魔にそれを求めるにあたり、対価にお前は何を差し出すのだと。
     女は恍惚の表情で、「この身を」だの「あなたに快楽を」だのと宣った。この人間には畏れが足りぬと、胸元に下がる宝石の飾りで首を絞めたが尚も女は欲に滲んだ瞳で俺を見、苦しそうに笑っていた。女が気を失ったのを確認すると、今しがた吸った血を吐き出して、別の人間の血を求め街の闇夜に身を隠したのを良く覚えている。
     気持ちが悪い。そう、思っていたのだが。
     ──今ならあの濡れた瞳の意味がほんの少しは分かるような気がする。

    「閣下、私とのキスはそんなに退屈ですか」
    「すまん、少しばかり昔のことを思い出していた」
    「……そうですか」

     それ以上は聞きたくないと言うようにフェンリッヒの手が俺の口を塞ぐ。存外にごつく、大きい手だと思う。その指で確かめるよう唇をなぞり、そして再び俺に口付けた。ただ触れるだけのキスは不思議と心地が良かった。体液を交わすような魔力供給をし 749