窓から見える空は白い。遠くのほうで木が揺れる。チョークが黒板を滑り、教科書を捲る音が連鎖する。私は待つ。時計の針が一歩ずつ進み、また戻ってきて、私を解放するのを待っている。教師の言葉は聞こえない。どこかから響く足音も耳に入らない。私はただひたすら待つ。そしてとうとう時間が止まった。しんと静まり返る教室にファンファーレが鳴り、世界がもう一度動き出す。私は静かに鞄を手に取った。あの場所まで歩く。早く早くと急かされてもつれそうになる足が、羽に変われば良いと思う。扉を開くと君がいる。君はずっとここにいる。一人で本を読んでいる。
ここからどうしよ
はらへったな
誰かになんかもらうか
(てか、日常を文字に起こすってこんなんであってんのかな……)